杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
1月4日(日)の放送テーマは、「くろまぐろ 釣りに行くなら 届出を」。水産庁 資源管理部 管理調整課で釣人専門官の鈴木泰礼(すずき・やすのり)さんから、くろまぐろに関する国際的なルールや、4月1日からスタートする届出について伺いました。
村上佳菜子、鈴木泰礼さん、杉浦太陽
◆厳格なルールで資源量を管理
くろまぐろは「まぐろの王様」と称され、成長すると全長3メートル以上、体重400キロを超えるものもあります。広い海で出会うこと自体が難しい魚ですが、味の良さから市場では高値で取引されるため、くろまぐろ釣りは、漁師にとっても釣り人にとっても憧れとロマンの象徴といえます。
日本人の食卓を彩ってきたくろまぐろですが、その価値の高さゆえ世界中で漁獲が進み、かつては深刻な資源減少にも直面しました。こうした状況を受け、現在は日本だけでなく、韓国、台湾、アメリカ、メキシコなど関係国・地域が連携し、国際的なルールのもとで資源管理がおこなわれています。
鈴木さんによると、2010年のくろまぐろの資源量は国際機関の評価で約1万2,000トンまで落ち込み、“歴史的低水準”と呼ばれるほど危機的な状態にありました。これを受けて、2015年以降、国際的な合意のもとで漁獲量の上限が設定されました。「それに伴い、日本でも、獲っていい量、獲っていい大きさ、国への報告の仕方をしっかり決めて、全国の漁業者が協力して、資源を持続的に利用できるように管理しています。こうした取り組みの結果、2022年の資源量は14万4,000トンまで回復しました」と解説します。
また、2021年からは趣味でくろまぐろ釣りを楽しむ人に対してもルールが設けられました。30キロ未満のくろまぐろは、全長1メートルにも満たない0~2歳ほどの小さな個体のため採捕が禁止されています。釣り上げた場合は、すぐ海に放流しなければなりません。
30キロ以上のくろまぐろについても、持ち帰れるのは「1人1ヵ月に1尾まで」と定められています。それを超えて釣った場合は、ただちにリリースする必要があります。また、持ち帰った場合は、陸揚げした日から1日以内に水産庁へ報告する義務があります。
報告内容は、釣った人の氏名や連絡先などの本人確認情報のほか、くろまぐろの重量(計量方法を含む)、尾さ長(ふん端から尾さまでの長さ)、尾さ長が確認できる写真、陸揚げした日時と場所、釣った海域、船の名前など。こうしたルールをきちんと守ることで、日本全体の漁獲量が管理されています。
さらに、鈴木さんは「全体で釣った量が積み上がってきますと、一定の期間くろまぐろを釣ることを禁止することもあります。禁止期間中はキャッチ&リリースを前提としたくろまぐろ釣りも禁止です」と補足します。
◆2026年4月1日から“届出制”が導入
くろまぐろ漁は現在、漁業者に対しては許可制などの管理がおこなわれてきましたが、趣味として釣りを楽しむ人について明確な仕組みがありませんでした。しかし、くろまぐろが国際的なルールのもとで厳しく資源管理されている魚であることから、くろまぐろを釣る可能性のある人の全体像を把握する必要があるため、2026年4月1日より釣り人を対象とした届出制が導入されることになりました。
ただ、届出の対象となるのはくろまぐろを狙う釣り人だけではありません。「釣り人を漁場に案内する釣り船業者、さらに、自ら漁場に赴いて釣りをされる方や、釣り人を連れて行くプレジャーボートなどの船舶を運航する方も、くろまぐろを狙うのであれば対象になります」と鈴木さん。
◆届出には何が必要?
続いては、届出の内容について。鈴木さんは「まず、30キロ以上のくろまぐろを狙う釣り人は必ず、住所、氏名、電話番号、メールアドレスを届け出てください。加えて、出来る限り利用予定の船舶の情報や、入出港予定の場所、予定している釣り方などを、くろまぐろ釣りに行く日の1営業日前までにおこなってください」と説明します。
もし届出をせずにくろまぐろを釣ってしまった場合は持ち帰ることはできず、意図せず釣り上げた場合は、すぐに海へ放流しなければなりません。届出がないまま釣ったことが確認されると、農林水産大臣から「広域漁業調整委員会の指示に従いなさい」という命令が出され、その命令に従わなかった場合には、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
釣り船業者やプレジャーボートなど船舶を運航する人が、くろまぐろ釣りを目的とする場合も2026年3月20日までに手続きをおこなわなければなりません。期限までに届出がない場合、2026年4月1日から2027年3月31日までの1年間は、くろまぐろ釣りを目的とした案内や自ら漁場に赴くことができなくなります。
その届出内容について、鈴木さんは「氏名(法人の場合は名称と代表者の氏名)、住所、電話番号、メールアドレス、船の名前、入出港を予定している場所、さらに、釣り船の場合は、釣り船の登録番号、プレジャーボートなどの船舶の場合は、船舶番号または船舶検査済票の番号などです」と説明します。
こちらも届出がないまま釣り人を案内したり、自ら漁場に行ったりした場合は、釣り人と同様の罰則が適用されます。実際にくろまぐろを釣り上げなくても、案内したり漁場に赴いたりするだけで違反になります。
ちなみに、自ら船舶を運航し、自分でも釣りをする場合には「釣り人」と「船舶運航者」の2つの届出が必要になります。また、ボートを所有している人が子どもと一緒にくろまぐろを狙う場合、子どもも“釣り人”の対象となるため、それぞれ届出が必要になります。
なお、届出は水産庁のWebサイトにある
「クロマグロ遊漁の部屋」
からおこなえるほか、メールやLINEでも届出が可能です。
2026年度中におこなうくろまぐろ釣りについては、一度の手続きで2027年3月31日まで有効です。翌年度分は、また改めて届出を出していただくことになりますが、詳細は決まり次第、水産庁のWebサイトなどでお知らせいたします。
最後に、鈴木さんは「2026年4月1日から、くろまぐろを釣るなら届出が必要です。皆さんの協力でくろまぐろ資源が守られます。将来にわたってくろまぐろを釣ったり、食べたりして、みんなで楽しめるようご協力をお願いします!」と締めくくりました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「くろまぐろ釣りの届出ルール」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。村上は“くろまぐろ釣りにはルールがあります!!”と注目ポイントを挙げ、「消費者側は知らないことなので、まずはルールがあることを知ってもらいたいです」と話します。続けて杉浦は“今年4月から新ルール!! くろまぐろ釣りに届出制導入です”とスケッチブックに書き、「釣り人にも届出がいるんだということを皆さんにも知っていただきたいです」とコメントしました。
杉浦太陽、村上佳菜子
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm