TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、島田秀平さんと月刊「ムー」編集長・三上丈晴さん。ここでは、これから来る「未来」の話について、さらには、三上さんが“有史以来の大命題”と言う「人間とは何か?」という大きなテーマについて言及しました。
▶▶この日の放送内容を「AuDee(オーディー)」でチェック!
(左から)三上丈晴さん、島田秀平さん
◆そろそろ決着をつけなければ
島田:今って情報量がすごいじゃないですか。日々取捨選択する数も増えてきているし、目にする情報もとてつもなく多くなってきていて、それが原因で人間がどんどんせっかちになってきている、という話もあるじゃないですか? だから、目にしたり、入手できる情報がすごく多いので、昔の10年と今の10年の速さが全然違う気がするんですよね。
三上:そりゃそうなりますよね(笑)。
島田:そうですよね。だから、昔って“今から5年後は、こんな感じかな?”って想像できるところもあったけど、今だと5年後が想像できないくらい、とんでもなく違う世界になっている可能性がありますよね。
三上:変な話「時間」っていうのは幻想だから。みんな“時間は流れている”と思っているけど、別に流れてはいないんですよ。
島田:その話ですね(笑)。
三上:要は感覚なんだよね。“時間が流れている”と脳が勝手に解釈しているだけ。例えば、“色”って物質に色が付いているわけじゃなくて、脳が勝手に色を付けているだけなんです。
そう考えると、本当に“確固たるもの”ってないんですよね。実はしっかりしたものが、あるようでない。だから、突き詰めると非常に危ういっていう。
島田:だから僕らは、どんどん変わる世の中に対して、柔軟に新しいことをいろいろ試すというか、“とりあえずやってみよう”の精神が大事なんでしょうかね。
*
島田:例えば、コンタクトレンズを入れたら、出会った人の年齢とか情報がパーッて見えるとか、何か調べ物をしたかったら、すぐパッと見えるっていうものも発明されたりして。そうすると、勉強する必要もなくなってくるんじゃないかという話もありますよね?
三上:知識とかも“ダウンロードしちゃえば速いだろう”みたいなね。
島田:そうそう(笑)。
三上:それで言うと、脳に端子を刺して、その人が“今、何を考えているか?”っていうのをモニタリングできるんですよ。
島田:えぇ!?
三上:例えば、ゾウさんが写っている写真を見て“その写真を思い浮かべてください”って。すると、モニターで(脳のなかでイメージした)ゾウの写真が出てくるわけです。
島田:へぇ~! すごいですね。
三上:モニタリングできるっていうことは、データとして取り出せるわけで、基本的に人間の自我とかをつくっているものは「記憶」で、記憶はデータだから……。
つまり、記憶を取り出すこともできるし、コピーもできるし、改ざんもできる。そういう時代になってくるよね。脳神経の発達具合とか、その辺がどこまでできるのかは分からないけれど。
島田:……なんかすごい話になってきた(笑)。そんなことが実現したら、“人の死”とかもよく分からなくなってきますよね。記憶を取り出すなんて……。
三上:“ハードディスクのなかで永遠に生きられますよ”ってね(笑)。昔、そういうSFがありましたけど、理屈的にそういう話が可能になってくる。
島田:三上さんって……今どういう気持ちで生きているんですか(笑)?
三上:いつも言っているように、最終的に突きつけられているのは「人間とは何か?」っていうことなんだよね。有史以来の大命題である、この哲学的な問いに対して“そろそろ、ちゃんと決着をつけなければ”という思いがある。
そして、答えを出さないと“(人間が)滅びる”っていうのは言いすぎかもしれないけど……そうなるかもしれないなとも思っています。
<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/speakeasy/