手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。今回の放送では、軍事ジャーナリストの黒井文太郎(くろい・ぶんたろう)さんに、「Jアラート(全国瞬時警報システム)とどう向き合うべきか?」について伺いました。
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4月13日(木)、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射。日本政府は、北朝鮮から発射されたミサイルが北海道付近に落下するとみて、Jアラート(全国瞬時警報システム)で避難を呼びかけましたが、その後、呼びかけを訂正するなど情報が一時錯綜しました。
北朝鮮は、ミサイル技術を急速に進化させています。今回、発射されたミサイル「火星18型」について、黒井さんは「固体燃料型というこれまでになかったまったく新しいミサイルなんです。それを撃ってみたところ、北朝鮮の発表によると『成功した』ということです。完全に成功かどうかは分かりませんが、技術力はかなり上がっていて、おそらく今後は太平洋まで(ミサイルを)飛ばす実験もおこなわれるでしょう。それから核実験も。そうなった時点で、北朝鮮の核戦力の全体レベルが非常に上がってきているということが言えます」と解説します。
一方、今回の北朝鮮の弾道ミサイル発射を巡り、政府は北海道周辺を対象にJアラートを出しましたが、その後、訂正を発表しました。これに野党からは、国民に混乱が生じたとして検証や改善の必要を指摘する声もあります。
これに対し、黒井さんは、「Jアラートの重要性は、将来、朝鮮半島で戦争が起これば、核ミサイルが飛んでくる可能性がある。(そうしたときに瞬時に危険を知らせる)そのためのJアラートなんです。その可能性がある場合は、即座にJアラートを鳴らし、国民は避難行動に移らなければならない。Jアラートは無駄ではなくて、たとえ空振りに終わったとしても出していくのが通常のやり方です。本当に(ミサイルが)落ちてきた場合の被害を考えると、(Jアラートは)出すべき」と声を大にします。
では、Jアラートを通じて緊急情報が出たら、私たちはどう行動すれば良いのでしょうか。例えば、屋外にいる場合は、近くの建物の中か地下に避難し、建物がない場合は、物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守りましょう。そして、屋内にいるときは、窓から離れるか窓のない部屋に移動しましょう。
最後に黒井さんは、北朝鮮のミサイルへの捉え方について、「いずれは日本列島をはるかに飛び越えて、“太平洋に(核ミサイルを)撃つぞ”ということをにおわせています。それを今さらなくすのは無理だと思いますので、“将来、(戦争が)起こるかもしれない”という前提で、防衛というよりも自然災害と同じように“いずれ来るかもしれないので備えておこう”ぐらいの感覚でいいと思います」と話していました。
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/bousai/