TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、斎藤工さんと永野さん。ここでは、お2人の下積み時代の話を一緒に振り返ります。
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(左から)永野さん、斎藤工さん
◆ニーズを求めて苦労した時代
斎藤:僕がだいたい好きなものって、例えば、映画でも興行成績トップに入らないんですよ。その度に“世の中と気が合わないな”って思うんですけど、自分にとっては、その状態がすごく重要というか。
永野:“気が合わない”という状態が、どこか心地良い?
斎藤:そうなんです。“マイノリティの感覚を持てているな”って再確認できるんですよ。逆に、それがないと“埋もれてしまう”と思っちゃうので。
永野:工くんも、けっこう苦労した(時期がある)じゃない? 私も超遅咲きの40歳で売れたんですけど、30代後半ぐらいで“これじゃヤバい”って思ったんですよ。それで、1年くらい世の中に合わせようとして、(芸風を)ポップにした時期もあったんですけど。工さんは、そういう葛藤もなく売れた感じですか?
斎藤:いや、めちゃくちゃありましたよ。僕、最初のほうは、湿度のある映画の世界に憧れて入ったんですけど、オーディションを受けるたびに、自分の持っている要素と自分が求めている要素が乖離しているのが分かってくるんですよ。そんな話(のオファー)もまず来なくて、あまりにも仕事がないので、初期の頃は何でもオーディションを受けていました。
同世代がどんどん花開いていくなかで、“僕にはニーズがない”という焦りがずっとあって。人から必要とされることがないと、“存在がない”っていうこととイコールになっちゃうなと。
永野:めっちゃ分かるわ。(クリスチャン・)ラッセンのネタ(「ゴッホとピカソに捧げる歌」)も、コーティング自体は激甘で「やっすいですね」っていわれるようなネタだけど、それでもいいから世に出たかった。そういう考えが、斎藤工にもあったんだ。
斎藤:めちゃくちゃありますよ。
◆ニーズを求めて苦労した時代
斎藤:結局、なんだかんだ“見た目が強い”って思いますね。心理学の法則で、人間の印象に残る割合は「言葉:7、音:38、ビジュアル:55」だそうです。例えば、講義を聞いていても、その講義をしていた先生のネクタイがよれていた、とかのほうが印象は強くなってしまう。
永野:いま言われて“なるほど”と思ったのが、自分のルックスに思想も引っ張られているんですね。自分のYouTubeチャンネルで、美大出身のスタッフが僕の似顔絵を描いてくれるんですけど、それが劇画調で、言っちゃえば悪魔みたいな顔なんですよ。
斎藤:(笑)。
永野:最初は普通に嫌だったんですけど、言われてみれば“そういうことなんだな”と思って。自分が悪魔的なルックスだからこそ、自分の思想もそっちに引っ張られるんですよ。しかも、1人の男性としてはすごいロー、でも、そのローがパワーを生むんだよね。
<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/speakeasy/