TOKYO FMの音声サービス「AuDee(オーディー)」で配信中の、放送作家兼ラジオパーソナリティの植竹公和が、彼のレーダーにかかった文化人を招いて送るスペシャルトーク番組「歌う放送作家 植竹公和のアカシック・ラジオ」。今回のお客様は、前回に引き続き、お笑いコンビ・くりぃむしちゅーの上田晋也さん。ここでは上田さんの転機にもなった、いとうせいこうさんとの出会いについて振り返っていただきました。
▶▶「植竹公和のアカシック・ラジオ」音声版
(左から)上田晋也さん、パーソナリティの植竹公和
◆いとうせいこうが上田の可能性を見出していた?
植竹:上田くんにとって、いとうせいこうさんが芸能界でステップアップする方向性を導いてくれた人なんだって?
上田:そうですね。せいこうさんには頭が上がらないといいますか、すごくお世話になっています。
植竹:どういう面で?
上田:そもそもは20年ぐらい前、テレビ朝日で金曜の夜中に「虎の門」という生放送番組があったんですよ。芸人のネタコーナーがあったり、音楽や討論のコーナーなどがありました。
その討論コーナーに呼ばれて、一発目が「横山やすし対勝新太郎。すごいのはどっち?」みたいなテーマで。要は、「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)形式だけど、くだらないテーマで語り合うみたいな感じです。
植竹:(笑)。
上田:そのうち、僕はその討論コーナーにレギュラーで出させてもらうようになったんです。討論コーナーが落ち着いてきたとき、今度は「うんちく王決定戦」ができて。自分が知っているうんちくを短い時間のなかで語るみたいなやつです。
討論のほうはなんとなくレギュラーでやっていたので自分のなかで掴めていたんですけど、うんちく王の1回目に出たときに「ダメだ、無理だから次回から断ってくれ」とマネージャーに言ったんですよね。
植竹:うんうん。
上田:そうしたら、1ヵ月後ぐらいに「(うんちく王に)呼ばれました」と。のちのち聞いたことなんですけど、せいこうさんが「上田くんを呼んで欲しい」と言ってくれたみたいで。
「うんちく王決定戦だと、どうしても真面目な知識に寄りがちな部分になる。だけど、上田くんがどこかでガス抜きをしてくれるから、そういう意味でも呼んで」と言ってくれたみたいなんですよね。
植竹:へええ!
上田:「せいこうさんが来いって言ってくれているなら、しょうがないか」となり、そこから僕は、うんちくの勉強を始めました。正直ね、大学受験よりもはるかに勉強しましたから。
◆いとうせいこうの“記憶力”も怪しい!?
上田:いとうせいこうさんって、クレバーで先を見通す力がある人なんですけど、まあ記憶力が俺以上に酷いんですよ。
植竹:それは意外!
上田:何回も同じ話をするんですよね。「せいこうさん、それ聞きましたよ」って言えないから、黙って聞いていることもあります。
せいこうさんが自分でもビックリした話があるんですけど。あるとき、せいこうさんが引っ越しをすることになって荷造りをしていたんですって。昔のレコードがいっぱいあるから、捨てるのと保管するのを選別していたらしいんです。
植竹:うんうん。
上田:1枚1枚見ていたら、香港のアクション俳優のユン・ピョウのレコードが出てきたんですって。「なぜ俺はユン・ピョウのレコードを持っているんだろう? 聴いてよかったから買ったに違いない。最後に1回聴いて手放そうかな」とせいこうさんは思って、聴いたそうなんです。そうしたらメロディーが普通で悪いわけではないけれど、詩がすごくよかったと。
植竹:ほう!
上田:「詞を書いた人は天才だな」と思って、歌詞カードを見てみたら「作詞:いとうせいこう」って書いてあったんですよ。
植竹:あっはっは!
上田:それはさすがに覚えているだろって話じゃないですか。自分の書いたフレーズを聴いたら、出だしとかでわかりますよね。あの人は自分が書いたってことを歌詞カードを見るまでわからなかったんですよ。
植竹:マチャアキさんもそうだけど、そういう人っていうのはどんどん(記憶から)捨てていくんだねえ(笑)。
上田:どんどんリセットしていくんでしょうねえ。
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「植竹公和のアカシック・ラジオ」音声版
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<番組概要>
番組名:歌う放送作家 植竹公和のアカシック・ラジオ
AuDee、Spotifyで配信中
配信日時:隔週金曜10:00〜
パーソナリティ:植竹公和