手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。10月12日(土)の放送では、HITOTOWA株式会社 執行役員で防災士の津村翔士(つむら・しょうじ)さんに、同社が提供している“防災プログラム”について伺いました。
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「ネイバーフッドデザイン」という言葉を初めて聞いた人もいるのではないでしょうか。ネイバーフッドデザインとは、近くに暮らす人々が助け合える関係性と仕組みを通じて、例えば、防災や減災、子育て、お年寄りの生きがいの創出、地域住民の方々が助け合って行動できるように促すなど、都市におけるいろいろな課題を解決する取り組みのことです。
HITOTOWAは「ともに助け合えるまちをつくる、人が幸せな会社」をビジョンに掲げている会社で“防災・減災”についての取り組みをおこなっています。津村さんは、地域に関わる仕事に携わるなかで、若者の防災意識の低さについて注目することが多くあり、地域と防災を掛け合わせたプログラムを考えるようになったと言います。
ちなみに、全国共済農業協同組合連合会が1人暮らしをする全国の10代~30代前半の男女400人を対象にアンケート調査を実施したところ、学校の授業での防災教育について、「学校の防災教育の授業を受けたことがある」と答えた人が約72%いた一方で、「防災対策を十分におこなっている」と回答したのは約16%でした。
HITOTOWAの防災プログラムは“楽しく防災について知ってもらいたい”という思いから、ワークショップをメインに分かりやすく、楽しく、気付きを与えられる内容でプログラムが構成されており、主に“共助”について伝えていると言います。
そのプログラムの1つ“マンション防災”について、津村さんは「マンションには管理会社があるので、地震が起こると住民の方々は管理会社に対していろいろ要望することがあるんですけど、発災直後に管理会社の方々が何をしているかというと、“配管が壊れていないか”とか“壁に亀裂が入っていないか”“エレベーターを復旧させなきゃいけない”などハードの部分にすごく気を取られるので、平時では対応できるような住民へのきめ細かなサービスは難しくなってしまいます」と言及。
そのうえで、「発災直後の場合は“住民同士で助け合う”“管理組合がしっかり機能する”というところがすごく重要になってくるので、そういったことを学んでいただくようなワークショップをやらせていただいています。あとは、食料や水、トイレなどを各家庭でちゃんと備えておくことで二次被害的なものを防げる、みたいな“自助の大切さ”を伝えるようなワークショップもさせていただいています」と説明します。
このプログラムの反響を伺うと、「そもそも(防災について)詳細にイメージしたことがない方がほとんどだったりしますが、なかには“こういう場合はどうなのか?”“こういう場合、住民は何をしたらいいのか?”と深く興味を持っていただく方もいらっしゃるので、そういう場合は、管理組合に情報をつなげて『皆さんで話し合って決めていきましょう』と呼びかけたりしています」と語ります。
大勢の世帯が集まっているマンションは、防災機能を高め、災害発生に備えた体制を作っておくことで、いざというときに助け合うことができます。発災後、被害を受けたマンションでの生活は困難が伴います。互いに助け合う体制を作るとともに、居住者が守るべき生活上のルールを定めておくことが必要です。
いざというときのために、マンションのルールや住人の方とコミュニケーションを取り、一緒にプログラムを受けておくのは大切なことです。詳しいプログラムについて気になった方は、HITOTOWAのWebサイトをご覧ください。
<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋