青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。9月17日(日)の放送では、文部科学省「トビタテ! 留学JAPAN」広報・マーケティングチームリーダーの西川朋子(にしかわ・ともこ)さんを迎えて、「未来を切り拓く トビタテ! 留学JAPAN」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、西川朋子さん、足立梨花
◆「トビタテ!留学JAPAN」とは?
「トビタテ!留学JAPAN」とは、2013年に若者の留学機運を高めて、留学者数を増やすことを目指すべく、文部科学省、日本学生支援機構、そして民間企業など、オールジャパン体制でスタートした官民協働プロジェクトです。
現状、海外留学をする日本の大学生は全体の約3%、高校生では1%と非常に少なく、2020年度の調査では、日本人で海外の大学や大学院に単位を伴う長期留学をした人数が約4万3,000人だったのに対して、韓国は3倍の約12万人いました。
こうした現状もあり、今年春に開かれた「教育未来創造会議」では、「2033年までに海外留学する日本人を50万人にする」という目標が掲げられました。ちなみに、コロナ前の最も多かった年でも約22万人なので、今後10年で倍以上を目指すことになります。
留学のメリットについて、西川さんは「新型コロナウイルスによるパンデミック、AI(人工知能)の高度化など、未来を見通すことが困難で“正解のない時代”を生き抜くためには、未来に向かって価値を作り出す力が必要。そうした力を得るには留学経験が非常に役立ちます」と声を大にします。
また、日本は世界最先端の少子高齢社会とあって、今後、日本経済が活性化するためには、マーケットを世界に広げていく必要があります。そのためにも、さまざまな歴史や文化を持つ多様な人々と、対等な立場に立って協力し合うことが必要不可欠であり、「そうした人材を育成するためには“海外留学が効力を発揮する”と考え、オールジャパンで若者の留学を応援しています」と強調します。
実際に海外留学した人に「どんなことが身につきましたか?」と聞くと、「チャレンジ精神」「多様性の理解」「自ら動く主体性」という回答が多く寄せられています。
◆「トビタテ!留学JAPAN」の革新的な特長
「トビタテ!留学JAPAN」プロジェクトでの代表的な取り組みとして、西川さんが挙げたのは「新・日本代表プログラム」という給付型奨学金制度です。これは民間の寄付によって成り立っている“返済不要”の奨学金制度で、これまでの10年間で約9,500名の大学生・高校生の留学プランを採択し、サポートしてきました。
行き先や期間によって金額の違いがあり、例えば、アジア・オセアニア地域の場合、定額で準備金15万円と、月々12万円が給付され、それ以外の行き先の場合、準備金25万円、月々16万円が給付されます。なお、この奨学金制度の選考基準は「熱意」「独自性」「好奇心」のみで、成績や語学力は不問です。
ほかにも革新的な特長があり、その1つが「留学プランを自分で設計できる」という点。つまり、学びたいことがあれば何ヵ国も行くことができるとのことで、「ただの旅行になってしまうのはダメですが、自分で受け入れ先を見つけられれば、行き先や期間も自由ですし、(現地の)学校で学ぶだけではなく、インターンやボランティア、研究など、どのように学ぶかも自分で自由に設計できます」と西川さん。
例えば「貧困の実態をこの目で見たい」との理由でフィリピンにボランティア留学した女子高生は、スラム街でのボランティアプログラムに参加。そこで、子どもの食事のケアや異文化交流を通じて、教科書では学べない経験をしています。
また、「野球の最新トレーニングに挑戦したい」と、アメリカのIMGアカデミーに野球留学した男子高校生は、そこで動画分析や生体力学に基づくトレーニングを受けて「日本の部活だけでは体験できない新しい発見があった」と言います。
◆10年で培ったコミュニティや人とのつながりも提供
さらに「新・日本代表プログラム」の特長として、「留学前後で多様な講師陣や仲間同士で学べる研修を提供しています」と西川さん。というのも、この奨学金制度を利用した学生は過去10年間で約1万人、留学先は100ヵ国以上にも及びます。
こうした実績から「『トビタテ!留学JAPAN』は、100ヵ国以上につながりがあり、あらゆる分野で活躍する“諸先輩との人脈”という財産があります。こうした先輩方や講師陣と、事前・事後の研修を通じてつながることができます。こうした事前・事後の研修を通して、利用する方はしっかり仲間を作っていただきたいです」と声を大にします。
なお、選考は書類審査と面接でおこなわれ、今年度の定員は高校生などが700名、大学生などが250名で、倍率は高校で約3倍、大学で5倍程度です。来年度の留学に向けた募集は、秋頃から開始予定です。そのほか
「トビタテ!留学JAPAN」のWebサイト
では、そうした募集要項などの情報だけでなく、留学生の声や最新情報などを知ることができる充実のコンテンツを紹介しています。
最後に、西川さんは「『トビタテ!留学JAPAN 新・日本プログラム』への参加を検討するだけでも“いま何に興味があるのか?”“どうなりたいのか?”など、自分を見つめるきっかけになると思います。まずは、
『トビタテ!留学JAPAN』のWebサイト
をチェックして、海外留学を身近に感じてみてください」と呼びかけました。
今回のテーマを通して、足立は、日本の若者の留学数の少なさに驚いたと言い、「今後を見据えて、自分が何に興味を持っているのか、(将来は)どうなりたいのかを考えてみるのもいいし、実際に留学に行ってみて、違う文化に触れてみるのも面白いんじゃないかと思いました」と感想を口にします。
一方、青木は「トビタテ!留学JAPAN」が、お金だけではなくコミュニティや人とのつながりを提供している点に着目し、「海外で学ぶだけではなく、同じように留学した仲間や先輩ともつながれて、いろいろなコミュニティが作れるのは、とてもいいことだなと思いました」と話していました。
(左から)青木源太、足立梨花
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9月17日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2023年9月25日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花