放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。3月29日(日)の放送は、歌手で女優の中尾ミエさんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)パーソナリティの小山薫堂、中尾ミエさん、宇賀なつみ
◆自らの意思で飛び込んで芸能の道へ
今回はスタジオに、中尾ミエさんが登場しました。中尾さんは福岡県小倉で生まれ、6人きょうだいのなかで育ちました。実家は書店を営んでおり、1958年に一家で上京。千葉県市川市での生活を経て、1962年にデビュー曲「可愛いベイビー」が大ヒットし、一躍スターの仲間入りを果たします。伊東ゆかりさん、園まりさんとともに“スパーク三人娘”として時代を彩り、現在もコンサートや舞台、映像作品など幅広く活躍を続けています。
そんな中尾さんのデビューは、意外にも強い憧れからではありませんでした。「会社の方針です」と笑顔で語るように、デビュー曲も自身の希望ではなく決まったものだったといいます。きっかけは、自ら「働かせてくれ」と飛び込んだことでした。
紹介状を手に訪れた先で「歌でも歌ってみようかな」という軽やかな気持ちから、キャリアが動き出しました。「デビューしたのが15ですからね。その前なので何の才能もないし、経験もなかった。ジャズが好きだったので、のど自慢に出たりしてスタンダードジャズを歌っていました」と振り返りました。
◆楽しみは「仕事がなくなった生活」を想像すること
現在79歳を迎えた中尾さんの元気の秘訣は、日々の運動にあります。毎日、公園で仲間と歌いながら歩くのが日課で、大声で輪になって歌っていると明かします。「おばちゃんの1人が作詞作曲した曲を歌っています。毎日声を出すのは発声にもなっていいみたいですよ」と話します。
「今が人生で一番楽しい」と語る中尾さん。その理由については、「時間がもったいない」という意識が年々強くなっているからだと話します。限りある時間のなかで、「一日たりとも『こんなことをするつもりじゃなかった』という生き方をしたくない」と語り、日々を大切に、楽しく過ごす努力を欠かさないといいます。さらに、将来について考えること自体が今の楽しみのひとつだといい、「仕事ができなくなったときの生活を考えているときが楽しい」と微笑みます。
その理想のひとつは、自然に寄り添い、自立した暮らしです。電気に頼らなくても生活できる工夫や、DIYを楽しみながらの暮らしなど、なるべくお金をかけない生活を思い描いているといいます。そして何より、「死ぬまで何かやることを見つけたい」「何でもいいから常にやっていたい」と語り、行動し続けることの大切さを強調します。
こうした前向きな姿勢の源には、尽きない好奇心があります。「知らないことのほうが多い」と語り、「知るチャンスがあったら知りたい」と今まで積極的に新しいことに向き合ってきました。「できるようになったときの発見が楽しい」という言葉には、年齢を重ねてもなお成長を楽しむ姿勢が表れています。
中尾ミエさん著「76歳。今日も良日 年をとるほど楽しくなる70代の心得帖」(アスコム)
◆好きなことは何歳からでも始められる
中尾さんは人生観についても、独自のリズムで歩んできました。宇賀からの「もう少しで40歳になるのですが、生き方のアドバイスはありますか?」という質問に、自身のこれまでの歩みを踏まえて答えます。
中尾さんは30代で花開くと考えていたものの、「思いの外、花は開かなくて」と笑いながら振り返り、40代でようやく「大人の仲間入りをした」と実感したといいます。さらに50代になると、「やっと自分らしく生きられるようになった」と語ります。その背景には、積極的な挑戦がありました。ジャズダンス、クラシックバレエ、タップダンス、水泳、さらには運転免許の取得まで、中尾さんは50歳からいろんなことを始めました。かつては人生を70〜80年と考えていたものの、今は「まだまだ長い」と、その先を見据えています。
だからこそ、どの年代においても「自分の好きなことを始めること」が大切だと語ります。そして、特に強く勧めるのが運動です。「動けるうちから続けておかないと、いよいよダメになってからじゃできない」と、実感を込めて語りました。
番組では“手紙”をテーマにしたトークも展開されました。中尾さんの印象に残っているのは、振付師から届いた一通の手紙です。決して整った文章ではなく、汚い字で書かれたものだったといいますが、「私に言わないで(どこかに)行くと。“内緒にしていてごめんな”とか書かれていて、すごく愛情を感じて涙が出た」と振り返ります。「手紙ってこれでいいんだ」と感じたその経験は、愛情や熱量が伝わることが何より大切だと教えてくれたものでした。
番組では、中尾さんが「10年後の自分」へ宛てた手紙も紹介されました。「本当に短いですよ」と照れながら語るその手紙には、これからの思いが込められていました。
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY'S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/post/
番組公式X:@sundayspost1