5月6日(火・振休)に放送された、矢沢永吉がパーソナリティを務めるTOKYO FMの特別番組「矢沢永吉 I'm happy」。6月に横浜赤レンガ倉庫でおこなわれる、矢沢永吉ソロ50周年特別企画 「俺たちの矢沢永吉展」の開催を受けて、主催のTOKYO FMとニッポン放送がコラボ。矢沢自らがソロデビュー50年を振り返ります。
番組のパートナーは、TOKYO FM「YAZAWA LOCKS!」で共演した「とーやま校長」ことグランジ遠山大輔と、過去にニッポン放送の特別番組で共演経験があり、学生時代は矢沢永吉のコンサート警備もしたことがある垣花正が登場。ここでは、11月8日(土)と9日(日)に開催される東京ドーム公演への思いや、絶賛制作中のニューアルバムについて語りました。
(左から時計まわりに)番組パートナーの遠山大輔、垣花正、パーソナリティの矢沢永吉
◆東京ドーム公演は「嬉しくてしょうがない」
垣花:「EIKICHI YAZAWA LIVE in TOKYO DOME『Do It!YAZAWA 2025』」が、11月8日(土)と9日(日)に開催されます。場所はもちろん! 東京ドームです! 東京ドームの2daysをやると決めた瞬間の雰囲気はどんなものでしたか?
矢沢:矢沢のデビュー50周年で国立競技場の2daysをやったでしょ。当時、うちのスタッフが「ボス、50周年記念おめでとうございます! 国立競技場は大成功でした!」と言ってくれて。
そこから少し経ったら、「ボス、あと2年ちょっとしたらソロ50周年ですよ!」だって。「お前、ふざけんなよ。歌うのは俺なんだぞ」って話をしましたけど(笑)。そうやっていつも俺を連れて行くんだよなあ。そういう感じ、わかるでしょ?
遠山:わかります(笑)。
矢沢:「わかったよ」と言って、それからあっという間に2年ちょっとが経ち、今年ですよ。「ソロ50周年はドローンで発表しましょう! 夜空にドローン500機くらいを飛ばしましょう」と言われて、最初は言っている意味がわからなくて。「やってみて? あとでYouTubeで観てみるから」とか言って実際に確認してみたら「うわ〜お!」って感じですよ(笑)。夢があっていいなって思いました。
垣花:矢沢さんのプロジェクトですけども、矢沢さんが「OK、やろうぜ!」ってなる前にどんどん決まっていくんですね。
遠山:あのドローンで、直筆の文字も描かれていましたよね?
矢沢:あれ、僕が白い紙にマジックで「俺マジでヤバいよ」と書いたんですよ。それをたぶん、コンピューターで取り込んだんですね。それをドローンの大元の頭脳に打ち込むんじゃないかな。すると、その通りに500機が動くんですよ。テクノロジーがすごい!
垣花:そんな矢沢さんが、今回の東京ドームで何を仕掛けるのかですよ!
矢沢:いやいや、何も仕掛けません(笑)。あまり期待しないでくださいね。
遠山:ドームのなかをバイクで一周されていたりしましたよね。
矢沢:みなさんの夢や気持ちと1つになりたくて、いろんなことをしましたね。それがライブですよ。
垣花:最後に、ラジオを聴いているリスナーのみなさんに、東京ドームに向けての一言をお願いします!
矢沢:東京ドームをやるとき、僕は76歳になっています。76歳は年かって言えば年です。でも僕はね、ありがたいなと思っている。もう、嬉しくてしょうがない。だからぜひ会場で、バチッと会いましょう! そんな感じですね。
◆音楽の奥深さと楽しさを常に実感
遠山:もう1つ、大きな話題があります。2019年に『いつか、その日が来る日まで…』というアルバムが発売されましたが、それ以来、実に6年ぶりとなるニューアルバムを現在制作されているとお聞きしました。
矢沢:その通りです。『いつか、その日が来る日まで…』が出たとき、僕は周りに「俺の音楽人生で最後のアルバムになると思います」と言っていたんですよ。でも、2年、3年、4年と経ち、なんだかムズムズしている自分がいたんです。それでね、メロディーがまた湧くんですよ! それで、「もう作っちゃうぞ、俺!」ってなりました(笑)。
垣花:その言葉をみなさん待っていました!
矢沢:それで音楽制作の泥沼のなかに入っていきます。「自分で作っちゃうよ」って言いながら入り込んでいくと。詞からアレンジまでね。面白いのは、10年前の矢沢と、今の矢沢では全然考え方が違います。20年前と比べたら、もっと違う。たとえば、今だったら「音数って絶対いらないよな」って思うんですよ。だけど、その時代にはその時代の“モード”があったんです。今は世界的にも音数が少ない。シンプルで、“隙間”がものすごく大事なわけです。
ひとつの音へのエフェクターのかけ方次第で、すごく“いい顔”になってくれるんですよ。昔は音を重ねて変化を出していたけど、今は1音でエフェクターの深さだけで顔が全部変わるんです。そして、音数が少なければ少ないほど、グサッと入りやすい。あれは本当にすごいなって思う。
僕は50年やっているけど、「音楽ってなんでこんなに面倒くさくって奥深くって楽しいんだろう」と思ってますよ。一番“歌心”みたいなものが入るものは、バックの音がガチャガチャしないほうがいいって感じているのね。ボーカルが軸。それを支えるのは……そうだな、コードで言ったら1つあればいい。
遠山:そうなんですか!?
矢沢:たとえば、ベースラインひとつだけで曲はできるんですよ。昔は、音を重ねすぎていたけど、間違っていたわけではない。その当時のモードがそうだっただけ。そういうことをずっとやっているんですよね。
垣花:矢沢さんは自分の声を、まさに“最大の武器”として曲に入れている最中なんですね。
矢沢:今回はソロ50周年でしょ。ちょうど「俺たちの矢沢永吉展」もある。そして、東京ドームの2daysもやる。そこに、あれだけ最後だと言ったのに、ニューアルバムを作っていると(笑)。まあ、音楽が好きなんだろうね。やりたくねえって言いながらやっているの。幸せなことだなって思っています。
遠山:新しいアルバムが聴けることを楽しみにしています!
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6月7日(土)~22日(日)までの期間、横浜赤レンガ倉庫にて「EIKICHI YAZAWA 50th Year Memorial Exhibition 俺たちの矢沢永吉展」が開催されます。矢沢永吉さんが歩んだ50年間の軌跡を辿る展示が予定されており、初公開を含むステージ衣装や、愛用楽器、写真、本人の私物、直筆の譜面などを公開。加えて、全国のファンから寄せられた秘蔵アイテムも“正式な展示作品”として展示します。詳しくは、公式サイトをご確認ください。
<番組概要>
番組名:矢沢永吉 I'm happy
放送局:TOKYO FM/ニッポン放送
放送日時:5月6日(火・振休)11:30~13:00
パーソナリティ:矢沢永吉、遠山大輔(番組パートナー)、垣花正(番組パートナー)