青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。6月18日(日)の放送では、警察庁 生活安全局 生活安全企画課長の山口寛峰(やまぐち・ひろたか)さんに、「絶対に関わらない! 被害に遭わない! 闇バイト対策」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、山口寛峰さん、足立梨花
◆闇バイトの実態
“闇バイト”とは、オレオレ詐欺や還付金詐欺、強盗などの犯罪に加担することを指します。多くの場合、SNSで“高収入”“即日払い”“経験・資格不要”などの文言が使われ、あたかも魅力的なアルバイトであるかのように募集されていて、安易に誘いに乗ってしまうと犯罪者になってしまう非常に恐ろしいものです。
先日にも、闇バイトの募集で集められた人たちによる強盗事件が発生。この事件では“被害者を拘束した上で暴行を加える”などの凶悪な犯行手口が用いられ、亡くなった方も出るなどニュースでも大きく扱われました。
なぜ、闇バイトに手を出してしまうのでしょうか? 山口さんは「要因はさまざまですが、1つは“高収入”“即日払い”といった甘い言葉に誘われ、安易な気持ちで応募してしまうからです」と解説。
そして、一度でも闇バイトを募集する犯罪者グループと接点を持ってしまうと、自分や家族の個人情報を把握されてしまい、後に犯罪だと気付いても、脅されて抜け出せなくなってしまいます。
また、自分の行為が犯罪だと気付かずに、犯罪に加担させられるケースもあります。「“受け子(詐欺をしてお金をだまし取る相手から、現金やキャッシュカードなどを直接受け取る役割)”や“出し子(だまし取ったキャッシュカードで、ATMなどから現金を引き出す役割)”としてお金をもらってきたり、お金を引き出したりすると、自分では犯罪に加担したつもりでなくても詐欺罪や窃盗罪にあたり、10年以下の懲役に科せられることもあります」と重い罪であることが分かります。
なお、闇バイト強盗の募集投稿を見つけた際は、「警察に情報提供をおこなったり、SNS事業者などに削除依頼をおこなう
インターネット・ホットラインセンター(IHC)を活用して欲しいです」と話します。
◆詐欺被害に会わないために…
警察庁が、昨年に特殊詐欺の被害に遭った方が、最初に犯人から連絡を受けた方法を調べたところ、メール、電話、はがきなどのうち、もっとも多かったのが電話で、その電話のうち、なんと97.2%が固定電話であることがわかりました。さらには、被害者の実に86.6%が65歳以上の高齢者となっています。
では、特殊詐欺に遭わないためには、どうすればいいでしょうか? 最も有効な防止対策は“知らない人からの電話には出ないこと”です。警察では、高齢者の方に対して、留守番電話機能、防犯機能付きの電話機の使用をお願いしたり、「“番号非通知”“番号表示圏外”などの電話には出ない」「あらかじめ登録しておいた電話番号以外の電話には出ない」といった対応をお願いしています。
しかし、防犯機能付き電話機を活用するには、そもそもそうした機能のある電話機を購入したり、機能を使用するための契約料を払うなど金銭的な負担があります。また、そのような機能を実現するための契約などの事務手続きや電話機の設定作業は、高齢の方々にとって決して簡単なものではありません。
そこでNTT東日本とNTT西日本では、今年5月から70歳以上の高齢者や同居しているご家族名義の電話について、ナンバー・ディスプレイ及びナンバー・リクエストの月額利用料及び工事費を無料とする取り組みが始まりました。
ナンバー・ディスプレイとは、発信者側の電話番号を表示して履歴として残すサービスで、ナンバー・リクエストは、電話番号を通知しないでかけてきた相手に、電話番号を通知してかけ直すよう音声メッセージで応答するサービスです。
こうしたサービスを利用することにより、知らない電話番号からの不審な電話に対して注意を払うことができ、番号を通知しない電話には通知してかけ直すように応答する、といった対応が可能になります。
山口さんは「ぜひ、NTTにお問い合わせいただき、こうしたサービスをできるだけ早く利用していただくようお願いします」と呼びかけます。
また昨年は、宅配事業者を装って住宅に侵入する強盗致傷事件もありましたが、こうした被害を防止するための対策も進められています。「警察庁では、佐川急便、日本郵便、ヤマト運輸とのあいだで荷物を配達するときの受け渡し方法について協議をおこない、今後は、インターフォンを通じて配達員に対面しない方法での受取を希望することを伝えてもらえば、配達員はその意向に沿って対応するように努めることとなっています」と山口さん。
いわゆる“置き配”をお願いすれば、主な宅配事業者は無理に印鑑やサインを求めることなく、荷物を置いていってくれます。しかし、高齢者のなかには荷物が届いたら必ず玄関へ出て荷物を受け取り、書類に印鑑やサインをしなければならないと思っている方もいるため、ご家族から“置き配”という受取方法があることを伝えるのが大切です。
最後に山口さんは、「強盗や特殊詐欺の犯罪者たちは、犯行の手口を一層巧妙化させています。どうか、こうした犯罪に加担させられることがないように、また被害に遭わないように、日ごろから注意して十分な対策をお願いします」と話していました。
今回の話を受けて、足立は高齢者に対する詐欺被害を未然に防ぐサービスが増えていることをあげ、「高齢者の方はできないこと、分からないことがたくさんあると思うんです。だから、孫の世代が『“置き配”っていうものがあるんだよ』ということを教えてあげて、それで事件などを未然に防いでほしい」と語ります。
一方、青木はインターネット・ホットラインセンター(IHC)を取り上げ、「私たちも協力できることがある。社会全体として、こういった犯罪や被害者が減るような取り組みをしていきたいですね」と話していました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2023年6月26日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/