アーティストの「こっちのけんと」がパーソナリティをつとめるTOKYO FM のラジオ番組「G-SHOCK presents THE MOMENT」(毎週金曜17:00~17:25)。さまざまなゲストをお迎えし、生まれてからこれまでの時間のなかで、人の心に刻まれている「人生が変わった瞬間」=“MOMENT(モーメント) ”を探ります。
5月23日(金)、30日(金)の放送ゲストは、音楽プロデューサー・GRP (ジーアールピー)さん。ここでは、23日の放送の模様をお届けします。音楽を始めたきっかけ、学生時代に影響を受けたアーティストなどについて語ってくれました。
GRPさん、こっちのけんと
大阪府出身のGRPさん。2010年にSpontaniaのアルバム曲『ONE』の制作に参加したことがメジャー市場で仕事を得る転機に。その後、ソナーポケットやET-KING、SEAMOの楽曲制作に携わり、プロとしての評価を高めます。2017年よりアメリカ・ロサンゼルスに拠点を移転。海外作家とのコライト(※Co-Write/複数の音楽家が共同で楽曲制作をおこなう手法のこと)も積極的におこない活動の幅を広げています。
◆こっちのけんと楽曲を共同作曲した音楽プロデューサーが登場!
こっちのけんと:今週・来週お迎えするゲストは、私の楽曲「はいよろこんで」をはじめ、音楽制作を手伝っていただいているGRPさんです。手伝っていただいているというより、ほぼ一緒に作っています。GRPさんの代表作には、「STREET FIGHTER 6」のメインテーマ「Not On The Sidelines」や、King & Princeの「I promise」などがあります。
あんまりゴリピー(GRP)さんと、こうして対面でじっくりお話しする機会ってないので、今日はめっちゃ楽しみでございます。僕も知らないGRPさんの人生のターニングポイントを一緒に探っていきましょう。ということで、GRPさんをお迎えしております!
GRP:よろしくお願いいたします!
こっちのけんと:今日はどちらから来てくださったんですか?
GRP:今回はアメリカ、ロサンゼルスからやってまいりました!
こっちのけんと:改めて僕たちの関係性をリスナーのみなさんにご紹介させてください。僕の楽曲「死ぬな!」「どんぐりGAME」「はいよろこんで」「もういいよ」、そして最新作の「けっかおーらい」と、全部ゴリピーさんと一緒に作っています!
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GRP:ありがとうございます!
こっちのけんと:今日は、そのペアでいろいろと話していけたらと思っています!
GRP:嬉しすぎます!
こっちのけんと:直接会ったのって、最後は僕がロサンゼルスに旅行で行ったときですよね。
GRP:2月ぐらいでしたね。
こっちのけんと:1週間くらい滞在していたんのですが、そのうち3日間くらいは一緒にいましたよね(笑)。
GRP:だんだんと、けんとくんの顔が疲れてきていました(笑)。
こっちのけんと:バレましたか(笑)。観光でちょっと……(笑)。ゴリピーさんには曲作りでは本当にお世話になりっぱなしで。音楽的にも支えられていますし、精神面やテンション面でも僕とは真逆で、ずっとポジティブで明るいんですよね。
GRP:実はめっちゃ暗いですよ。
こっちのけんと:嘘やん(笑)?
GRP:嘘で~す(笑)!
◆不登校時代にピアノを独学
こっちのけんと:この番組ではゲストの人生が変わった瞬間、モーメントを伺っていきます。それでは、GRPさんの1つ目のモーメントは?
GRP:「小学校5、6年生の頃 音楽が心の支えになった」です。
こっちのけんと:心が温かくなる話ですね。どんな子ども時代だったんですか?
GRP:僕ね、めちゃくちゃ暗かったんですよ。教室の隅っこで絵を描いてるようなタイプでした。実は、ちょっといじめを受けていた時期がありまして。
こっちのけんと:そうだったんですね。
GRP:小学校5、6年生の頃は不登校みたいな感じやったんです。急に「全員から無視」みたいなこともあって、学校に行かない時期があったんです。当時、家にアップライトピアノが置いてあって。うちの両親が結婚したときに、結納品みたいな形でいただいていたらしくて。
こっちのけんと:なるほど!
GRP:誰もピアノを弾いてなかったんですけど、学校に行かないし、ピアノでも弾こうかなっていうのが(音楽を始めた)きっかけです。
こっちのけんと:それまでに聴いていた音楽はあります?
GRP:特にないんですけど、うちの父が大昔シンガーソングライターをやっていたことはあります。
こっちのけんと:えっ!? それは初耳です(笑)!
GRP:家に親父が昔使っていたアコースティックギターが置いてあったんですけど、そこまで僕は興味がなかったんですよね。
こっちのけんと:小学生ですしね。
GRP:習ったこともないからピアノの弾き方もわからなかったんですけど、親が聴いていた音楽はあったんです。中島みゆきさんだったり槇原敬之さんだったり、いろんなCDを聴いていました。親が車のなかでかけていたので、メロディーをちょっと覚えているところもあって、それをアップライトピアノで弾いていました。中島みゆきさんの「旅人のうた」や「空と君のあいだに」を耳コピでやったのが、音楽のスタートですね。
こっちのけんと:絶対音感的なものがあります?
GRP:ないです。修行です。
こっちのけんと:音楽を始める人が最初にやることを、本能的にやり始めたんですね。
GRP:そうですね。楽譜も読めなかったから、まずは右手だけ、メロディーだけを。そこから伴奏はどうやっているのか気になってきて、それでスコア譜を買い、音楽に興味を持つようになっていきました。
こっちのけんと:僕も子どもできたら家にピアノを置いておこう(笑)。そこからバンドを結成したりしましたか?
GRP:バンドは小学6年生の頃に結成しました。
こっちのけんと:めっちゃ早いですね!
GRP:学校で何人かは僕を擁護してくれる人がいて、自分が耳コピで音楽を演奏しているのもどこかから知ってくれたみたいなんですね。そうしたら、家にドラムもギターもピアノも全部揃っている子がいたんですよ(笑)。その子のお父さんがバンドをやっていて、田舎の一軒家やから音も出し放題で、それで小6から彼の家に通うようになったんです。
こっちのけんと:いい友達!
GRP:そこからバンドにハマっていきました。
こっちのけんと:ちなみに、当時ゴリピーさんの担当は?
GRP:当時はエレキギターをやってた気がします。
◆プロの道を切り拓いた転機は?
こっちのけんと:続いて、人生2つ目のモーメントは?
GRP:「高校生~大学生のタイミングで自作楽曲の制作を始める」です。
こっちのけんと:早い! 中学のときまではあまりオリジナルの曲ではなかったんですね?
GRP:やろうとはしていたんですけど、まあできないですよね(笑)。
こっちのけんと:そうですよね。「誰がリーダーなんねん」みたいな話にもなりますし。何かきっかけがあったんですか?
GRP:この時期、ちょうど打ち込み音楽が流行ってきてたんですよ。それこそ、小室哲哉さんとかglobeさんといった打ち込みのすごい人たちが出てきて、それで「1人でも(音楽は)できるやん!」となっちゃったんですよね。
こっちのけんと:なるほど!
GRP:バンドはバンドでいろいろあるんですよ、みなさん。メンバー同士で喧嘩したりね。そんなとき、おじいちゃんから僕の誕生日に打ち込みができる機材をプレゼントしてもらったんですよ。
こっちのけんと:おお!
GRP:1人で音楽も作れるし、練習にもなるってことで打ち込みを始めたのがきっかけですね。
こっちのけんと:そもそも、おじいちゃんに「これがほしい」ってお願いしたんですか?
GRP:そうですね。おじいちゃん、僕が子どもの頃からいろいろ買ってくれてたんですけど、「何がほしい?」って聞かれたときに「これがほしい!」って言ったんですよ。でも、それがまあまあ高かったんです。当時で24万円ぐらい。
こっちのけんと:おお~!
GRP:おじいちゃん、ちょっと白目むいてましたからね(笑)。
こっちのけんと:高校の進学とか、いろんなお祝い込みということで(笑)!
GRP:とはいえ、すぐに曲は作れなくて。僕は大学の音楽学部に入ったんですけど、そこで出会った友達から「俺はシンガーになるからライブハウスで歌うねん。ちょっとトラックを作ってくれへんか」が曲を作ったきっかけでした。
こっちのけんと:そっからなんや!
GRP:友達が歌うようになり、いろんな人と繋がっていくわけですよ。「あのトラックって誰が作っているの?」「俺の友達」「紹介して」みたいな感じで、人とのつながりが増えていきました。そのなかでET-KINGさんとかと出会っていくわけです。
こっちのけんと:すごい!
GRP:ET-KINGさんもめちゃくちゃいい人たちで、「一緒に曲を作らへん?」みたいな流れになっていきましたね。
こっちのけんと:つまり、プロとして音楽を作っていくわけですね。
GRP:すごく勉強させてもらいました。
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5月23日(金)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 5月31日(土)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:G-SHOCK presents THE MOMENT
放送日時:毎週金曜 17:00~17:25
パーソナリティ:こっちのけんと