吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。8月14日(土)の放送では、奈良県で麻を織り続けて150年の老舗「岡井麻布商店(おかいまふしょうてん)」六代目の岡井大祐(おかい・だいすけ)さんに、蚊帳生地から作られる「麻ふきん」についてお話を伺いました。
岡井麻布商店自慢の「麻ふきん」
かつて、日本の夏に欠かせなかった「蚊帳」。その歴史は、日本書紀にまで遡ります。
吸湿性の高い本麻を、粗く織り上げた蚊帳の生地は、虫を防ぐだけでなく、風通しも良く、寝苦しい夜に重宝しました。最近では、使われる機会がほとんどなくなりましたが、蚊帳の生地が身近なものに形を変えて、私たちの暮らしに溶け込んでいます。
それが、「ふきん」です。
蚊帳生地の優れた機能性を活かし、ふきんに
「蚊帳の“ふきん”と呼んでいますが、僕としては、蚊帳の“ハンカチ”として使ってもらってもいいと思うんです。特に、いまのこの時代でしたら、癒しかなと思いますね」と岡井さん。
奈良の旧市街地・奈良町は、江戸時代に栄えた良質の高級麻織物「奈良晒(ならさらし)」の産地。
手作業で紡いだ麻を手織りで織り、晒し工程を何度か重ねて、真っ白に仕上げます。
その美しさから、江戸幕府の御用達品として名声を高めましたが、江戸の終わりとともに産業としての発展は衰退。現在では伝統工芸品として、わずかに生産されているだけです。
そんな、奈良晒の織元・岡井麻布商店自慢の「麻ふきん」には、奈良特産の麻蚊帳生地が使われています。
吸水性と発散性に優れていて、とても丈夫。料理の際に役立つのはもちろんのこと、乾いた状態で食器やグラスを拭くと、水滴がきれいに拭えるという優れものです。
吸水性と発散性が抜群!
麻ふきんへの思いを、岡井さんはこんなふうに語ります。
「麻のふきんを持って、窓を拭いてみるとか、手を拭いてみる。ちょっとしたことに使っていただくだけで気持ちも落ち着きますし、やっぱり自然素材ってみんな大好きなものですから。そんなものが、家の日常にあるという風景を想像して、つないでいくことで、未来へバトンを渡せればいいのかなと思います」
癒される手触りは、自然素材ならでは
優れた機能性を活かして、ふきんとして、ときにはハンカチとして、過去から現在へとつながってきた蚊帳の生地。
形を変えながら、奈良の伝統工芸は未来へと受け継がれていきます。
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聴取期限 2021年8月22日(日)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DUNLOP presents みらい図鑑
放送日時:毎週土曜13:55~14:00
パーソナリティ:吉田美穂
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/miraizukan/