アーティストの「こっちのけんと」がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「G-SHOCK presents THE MOMENT」(毎週金曜17:00~17:25)。さまざまなゲストをお迎えし、生まれてからこれまでの時間のなかで、人の心に刻まれている「人生が変わった瞬間」=“MOMENT(モーメント)”を探ります。
3月14日(金)と3月21日(金)の放送では、アニソンシンガーのオーイシマサヨシさんがゲストに登場。この記事では3月21日(金)の放送の内容を紹介。アニソン界に入ることになった人生の転機などについて語っていただきました。
こっちのけんと、オーイシマサヨシさん
1980年生まれ、愛媛県出身のオーイシさん。2001年にロックバンド「Sound Schedule(サウンドスケジュール)」のVo/Gtとしてメジャーデビューして以来、音楽家として数々の作品を制作。2008年にオーイシ昌良としてソロデビュー。全国のライブフロアのみならず、YouTubeやニコニコ動画などでも話題を呼び、若い世代からも支持を集めます。
アニメソングシンガー「オーイシマサヨシ」名義での活動も評価が高く、テレビアニメ「ダイヤのA」「月刊少女野崎くん」「オーバーロード」などのオープニング主題歌を担当した人気アニメも多数。アニメの主題歌の他にもアーティストへの楽曲提供などの制作依頼も数多く手がけています。
◆アニソンの世界に踏み入れた経緯
こっちのけんと:先週は親御さんに歌の採点をされた話から、高校の先生からの助言について話してくださいました。今日はその続きということで、その後、どのようにオーイシさんの人生を変える瞬間があったのでしょうか。それでは、オーイシさんの3つ目のモーメントは?
オーイシ:「2013年頃 アニソン界に入る」!
こっちのけんと:ついに! 2013年なんですね! てっきり、めっちゃ昔からだと思っていました。
オーイシ:マジっすか。嬉しいです!
こっちのけんと:バンドデビューしてから12年?
オーイシ:はい。2001年にバンドデビューしました。大石昌良として、ソロアーティストでシンガーソングライターとしてデビューしたのは2008年でした。なぜ今この経緯を話したかというと、売れなかったんですよね。
こっちのけんと:ほう!
オーイシ:Mステ(ミュージックステーション)やフェスとか出させてもらったりと、バンドは頑張っていたんですけど、シンガーソングライターの大石昌良になってからは、ちょっとうまくいかなかったというか。頭1つ出ない状態で4、5年やっていたんです。「そろそろ音楽はやめどきかな……」と思っていたときに、鶴の一声がありました。当時、ポニーキャニオンに所属していたのですが、マネージャーさんが「社内でボーカルオーディションをやっていて、どうやらアニソンを歌うらしいんだ」と。
こっちのけんと:あら!
オーイシ:「テレビアニメ『ダイヤのA』の男性ボーカルのオーディションやっているらしくて、大石くんには内緒で勝手に応募しといたから」と言われて。
こっちのけんと:親のやることみたいですね(笑)。
オーイシ:そうなんですよ(笑)。そうしたら「三次審査に今から行くから準備して」みたいな感じで言われて。
こっちのけんと:急ですね(笑)!
オーイシ:三次審査に行ったらレコーディングスタジオで、そこに「Tom-H@ck(トムハック)」という「けいおん!」の主題歌を書いている、アニソンクリエイターのトップにいる方がいたんです。そこで「この曲を歌ってください」と言われて、仮歌を歌ったんですよ。
こっちのけんと:すごい!
オーイシ:そうしたら、その仮歌がそのままオンエアされました。すごくないですか?
こっちのけんと:ええ~!?
オーイシ:「Go EXCEED!!」って曲なんですけど、これは三次審査の歌声です(笑)。
こっちのけんと:審査は緊張しましたよね?
オーイシ:そうですね。ただ、自分も新しい扉を開きたかったですし、やめようとも思っているような音楽生活をなんとか打破したい気持ちがあったので、相当気合いは入っていました。
こっちのけんと:すごいなあ。
オーイシ:これがまた運命というか、僕は今、「CAT entertainment(キャットエンターテインメント)」という、アニソンシンガーが多く在籍している事務所に所属しているのですが、Tom-H@ckはそこの社長なんですよ。
こっちのけんと:そうなんですか!?
オーイシ:僕の「OxT(オクト)」というユニットの相方でもあるので、(関係性が)社長と平社員になっているという(笑)。
こっちのけんと:まさかの(笑)! それでアニソン界に入ったんですね。
◆今後のアニソン界を背負っていきたい
こっちのけんと:アニソン界に入ってからレジェンドの先輩方の背中が見えてくるわけですよね。「これからの音楽人生、どう目指そう」みたいな、心境の変化ってありました?
オーイシ:アニソンはそういう入り方をしたので、実は副業感があったんですよ。
こっちのけんと:なるほど! いつもとは違う感覚ってことですね。
オーイシ:シンガーソングライターをやりつつ、アニソンで一応副業やらせてもらっています、みたいな感じで。あとから入ってきたわけですし、32、33歳ぐらいからのキャリアなので、先人の方々に申し訳なくて、感覚的には控えめだったんです。
ただ、最近になって「お前がアニソン界を背負っていくんだ!」みたいなことを先輩方や後輩から言われるようになってきて、さすがに副業って感覚はアカンやろって(笑)。
こっちのけんと:逆に失礼になるってことですね(笑)。
オーイシ:そうそう。それで2~3年くらい前から、もう少しアニソン界を背負いたいなって思い始めて、徐々に考え方が変わっていきましたね。
◆鈴木愛理のプロ意識に感銘を受けた
こっちのけんと:続いて、4つ目のモーメントは?
オーイシ:「2025年現在 頼もしい仲間たちとの交流」!
こっちのけんと:あったけぇ~! 結局そうですよね。
オーイシ:今の自分は本当に恵まれているなと思います。それこそ、けんとくんが来てくれた「オーイシマサヨシ×鈴木愛理のでしょでしょ!!」(テレビ朝日公式YouTubeチャンネル「動画、はじめてみました」内のYouTube番組)の鈴木愛理ちゃんとは、レギュラーを一緒にやって4年弱になります。
こっちのけんと:すごい!
オーイシ:4年前、愛理ちゃんが何をやっている人なのかはもちろん知っていたけど、こんなスキルが高くて太陽みたいな現場力があるなんて(知らなかった)。今は女優さんもやられていますしね。番組を通じて彼女のプロフェッショナルに触れたんです。
彼女のすごいところなんですけど、番組をやるまでアニメはそんなに興味がなかったのですが、自分がアニソンをカバーするから真摯でいなきゃいけないということで、12話ワンクールのアニメを観てから作品の主題歌をカバーするんですよ。とんでもない労力をかけているんですよね。
こっちのけんと:1番組にその力!
オーイシ:そうしたらどんどんアニメにハマっていって、アニメが好きになって。ちょうど彼女も転機で、「かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~」の主題歌「DADDY! DADDY! DO! feat. 鈴木愛理」で鈴木雅之さんとデュエットをしたりしていて、アニソン界の入り口に立ってたりもしたんですよね。
こっちのけんと:一応触れてはいたんですね。
オーイシ:どんどんアニソンに入っていきたいってところもあって、彼女がカバーするときのプロフェッショナルな気持ちがすごいなって思いました。
◆アイドルなのに推す側の気持ちもわかる存在
こっちのけんと:Snow Manの佐久間(大介)さんのMV(ミュージックビデオ)に出ていましたよね? あれは最高でした。
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オーイシ:ありがとうございます! 佐久間くんのソロ曲(「守りたい、その笑顔」/Snow Man初のベストアルバム『THE BEST 2020 - 2025』収録曲。オーイシさんが作詞作曲を担当)を作ろうという話があって。佐久間くんってずっとアニオタで、僕のことをリスペクトしてくれていて、「オーイシさんしかいないんです」ということで。
こっちのけんと:おお~!
オーイシ:プライベートでもよく焼肉を食べに行く仲なのですが、焼肉屋で「オーイシさん。俺の人生のテーマソングを書いてください」と急に切り出されました。それで、タンを焼きながら「書きましょう!」と(笑)。ミュージックビデオにも出させていただいたりとかして、楽しかったですね。
こっちのけんと:どういう感じで制作されたんですか?
オーイシ:佐久間くんってアニオタでもあるし、アイドルでもあるじゃないですか。その二面性が出る曲を作りたいなと思って書き始めたのがきっかけです。推される側でもあるし、推す側でもあるっていうのって、けっこう魅力じゃないですか。
こっちのけんと:そうですね!
オーイシ:トップアイドルが推す側の気持ちをちゃんと知っているというか、なんなら推す側の気持ちのほうがすごく造詣が深いって珍しいなって思ったんですよね。その2つを叶えられる曲を作りたいってことで、「守りたい、その笑顔」という曲を書かせていただきました。
こっちのけんと:素晴らしい曲でした!
<番組概要>
番組名:G-SHOCK presents THE MOMENT
放送日時:毎週金曜 17:00~17:25
パーソナリティ:こっちのけんと