青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。10月1日(日)の放送では、環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 脱炭素ライフスタイル推進室長 改めデコ活応援隊・隊長の井上雄祐(いのうえ・ゆうすけ)さんを迎えて、「くらしの中のエコろがけ“デコ活”」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、井上雄祐さん、足立梨花
◆「デコ活」とは?
デコ活とは、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動の愛称です。“デコ”の由来は二酸化炭素(CO2)を減らす“脱炭素”という意味の英単語「Decarbonization(ディカーボニゼイション)」の“De”と、CO2の“CO”、そして、“環境に良い”という意味で使われることが多い“エコ”からできた造語で、“二酸化炭素を減らす環境にやさしい活動をしよう”という意味合いが込められています。
昨年10月に「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」及び官民連携協議会を新たに立ち上げ、現在808(※番組収録時)もの企業、団体などの方々(28名の個人・個人事業主を含む)が参画しています。この活動について、井上さんは「衣食住・移動・買い物など、生活全般のあらゆる局面における国民の皆さんの行動変容、ライフスタイル転換を促すプロジェクトなどを官民連携で進めています」と解説します。
地球温暖化防止対策に関する国民運動は、これまでにも「チーム・マイナス6%」「クールビズ(COOLBIZ)」などがありましたが、また新たな国民運動を推進していくことになった背景に、国連のアントニオ・グテレス事務総長が「地球温暖化の時代は終わり、地球が沸騰する時代に突入した」と発言するなど、近年、世界の平均気温が高くなってきていることも影響しています。
というのも、世界では地球温暖化によって暴風雨や洪水、干ばつなどの異常気象が発生し、その影響で亡くなってしまう方がいるだけでなく、不作により農作物が高騰するなど、私たちの生活においても大きなダメージを受けており、「こうした地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、2015年にパリ協定が採択されたことを機に、現在、120以上の国と地域が『2050年カーボンニュートラル』という目標を掲げています」と井上さん。
カーボンニュートラルとは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、植林や森林管理などによる吸収量を差し引いた合計を実質的に“ゼロ”にすることで、「パリ協定を受けて、日本政府も2020年10月に『2050年までにカーボンニュートラルを目指す』と宣言しました。さらに『2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度から46%削減する』という野心的な国際公約を掲げて、国家を挙げて対応する強い決意を表明しています」と補足します。
こうした目標を達成するには、「暮らし、ライフスタイル」の分野でも大幅な脱炭素、CO2の削減が求められており、特に家庭部門に期待がかけられています。ところが、あるアンケート調査では、国民・消費者の約9割が、「脱炭素」という用語を知っている一方で、「脱炭素社会に向けた行動をしているか」という問いに対して、「行動している」と回答した人はわずか3割ほどしかいませんでした。
また、「“脱炭素社会実現に向けての取り組み”について、どのように思いますか?」という質問に対しても、特に10代・20代からは「正直よくわからないので、やるべきことを決めてくれたら従う」「意識・貢献できる具体的な瞬間がない」という回答が目立ちました。
そして、「(アンケート結果を受けて)もっと具体的な行動に結びつけて、これまでの“環境に配慮すること=我慢”というイメージをなくし、脱炭素の取り組みが、将来の豊かな暮らしに結びつくような行動変容、ライフスタイルの転換につながるムーブメントを起こすような仕掛けづくりが必要ということで、新しい国民運動『デコ活』がスタートしました」と経緯を語ります。
◆“デコ活アクション”でデコ活を盛り上げよう!
デコ活では「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしの実現」を呼びかけるだけでなく、より具体的なアクションや選択肢を提示して、国や自治体、企業、団体などが、ともに私たちの新しい暮らしを後押しするような取り組みやプロジェクトのさらなる展開に注力しており、「その第1歩として、皆さんが日常のなかでできる取り組み『デコ活アクション』を、あいうえお作文で提示しました」と井上さん。
【デコ活アクション】
デ……電気も省エネ 断熱住宅
コ……こだわる楽しさ エコグッズ
カ……感謝の心 食べ残しゼロ
ツ……つながるオフィス テレワーク
ここに挙がっているようなアクションは、誰でも始めやすいものばかりです。しかし、それでも行動につながらない理由の1つに「自分1人でやっても変わらない」と思っている人がいることも影響しています。
現に、前述の「“脱炭素社会実現に向けての取り組み”について、どのように思いますか?」と聞いたアンケートでは、「自分1人でやっても変わらない」と回答した人が6割近くもいたそうですが、井上さんは「一人ひとりのアクションは小さくても、それを世界中の人がおこなえば、大きな成果・うねりとなります」と力を込めます。
そう語る理由として、「バタフライエフェクト」という言葉を紹介。本来の意味とは別に“蝶の羽ばたきが巡り巡って竜巻を起こす”、つまり“一人ひとりのささやかな営みが、やがて大きな出来事を引き起こす”という意味で使われることがある言葉で、脱炭素に向けた取り組みはまさにこの言葉に当てはまり、デコ活のロゴマークでもバタフライエフェクトの蝶の羽ばたきを表現しています。
環境省の
「デコ活」のWebサイト
では、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしの10年後」を描いたイラストが掲載されており、テレワークやごみの削減・分別、サステナブルファッションなどのアクションをおこすことで、お金にも時間にも余裕が生まれることがひと目で分かります。
最後に井上さんは、「“1人のデコ活”が、やがて大きな成果につながります。ぜひ、皆さんもデコ活にご協力をお願いします」と呼びかけました。
今回のテーマを通して、足立は一番印象に残ったこととして“バタフライエフェクト”のワードを挙げ「蝶の羽ばたきのように、皆さんでいろいろとアクションを起こして『デコ活』を盛り上げていってほしい」と期待を寄せます。
一方、青木は“デコ活”という造語の成り立ちに着目。「言葉の意味をよく理解すると、普段の生活のなかでも、自分がどんなことをすればいいのかが分かってくると思うので、(“デコ活”に込められた)この言葉の意味を頭に叩き込みたい」と話していました。
(左から)青木源太、足立梨花
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10月1日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年10月9日(月・祝) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花