フリーアナウンサーの住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイドラジオ番組「Blue Ocean」(毎週月曜~金曜 9:00~11:00)。8月14日(木)のメッセージテーマは「パパ育休を語ろう」。リスナーから届いたメッセージを紹介しました。
※写真はイメージです
厚生労働省は7月下旬、2024年度の男性育児休業取得率が40.5%になったことを発表しました。初めて4割を突破。前年度を10.4ポイント上回り、過去最高を更新しました。
企業による育休取得の意向確認や取得状況の公表などが義務付けられたことや、22年10月に開始した「産後パパ育休」制度などが取得率上昇につながったとみられています。
一方で、中小企業では依然として取得が難しい状況が続いており、制度の周知不足や職場体制の整備不足、同僚や管理職への負担感などが課題として浮き彫りになっています。
こうした中、当番組では8月14日(木)の放送で「パパ育休を語ろう」をテーマに特集を実施。多くのリスナーから“育休のリアルな声”が寄せられました。この記事では、その一部を紹介します。
■30代前半・男性・専門職・神奈川県
8月から育休を3週間ほど取得しています。初めての子なので、毎日あたふたしています。
私が子どもの世話をする時間があると、妻も少し出掛けることができるので、役割分担をすることの大切さを感じます。
赤ちゃんと2人きりだけだと不安なども出てくると思うので、育休を取得して家族の会話も増えて良かったと思っています。授乳などできないこともあるで、私は気合いを入れて毎日違う料理を作ることを頑張っています(笑)。
■30代前半・男性・会社員・千葉県
2人目のときにパパ育休を半年取りました。上の2歳になる子は、何かと手がかかる状況……そこに0歳児のお世話はとても大変だと思い長く取得しました。
仕事は長期不在になるため、手持ちの案件がちゃんと回るか心配していましたが、同僚がしっかりサポートしてくれたこともあり、いらぬ心配で終わりました。
また、肝心の育休のほうは0歳児のお世話は当たり前にやりましたが、上の子と関わる時間が長くなり、朝一緒に保育園に行ったりお風呂に入ったり、一緒にご飯を作ったりと今までよりも子どもとの時間がとても充実し、「育休を取って良かったー!」と思いました。
もし次があったら次は1年間取得したいと考えています。
■30代後半・男性・会社員・千葉県
約半年間、育休を取得しました。娘は持病があり入院しがちだったため、期間中の半分は病院との往復でしたが、非常に貴重な時間だったと思っています。
これだけの期間を一緒に過ごしたこともあり、いろいろな表情を見せてくれる赤ちゃんの顔をたくさんカメラで収めたり、初めての寝返りを間近で見られたりしました。
何かと感動する瞬間に立ち会うことができ、長期間配慮してくれた当時の会社(比較的大きめの企業)に感謝しております。
女性が多い部署だったことも取得しやすい環境だったと思いますし、何より私自身が戦力にならないポジションだったことも奏功したと思いますが(苦笑)。
そんな娘も、いまは絶賛イヤイヤ期。毎日こちらが疲弊しますが、ずっと横になってくれていた当時に思いを馳せながらこのメッセージを書きました。
少しずつ制度も良くなってきておりますが、パパ育休がもっと広まるといいなと思います。お金には代え難い貴重な体験ができると思いました。
■20代後半・女性・会社員・東京都
昨年6月に第1子を出産。産後うつの私を見かねた主人は、取得予定がなかった育休を9月から3ヵ月取得してくれました。
ですが、はじめに取得を打診した際は上司に断られ、私がうつになってしまったことを伝えた2回目でやっとOKが出たそうです。
主人の働いている営業所では、男性の育休取得は今回が初となり、「育休をとるのは遊びたいからだ」などと、冷たい言葉を投げかけられたりもしたそうです。そんななか、私を支えようとしてくれた主人には感謝でいっぱいです。主人の勇気ある行動は、会社にとっても、今後プラスに働くと信じています。
■男性・千葉県
今年、育休を取ったのですが正直ナメていました……。
育休といっても全然休みじゃなくて、もうオムツにミルクにお風呂に自分たちのご飯に……とタスクをこなすのに必死。もう、“仕事の育児部門に配置転換された”っていうような感じでした。
でも、子どもの成長を間近で見られるのは本当にかけがえのない時間。大変でしたが、育休取得してよかったです。
妻よ、私が職場復帰してから、日中は1人で育児をしてくれてありがとう! 早く帰るからねー!
■40代後半・男性・会社員・茨城県
大手企業で管理職をしています。部下が育休を取ると、結局、管理職が時間外でその業務を処理しなくてはなりません。育休取得者には給与の10割が支給され、その埋め合わせをする管理職には残業代などありません。これっておかしくないですか?
誰かの権利のために誰かに不当な皺寄せが行くのが実情です。埋め合わせをする人、子どもを産まない人にも同等の見返りがある制度でないと、不満と分断だけが渦巻く社会になります。
■60代・男性・会社員・東京都
私はパパ育休を利用する側でなく、事務手続きをする総務側の人間です。育児介護休業法は就業規則に盛り込む義務はあるので、正直、使う人はいないだろうと思いながら、法に合わせて就業規則も変えてきました。
一昨年、パパ育休取得希望者が出て、休業の届出書から(書式サイトからダウンロードして)作りました。今年も法改正があり、中小企業ではそれに追いつくのが精いっぱいです。労働局に質問しても、法定以上のことは「YES」も「NO」も言ってくれません。会社で決めなければいけません。なかなか大変です。
■50代・男性・会社員・神奈川県
金融機関の管理職です。私は育休を取らせる側です。「男性の育休は当然取るよ!」という人も見え始めましたが、やはり不安を抱きながらの人が男女問わず多いかな、と感じています。
「仕事から離れ、仕事以外の大切な経験ができ、きっと大切な時間になるよ」。そして、「新しい経験ができたあなたを待っているよ」と背中を押す言葉を繰り返し伝えています。
残るメンバーには、パパ育休取得者への不満を吐露する人もゼロではありませんが、不満をよく聞き対応するように心がけています。“THE中間管理職”、ですが、私も育休を取れる時代だったらな、とよぎる気持ちをエネルギーに変えて、この制度に向き合っていきたいと思います。
■男性・会社員・東京都
2児の父です。2人目の子どものときに、1年間育休を取りました。実は、生まれる前から「育休を取ります!」と周囲に宣言していました。
ただ、仕事を途中で投げ出すことのないように……と考えて、娘が8ヵ月になった4月から育休に入りました。その理由の1つは、年度末まで同じ職場で3名が育休中だったこと。その方々が4月中旬に復帰するタイミングに合わせて、私も育休に入りました。
年度末まで仕事をひたすら片付ける日々。上司の機嫌も見ながら、なんとか準備を整えていきました。育休を取ってよかったです。
■40代前半・男性・会社員・岡山県
男性の育休ですが、悲しいかな我々地方住まいの場合、まだまだ認められないことがほとんどです。事実、数年前ですが、長女が生まれてから1年ほど、長男の保育園の送り迎えのために許可を得た上で、会社の出社が遅くなっていましたが、それでさえ露骨に嫌な顔をされていました。企業にもよるとは思いますが、まだまだ地方で一般的に受け入れられるには時間がかかりそうです。
■30代前半・女性・会社員・東京都
パパ育休、自分の夫には取得してほしいです。ただ、同僚がパパ育休を2ヵ月取っているのですが、2ヵ月だと、仕事は今いる人が代わりにおこなうことになります。
残された我々は仕事量が普段の1.3倍ほどになり、かなり大変な思いをしています。仕方がないことなのかもしれませんが、育休を取る側も、制度だから当然という態度ではなく、もう少し申し訳なさそうな態度で育休に入ってほしいものです。
■40代後半・男性・会社員・東京都
今年の8月に第一子が生まれ、現在半年の育児休業を取得している者です。この時期の子どもは、3時間おきにミルクをほしがると言いますが、なかなか時間通りには動いてくれません。ときには1時間も早くミルクをほしがるときや、ミルクを飲んで、オムツを替えても全く寝ないときもあります。今は、夜の時間に寝てくれないことが多く、睡眠不足になりがちです。
もし、これを妻が1人でやるとなれば、精神的負担はとても大きいものだと思います。
これから育児休業を取得する男性へのアドバイスとして、子どもが朝決まった時間に起きられるようになる頃、3ヵ月~4ヵ月ぐらいの取得が必要だと思います。育児休業を取得することで、子どものかわいい笑顔をたくさん見れるし、夫婦2人で乗り切れば大変なことも半減すると思います。
■40代後半・女性・会社員・東京都
中小企業のリアルな話です。同僚の男性が昨年1ヵ月半ほど育休をとりました。うちは小さな会社で、社長と社員数名の会社です。人数が少ないので、各自の持ち仕事があり、同僚本人は数ヵ月前からこの期間に育休を取りたいと申請。育休期間のやるべきこと・注意点をまとめていてくれていて、こちらも「残りの我々でなんとかがんばろう!」というつもりでいました。
しかし、彼が育休期間に入ってから、残りの同僚の1人が「2週間後に辞めたい、いや辞めます。もう次の仕事が決まっていますし」と言ってきたのです。
明らかに人数不足、慣れない他の人の持ち仕事をやることで疲弊し、イライラの連続でした。1人~2人抜けても慌てず、きちんと回るような人数や仕組みが普段からあればいいですが、うちのような小さな会社では現実問題それはできません。大企業さんとは違います、これがリアルです。残る側の社員みんなが「同僚が育休中は自分がんばるぞ~!」という気持ちがないと円滑にいかないですね……。
■30代後半・男性・会社員・東京都
まさにホットな話題! これから3ヵ月程度の育休を取る予定です
ただ、仕事の調整は大変ですし、それにも増して各種申請の量に驚きました。会社によって申請が違う部分もあると思いますが、給付金はその申請が別で必要です。女性はこんなところでも負担を負っていたのかな、と思いました。産前の申請は一段落したので、出産、育児を楽しみにしています。
■30代・女性・パート/アルバイト・神奈川県
息子が生まれた3年前、夫に育休を取ってもらった立場からのメッセージです。
正直、失敗したなぁ……と思っています。出産するその日から1ヵ月、自宅に夫がいましたが、ミルクをあげるわけでもなく(これは完全母乳だったので仕方がない)、夜泣きに対応してくれるわけではなく(泣き声でも全く目が覚めないとのこと)、大人用のご飯を作ってくれるわけでも、洗濯をしてくれるわけでもなく、大人が家に2人いることで、私の仕事が増えただけでした。
出生届の提出など、役所に行かないといけないことや、入院中に何度か荷物を持って来てもらったこと、私の昼寝の間に片手間ながら息子を見ていてくれたことには感謝しています。それでもマイナスのほうが多かったと思います。
■30代後半・女性・会社員・茨城県
4年前、第一子の娘を出産した時に夫が1ヵ月間育休を取りました。
赤ちゃんのお世話をしていると、ちょっとした事でも「これってどうなの?」「どうしたらいいの?」と疑問と戸惑いばかり。
その度に夫と2人で調べて話し合い、「こうしてみよっか!」と言える人がそばにいてくれる事が本当に心強かったです。
ときは流れ、今年のはじめに双子を出産したのですが、夫の職場が変わり育休の取れない立場になってしまったので、今回は実家の母に来てもらったり、産後ケア施設などにも頼りつつ、夫には在宅ワークを増やし上の娘のケアを主に担当してもらいました。
スムーズに分担できたのも、パパ育休の経験があって、赤ちゃんがいる生活を具体的にイメージできたからだと思います。
家族が増える大切なタイミングで、夫婦そろって家の事に全力で向き合えた経験は、育休が終わって子どもが大きくなってからも生かされ続けています。
*
リスナーからの届いたたくさんのメッセージを読み上げた住吉は、「全部読み切れないくらい、本当にたくさんのメッセージをいただきました。このまま厚生労働省に提出したいぐらい、本当にリアルな声ばかりでした」とコメント。
また、X(旧Twitter)には、こんなポストもいただきました。
「こういう話題になると、子持ちvs子なしになってしまうこともあるけど、育休だけじゃなくて、介護や自分の闘病などで、いつカバーしてもらう側になるか分からないし、育休に限らず、誰かが抜けても会社としても回るような体制になるといいなと思いますし、そうゆう気持ちで働きたいなと思います」
このメッセージに住吉は「本当におっしゃる通りですね。制度だけでなく、いろいろな乗り越えるべきこととか、考えるべきことがたくさんあるんだなと、あらためて思いました。また、番組でもこのテーマを必ず取り上げたいと思います」と締めくくりました。
パーソナリティの住吉美紀
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<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月曜~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト: http://www.tfm.co.jp/bo/