住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「Blue Ocean」。9月28日(木)放送の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ健康サポート」のゲストは、「睡眠総合ケアクリニック代々木」理事長の井上雄一先生が登場。「睡眠」に関する疑問や、不眠症の解決法を伺いました。
(左から)井上雄一先生、住吉美紀
◆睡眠不足だと風邪をひきやすくなる!?
睡眠に関する悩みでは「圧倒的に不眠症が一番多い」と言う井上先生。人口の約1割が“不眠症”に悩んでいると言われています。ほかにも、就寝中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」や、体内時計のリズムが崩れて夜になっても眠れない「概日リズム睡眠障害」、さらには、夜に十分な睡眠を取っているにも関わらず昼も眠くなる「過眠症」などが挙げられます。
では、睡眠不足は人体にどのような影響を及ぼすのでしょうか? 井上先生によると、新陳代謝がうまく機能しなくて疲れが取れにくくなったり、交感神経が活発になるため、血圧も上がりやすくなります。また、血糖値が下がらなくなって糖尿病のリスクが上がり、糖尿病の薬が効きづらくなる恐れもあります。さらには、免疫機能も低下して風邪をひきやすくなります。
そのため「新型コロナウイルスの感染症も短時間睡眠の人のほうがかかりやすく、重症化しやすいです。それに、コロナの後遺症も睡眠時間が短い人のほうが残りやすい、という結果があります」と指摘します。
◆睡眠障害の解決法はさまざま
睡眠障害を解消する取り組みは、症状によって変わってきます。例えば、概日リズム睡眠障害の場合、不規則な生活を改善し、朝に太陽の光をできるだけ浴びることが重要になります。また、夜はブルーライトを発する液晶やスマホなどの使用を控えて、軽い運動を生活に取り入れることが大切です。
無呼吸症候群については“肥満”が影響するケースが多いため、体重をコントロールすることが大切です。そして、過眠症は多様な原因が考えられるため、睡眠の専門医に相談することを推奨します。
不眠症に対する対処法は、時代の流れとともに変化が訪れています。近年では、オレキシンというホルモンが脳の眠りと覚醒のスイッチを切り替えていることが判明し、オレキシンの働きをおさえる薬剤に注目した不眠症の治療が考えられるようになりました。
また、これまでは不眠症に対して睡眠薬を用いる処方が50年以上にわたっておこなわれてきましたが、最近はカウンセリングのアプローチを重視した“認知行動療法”が世界的にも主流になりつつあり、「再発を抑制する効果もあります」と井上先生。
認知行動療法とは、患者の日ごろの行動・思考パターンを伺い、そのなかで睡眠に悪影響を及ぼしそうな行動を、医療者とディスカッションしながら改善していく治療法です。井上先生は、「薬物療法の場合、副作用や(飲み続けることが)クセになってしまう欠点もあるので、認知行動療法の重要性が高まってきています」と言及します。
◆「仕事と家事の両立で睡眠時間が激減」どうすればいい?
番組ではリスナーの皆さんから「日ごろから十分に睡眠をとれていますか?」というアンケートを実施したところ、「はい」が約54%、「いいえ」が約46%という結果になりました。また、「いいえ」と回答したリスナーから睡眠に関する相談が寄せられました。
<リスナーから届いた質問>
「半年前に結婚してから、フルタイムの仕事と家事の両立がなかなかうまくいかなくて、睡眠時間も減りました。しかも、寝ていると1時間半ごとに目が覚めてしまいます。熟睡の仕方を教えてほしいです」
この相談に井上先生は、寝る直前までやることが多く、ベッドに入っても考え過ぎてしまうのではないかと分析。そこで、「ベッドに入る前に“今日やるべきこと”をノートに書き、整理してみましょう。自律神経が興奮した状態で眠ってしまうと、眠りが浅くなってしまいますので、考えすぎてしまうのは避けたほうがいいと思います」とアドバイスを送りました。
----------------------------------------------------
9月28日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年10月6日(金) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月曜~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀