笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。2月22日(土)の放送は、真贋鑑定サービス「フェイクバスターズ(FAKEBUSTERS)」を提供するIVA株式会社 代表取締役 執行役員CEOの相原嘉夫(あいはら・よしお)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)相原嘉夫さん、笹川友里
1995年生まれの相原さんは、学生時代に起業し事業譲渡を経験。リユース業界が抱える「偽物販売」問題に着目し、2019年にスニーカーを対象とした真贋(しんがん)鑑定サービス「フェイクバスターズ」を開始。IVA株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。また「Forbes Japan 30 Under 30 2023」、「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」にも選出されています。
◆「AI」でより精度の高い鑑定を実現!
はじめに、IVAが提供している真贋鑑定サービス「フェイクバスターズ」について伺うと、相原さんは「スニーカーやブランド品などにおいて、本物か偽物かをAIと人で鑑定するサービスです。“鑑定”と聞くと“人がおこなうもの”と連想される方も多いと思いますが、AIを活用することでより効率的かつ、高い精度で鑑定できるところがフェイクバスターズのポイントです」と説明します。
また、現在IVAの真贋鑑定サービスはフリマアプリ「メルカリ」でも導入されています。「“あんしん鑑定”というオプションサービスです。出品者から直接購入者に商品が届くのではなく、弊社を経由して鑑定後に届くので、安心安全な商品を手に入れることができます。ありがたいことに多くの企業さまからお声がけをいただき、鑑定に関するさまざまなサポートをさせていただいています」と語ります。
ここで、笹川が「IVAさんには鑑定士の方が大勢いると伺っていますが、“AIの活用”というのはどういう部分になるのでしょうか?」とサービス内容に関して伺うと、「主に2つの点でAIを活用しています。1つは効率化です。数多くの鑑定(依頼)をいただいているので、AIを使うことでよりスピーディーに効率良く鑑定することが可能になります。もう1つは精度の向上です。人には人の強みがありますが、ヒューマンエラーによるミスをゼロにすることは難しいと思っているので、それをAIで防いでいく。これが大きな利点かなと思います」と相原さん。
そこで、さらに笹川が「AIを活用するとなると、膨大なデータのインプットが必要だと思いますが、その辺りはいかがですか?」と質問すると、相原さんは「ありがたいことに、これまで法人・個人含めて累計約180万件の鑑定実績がありますので、それらのデータを読み込ませています。おっしゃる通り(AIの活用には)膨大なデータが必要ですが、それは用意できていると思います」と答えます。
◆黒字続きのIVA、その理由は?
IVAは、立ち上げから5期連続で黒字経営が続いています。その理由の1つとして、相原さんは競合がいないことを挙げ、「需要はどのマーケットにもあるものの、優秀な鑑定士がいないとサービスが成り立ちません。世界中を探しても優秀な鑑定士は少なく、その多くがすでにフェイクバスターズに所属しています。つまり、他社さんがサービスをやりたいと思っても、優秀な鑑定士がいないからできない。そこが参入障壁になっているのかなと思います」と分析します。
創業当初、フェイクバスターズはスニーカーの鑑定だけでしたが、徐々に横展開してアパレル、ブランドバッグ、トレーディングカードなど現在は計107ブランドが鑑定できるまでに。さらに、その領域を今もなお拡大させていると言い、「さまざまな法人様とお話をしていても『もっとこういうことをやってほしい』という声を多くいただくので、これからも扱う領域を増やしていきたいと考えています」と将来に向けた展望を語ります。
◆市場が拡大する二次流通業界
相原さんいわく、近年の日本における二次流通(一度市場で販売された商品が消費者を経て再び販売されること)の市場は大きく変化しているそうで、「マーケットが急速に拡大しており、街中で二次流通・リユースの店舗を見かけることが多くなったと思います。そうしたお店は一次流通では購入できないような人気商品の取り扱いを強化し、一次流通でも購入できる一般的な人気商品はかなり値引きして販売しています。『メルカリ』がすごく伸びた時期に、オンライン上の二次流通が増えましたが、店舗ですと即金性があるので、それが今はすごく人気で増えていますね。二次流通・リユースが伸びているのは、そういった背景があると思います」と話します。
しかし、市場が拡大するとともに海外からの偽物の流入が増え、それも年々精巧になっているという懸念点も。また、オンライン上の二次流通サービスのなかには、商品の出品者がどんな人なのかを管理しきれていないこともあるそう。それだけに、IVAが「メルカリ」で展開している“あんしん鑑定”のようなサービスが重要になってきています。
そして最後に、IVAの今後の課題を聞いてみると「鑑定業務に関しては問題がなく、今後は組織としてどう進化していくかが、さらなる成長の鍵を握っていると考えています。鑑定領域の拡大とともに、組織体制も一層強化していきたいです」と答えました。
次回3月1日(土)の放送は、引き続きIVA株式会社 相原嘉夫さんをゲストに迎えてお届けします。IVAの今後のビジョンについてなど、貴重な話が聴けるかも!?
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2月22日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2025年3月2日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里