TOKYO FMグループの「ミュージックバード」でスタートした新番組「生島企画室presents『カモン!エヴリバディ』」。日本全国あらゆる分野で活躍する企業や人に登場していただき「ヒト・モノ・コト」を深掘りしていくインタビュー番組です。
10月5日(土)の放送では、生島ヒロシと生島勇輝が親子で共演。公益社団法人 全国シルバー人材センター事業協会 専務理事の土田浩史さんをゲストに招き、シルバー人材センターの事業内容や利用者のリアルな声、さらには今後の展望について伺いました。
(左から)全国シルバー人材センター事業協会の土田浩史さん、生島勇輝、生島ヒロシ
◆高齢者の活躍の場を提供するシルバー人材センターに注目
生島:シルバー人材センターは全国に組織があるんですよね。
土田:現在、全国の市区町村ごとに1,300を超えるセンターがございます。
生島:シルバー人材センターはニーズに迫られて始まったそうですね?
土田:そうですね。今から50年近く前になるんですけども、東京都で今後の高齢化の進行を見据えて、定年退職後の方々にどうやって生きがいを持って生活していただくか、ということで当初はモデル事業として始まりました。そこから徐々に普及し、広まっていきました。
生島(勇):シルバー人材センターにはどれぐらいの年齢の方がいますか?
土田:もともと入会資格は60歳からなんですけど、入会される方がだいたい70歳ぐらいです。会員さんの平均年齢はだいたい74、75歳です。
生島:世の中が超高齢化社会になってきていますし、リタイアしても年金だけで過ごせればいいんですけど、ままならないという状況です。
しかも、厚生年金ではなくて国民年金に入った方だと、受け取る額も非常に少ないですから。必然的に働かざるを得ない状況になっていますよね。
土田:はい。今おっしゃられた状況もあり、生活のために収入を得ようと働かれている方は増えています。
生島:昔は時間を活かすために、社会貢献したいと思われている方の割合が多かったんでしょうけど、今は経済大国の看板を降ろさないといけないぐらいの状況になってきていますものね。
土田:もともと「生きがい就労」ということで始めていますので、本当に経済的に苦しい方はシルバー人材よりも他の働き口を探されたほうがよろしいかとは思います。
生島:今まで会社員でずっとやってこられた方が、健康のためにやるのはいいですよね。それこそ認知症の先生は、認知症にならないためには働き続ける、社会との接点があるほうがいいとおっしゃっています。
土田:そうですね。健康づくり、あるいは仲間づくりといったことを目的にシルバーに入られている方もいらっしゃいます。
◆シルバー人材センターには多種多様な仕事がある
生島(勇):現在、会員の数はどれぐらいですか?
土田:全国に約68万人の会員がいます。
生島:シルバー人材センターから派遣されると、どういうところに出向く方が多いんですか?
土田:今までですと、草刈りですとか庭の剪定、駐輪場の管理をイメージされる方が多いと思いますが、最近は保育園や児童クラブなどでお子さんと接するお仕事があります。
あるいは、これまでの知識や経験を活かしてパソコン教室とか語学指導といったような仕事もございます。また、一般家庭の家事援助ですとか、子育て支援サービスなどのお仕事もございます。
生島:時給的にはどれぐらいになりますか?
土田:少なくとも民間の最低賃金以上の利用料金はいただくという原則でおこなっております。
生島:これから先は働き手不足と言われていますから、ある意味ニッチな部分を埋めていく役割もあるわけですよね。
土田:ニッチといえば、各地で工夫された取組みがあります。たとえば、地域の特色を活かして観光地では観光ガイドのお仕事、農業地帯ではシルバー農園という形で高齢者のみなさんが耕作をして、そこで採れた野菜や果物を販売します。さらには加工して食品にしたり、食材を活かして食堂を運営するというようなこともやっているところもあります。
生島(勇):ふるさと納税もあるんですよね?
土田:そうですね。たとえば、最近は空き家が増えてきたりとか、特にコロナ禍はなかなか帰省できないということもございましたので、空き家の管理ですとかお墓の清掃などの代行をふるさと納税の返礼にしているところもあります。
生島:へええ! そういうところでもシルバー人材を活用できるんですね!
東池袋にある豊島区シルバー人材センター
◆団塊世代の“生きがい”を担っていきたい
生島:シルバー人材センターに登録してよかったという声は聞きますか?
土田:「生きがいができた」とか、「健康にいい」「仲間ができた」といった声を多くいただいております。
生島:最近は独居の老人が増えているという話もありますけども、そういう方がシルバー人材に登録することによって、QOLが上がったり、生きがいも生まれそうですね。
土田:これからどんどん高齢化が進んでいきますし、今は70歳代中盤が主力層なんですけども、今後は団塊世代のみなさんが80歳代に移行しますよね。そういった方々の生きがいや居場所を引き続きシルバーで担っていきたいと考えております。
生島:日本の場合ですと、65歳以上が前期高齢者、75歳以上が後期高齢者となりますよね。そもそも、65は(高齢者扱いとして)早すぎるんじゃないかなって思うんですよ。僕は今73歳ですけども、75からが高齢者でもいいんじゃないかなって思っちゃいますけどね。
土田:そういった議論も政府のなかではおこなわれていたようです。
生島:団塊の世代が70半ばから80近くになっていますが、団塊の世代はいろいろな刺激を受けて育ってきていますので、シルバーになっても生き生きと元気な老活を実践できる「アクティブシニア」が増えてきていますよね。社会貢献にもなりますし、働き続けることによっていろんな可能性が出てくるんじゃないかなと思いますね。
◆10月はシルバー人材センターの「普及啓発促進月間」
生島:ちなみに、女性会員の割合はどれぐらいなのでしょうか?
土田:全国で34パーセントなんですけども、65歳以上の人口比率を見ますと男性より女性のほうが多いんです。ですので、積極的に女性会員数の拡大を進めて参りたいと考えております。
生島:シルバー人材センターの共通理念は「自主・自立、共働・共助」なんですよね。
土田:そうですね。東京都のモデル事業として始めたときに、これでやっていこうと決まったものです。高齢者の方々がお互いに自立して助け合うことを理念に進めております。
生島:そして、10月は人材を拡大していく強化月間にもあたるそうですね。
土田:10月に「普及啓発促進月間」を設けておりますので、多くの方にシルバー事業を知っていただき、会員になっていただきたいです。全国のシルバー人材センターでさまざまな取り組みをおこなっていて、街頭でチラシやパンフレットを配ったり、地域のイベントで展示販売をおこなったりと、そういった取り組みもおこなっております。
また、多くのシルバー人材センターでは日頃から地域貢献ということで、ボランティアで公園清掃などの活動もおこなっています。月間中には特にそれらの活動を積極的に取り組むセンターもございます。
生島(勇):お仕事以外にも、センターのサークル活動をおこなっているんですよね。具体的にはどういったものがありますか?
土田:ゴルフやボーリング、テニス、ハイキングなどの屋外活動に取り組むセンターもございますし、囲碁、将棋、手芸にダンスといった文化的活動に取り組んでいるところもございます。
生島(勇):シルバー人材センターは働くだけじゃなくて、お友だちづくりをサポートする場にもなっているんですね。
生島:では最後に、この番組をお聴きになっているリスナーに向けて、メッセージをお願いします。
土田:人生100年時代と言われておりますけども、そういったなかで高齢者が元気で生き生きと活躍することが日本の発展に欠かせないと思っております。全国の高齢者のみなさまには、ご自分の活躍の場として、ぜひシルバー人材センターという選択を考えていただければと思っております。
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<番組概要>
番組名:生島企画室presents「カモン!エヴリバディ」
放送日時:毎週土曜日 17:30~17:55
パーソナリティ:生島ヒロシ、生島勇輝ほか