川瀬良子がパーソナリティをつとめ、日本の農業を応援するTOKYO FMのラジオ番組「あぐりずむ」。毎週火曜は、農業はもちろん、時代の先を捉えるさまざまな研究をおこなっている東京農業大学の農学研究を紹介します。3月4日(火)の放送では、自然資源経営学科・農業創生研究室の菅原優(すがわら・まさる)教授に“農産物に付加価値をつけるアイデア”についてお話を伺いました。
菅原優教授
◆日本の“食”を支える人材育成に尽力
東京農業大学・北海道オホーツクキャンパスにある農業創生研究室。そのネーミングにある“農業創生”という言葉には、「“新たな農業の担い手を作り出す”という意味が込められています」と菅原教授。
日本の農業は、家族経営が中心であることに加えて高齢化・後継者問題が深刻化してきています。そのため、今後の日本の食を支えるためには、農家世帯だけではなく、誰もが農業に携われるような担い手を作り出していく必要性があります。また「農業を1つのビジネスとして捉え、単なる農業生産者ではなく、農業経営者としての人材を育成していくことが大事になっていきます」と説明します。
◆“付加価値”をつけるための工夫
とはいえ、農業に携わる新たな人材を生み出すためにも、農業がビジネスとして成り立たなければ業界自体に関心を持ってもらえません。その足がかりの1つでもある、農産物に付加価値をつけるために大事なこととして、菅原教授は“お客様目線”とポイントを挙げます。
そこで、ジャガイモの直売に取り組む農業経営者の事例を紹介。その方は、かつては20kgの段ボール箱で梱包していましたが、5kg箱に変え、1箱に同じ品種のジャガイモではなく、6つの品種を6分割にして箱詰めをおこない、箱を開けると、オリジナルのスタンプによってそれぞれの品種名が分かるような工夫が凝らされていると言います。
そのアイデアに川瀬は「確かに、1つの品種がどっさり届いたら“どうやって食べようかな?”と困ってしまうかもしれないですけど、手軽な量で品種が6種類もあったら楽しみが増えるというか、同じkg数でも料理のレシピも変わってきますよね」とうなずきます。
そのほか、網走の近くで畑作や大豆を栽培している大規模農家が豆腐を作って販売したり、製造の際に出てくる“おから”を活用した“おから煎餅”も作っているなど、「これからは、なるべく廃棄物を出さないように(材料を)無駄なく活用する。一次産業ビジネスとして“環境問題にコミットする”といった点も大事なんだと思います」と言及すると、川瀬は「そういったところから、新たな農業の担い手づくりにつながっていくといいですね」と期待を寄せていました。
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3月4日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年3月12日(水) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:あぐりずむ
放送日時:毎週月曜~木曜 15:50~16:00
パーソナリティ:川瀬良子