放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。今回の放送では、先週に引き続き、神社ソムリエの佐々木優太さんが登場。神社にまつまる豆知識や“神社ソムリエ”の由来を教えてもらいました。
(左から)高須光聖、佐々木優太さん
◆お賽銭は“納めるもの”
佐々木:私は1万数千社の神社にお参りをして、頭を1万数千回下げてきたんですけど、それで教えてもらったり、気付いたことがたくさんあります。例えば、僕らが神社に参拝できるのは、僕らより前に来た人々がお賽銭を入れてくれたから、(神社という)建物があるんですよね。
高須:(お賽銭で)維持されていると。
佐々木:ということは、 “次に来る人たちが神社に参拝に来たときに、建物がありますように”という感じで(お賽銭を)入れるようなものなんだと。だから、“金額の語呂あわせ”もまったく意味がないんです。お賽銭は願い事の対価ではなく、次に神社に来る誰かのためにあるものです。
高須:そっかぁ。
佐々木:あと、お賽銭は“払う”とは言いません。“納める”です。
高須:頭のなかで“払う”って言ってるわ(笑)。
佐々木:神社のことを地域の市役所とかランドマークと思ったらええんですよ。自分が住んでいるところの氏神様にお参りするのは、そういうことなんです。
自分がお参りすることで、(神社が)どんどん大きくなってきれいになったら、地域の治安も良くなり、人もいっぱい来て経済が活性化する。結局、自分が得なんですよと。
高須:いまだにきれいな神社がある地域は確かに栄えているし、行くと気持ちがいいから人も集まるよね。
◆神社の作法はご利益をもらうためではない
佐々木:神社でおこなう作法は、神社以外でやってこそ意味があると思ってください。
高須:なるほど。
佐々木:「鳥居で一礼する」「参道の真ん中を歩いてはいけない」っていうことは、みんな知っていますよね。朝に神社にお参りに行きました、その後に仕事に行きました。営業先の廊下の真ん中を歩いて、会議室を通してもらって、肩で風を切りながら入る。そんな人に“ご利益なんてありまっか?”っていう話なんですよ。神社は“心のジム”やと思っているんです。
高須:いい話やなぁ(笑)。
佐々木:なので僕も、このスタジオに入ってくるときに「よろしくお願いします」と一礼しました。これは、「僕を呼んでいただいた高須さんの仕事場なんです」という姿勢を表す第一歩です。そうすることによって、僕に巡ってくるものが変わってくると思うんですよね。
鳥居で一礼する、参道の真ん中を歩いたらあかんっていうのは、昔の人が“(日ごろから)そういうふうにしなさい”と教えてくれるものなんです。神様のご利益をもらうためにやることではないんですよ。
高須:ほんまやね。(作法は)神様やからするものではないんやね。
佐々木:そうなんです。また、神社だけでなく、全部に神様は宿るんです。例えば“横綱”って神社なんですよ。
高須:……どういうこと?
佐々木:横綱ってめちゃくちゃ強いじゃないですか。だから“相撲の神様”が宿っているんですよ。なので、しめ縄を付けるんです。
高須:おお~! ほんまや。
佐々木:“横綱が神様”ということじゃなくて、横綱に宿るのが神様なんです。ということは、僕がスタジオに入るときにも、一礼する作法をするのは、スタジオに神が宿るんだ、ここは神社なんですと。
そう考えると、“じゃあハッピーやんか”“ほんならここはパワースポットや”ってなるじゃないですか。そうやって神社を捉えていったら面白いんとちゃいまっか? っていうことをお伝えしていきたいんですよね。
高須:面白いなぁ。
◆神社ソムリエと名乗る理由
高須:話を聞くと神社を巡りたくなってくるよね。
佐々木:ぜひ! ご案内させていただきたいです。自分だけで巡ってたらあかんなってことで、人のために巡っていたんです。1万社を巡っても、「すごいね」だけで終わっちゃうんで、何かこの経験を役立てたいと思ったんです。そこで、ワインソムリエさんが“今日の気分で”“誕生日なので”という感じでワインを選ぶように……。
高須:そうか、ワインセラーのように“神様セラー”のなかから、どこの神社がいいかなっていうのを気分に合わせてセッティングしてくれる。
佐々木:そういうことで“神社ソムリエ”と名乗り始めたんです。
高須:なるほど!
<番組概要>
番組名:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00~25:29
パーソナリティ:高須光聖
番組公式Facebook:
https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/