TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。今回の放送のテーマは、「時差式信号機」について。日本自動車ジャーナリスト協会の会長で日本自動車連盟(JAF)交通安全・環境委員会委員の菰田潔(こもだ・きよし)さんに、時差式信号機とその危険性について伺いました。
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◆時差式信号機を正しく理解しよう
時差式信号機とは、右折車が多い交差点で渋滞が発生しないように“右折車を流す時間を長くする”対策をとっている信号機で、設置されている場所も多いため、きちんと認識していないと事故につながる可能性があります。
本来、対向する信号機は片方が黄色から赤に変わると、もう片方も同じタイミングで変わりますが、時差式信号機は、片方が赤になっても、もう片方は青のままの状態で、そのあいだに右折車を流して渋滞を減少させる働きをします。また、時差式信号機を大きくわけると2つのタイプがあります。
【1:後発式】
もっとも一般的なタイプ。対向車側は赤信号になり、右折車線の青信号が延長されます。
【2:先発式】
右折車線の信号が先に青になり、対向車側は赤のまま。右折車をある程度流したあと、対向車側の信号も青に変わります。
そんな時差式信号機ですが、実は右直事故(右折する車と直進する車の衝突)が多発するポイントで、菰田さんは「片方の信号が黄色から赤色になったときに“対向する信号機も赤色に変わる”と思い込んで右折してしまい、対向車が突っ込んでくるケースがあります」と説明。また自身が直進している場合でも、反対車線の右折する車のドライバーが、こちらの信号機が赤になっていると勘違いして、右折してくるケースがあります。
また、時差式信号機に細心の注意を払わなければならないのは車だけではありません。変則的な時差式信号機では、歩行者信号を全方向で赤にしつつ、交通量の多い幹線道路が赤になったら、幹線道路と交差する細い道の車だけ青にするケースもあります。しかし、歩行者が“次に自分側の信号が青になる”と思い込んで歩き始めてしまい、危険な状況が生まれてしまう可能性があるので注意が必要です。
このように、信号に従って正しく車を走行していたとしても、対向車をはじめ、二輪車、自転車、歩行者が信号やルールに従っていない場合もあるため、菰田さんは「想像力をたくましくして安全に走っていただきたいです」と警鐘を鳴らします。時差式信号機を正しく認識し、歩行者も車もきちんと青信号を確認したうえで、安全に道路を横断しましょう。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27