鷲見玲奈がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ALFALINK presents BRAND NEW LINK」(毎週土曜 7:00~7:25)。ひとつの成功に満足することなく、新たな分野へと越境し挑戦を続ける人。既存の枠にとらわれず、業界に新しい潮流を持ち込み、ゲームチェンジを起こしてきた企業。そうした方々をゲストに迎え、挑戦にまつわるエピソードや発想の原点、そしてこれから目指すヴィジョンについて伺っていきます。
6月13日(土)の放送は、株式会社東急百貨店 店舗運営事業部 副事業部長 渋谷戦略推進担当の赤田敏彦(あかだ・としひこ)さんをゲストに迎え、これからの百貨店のあり方を問う「店舗名称変更プロジェクト」について話を伺いました。
(左から)株式会社東急百貨店 店舗運営事業部 副事業部長 渋谷戦略推進担当の赤田敏彦さん、パーソナリティの鷲見玲奈
◆渋谷再開発で問う東急百貨店の新価値
いま渋谷駅周辺では、100年に1度ともいわれる大規模再開発が進んでいます。新宿に次ぐ国内有数の乗降客数を誇る巨大ターミナル・渋谷。その街を長年支えてきた東急百貨店は、変化の真っ只中で、百貨店の価値そのものをあらためて問い直そうとしています。
赤田さんによると、渋谷は東急百貨店、そして東急グループにとって「もっとも重要な拠点であり、私たちのステージ」だといいます。東急百貨店の歴史は1934年、関東初の私鉄ターミナルデパートとして渋谷駅に開業した「東横百貨店」にさかのぼります。「東急グループのなかでも当社は歴史の古い会社の1つでもあります。街とともに歩み、まもなく100周年が見えてきたところです」と説明します。
その一方で、渋谷の風景は大きく変わりつつあります。2023年には東急百貨店本店とBunkamuraが営業を終了し、現在はオーチャードホールのみが営業を継続。その跡地では、新たな大型開発「Shibuya Upper West Project」が進行しています。
このプロジェクトでは、「Tokyo's Urban Retreat」をコンセプトに掲げ、文化や芸術といった本質的な豊かさを求める人々に向けた新たな街づくりを目指します。商業施設に加え、文化施設、ワールドクラスのホテル、レジデンスなどを備えた複合開発として計画されており、2029年度の竣工を予定しています。赤田さんが担う「渋谷戦略推進担当」は、こうした再開発後の渋谷における東急百貨店の新たな価値づくりを推進する役割です。
再開発に伴い、かつて駅直結の象徴的な存在だった東急百貨店東横店や東急百貨店本店は営業を終了しました。現在、渋谷に“東急百貨店”の看板を掲げた店舗はありません。しかし実際には、渋谷ヒカリエ内のShinQsや東急フードショー、渋谷スクランブルスクエア内のコスメ・ビューティー業態など、複数の専門店を展開しています。
これらを合計すると、その面積は約3万平方メートルにのぼり、「百貨店1店舗分」に相当する規模になるといいます。赤田さんは、「点在する店舗群を“面”として捉え、連携させながら渋谷全体の価値を高めていくことが自身の役割」だと語ります。
さらに現在は、日常的な来店につながる「フード」と「ビューティー」を重点カテゴリーとして強化。食分野では「渋谷フードディスカバリー」として店舗横断の施策を展開し、美容分野では感度の高い情報発信を軸にした「SHIBUYA BEAUTY JAM」を推進しています。
◆なぜ今「東急百貨店」を掲げ直すのか
渋谷再開発のなかで、東急百貨店は空間だけではなく、名前のあり方も見直そうとしています。その象徴となるのが、赤田さんがリーダーを務める「店舗名称変更プロジェクト」です。
背景にあるのは、東横店や本店の営業終了後、利用客から多く寄せられた「東急さんがなくなって寂しい」という声でした。赤田さんによると、東急百貨店は沿線や郊外の店舗も含め、長年にわたりお客さまから親しみを込めて「東急さん」と呼ばれてきたといいます。その呼び方に象徴される関係性を途切れさせたくない。そんな思いから、店舗名にもあらためて東急百貨店としての存在を打ち出すことを決めました。
具体的には、6月11日(木)から渋谷ヒカリエ内の商業施設「ShinQs」を、「ShinQs by TOKYU DEPARTMENT STORE」へ名称変更。これまで培ってきたブランドの個性を残しながら、運営主体が東急百貨店であることをより明確に伝える形へと刷新します。同日には、神奈川県横浜市にある日吉東急アベニューも「東急百貨店 日吉店」へと名称を変更しました。
一見すると、この動きは時代に逆行しているようにも映ります。全国の百貨店は、この20年で約4割減少したともいわれています。そんななか、なぜあえて「百貨店」という名称を掲げ直すのでしょうか。赤田さんは、百貨店という業態そのものが、変わり続けるお客さまの暮らしや価値観に寄り添いながら進化してきた存在だと捉えています。顧客の趣味や嗜好、買い物の仕方が変化するなかでも、常に柔軟に応え続けてきた歴史こそが百貨店の強みだと語ります。
一方で、「ShinQs」という名前に愛着を持つ人や、立ち上げから関わってきた従業員のあいだでは、名称を変えたくないという思いも少なくなかったそうです。ShinQsは、東急百貨店が新たな顧客層を開拓し、新しい商業の形に挑戦するために生まれたブランドであり、来年には開業15周年を迎えます。施設が入る渋谷ヒカリエ自体も、渋谷再開発の先駆けとして街の変化を支えてきた存在です。
それでも最終的には、「東急百貨店がしっかり運営していることを伝える」「取引先にも安心感や信頼感を持ってもらう」という考えに共感が広がり、社内外から前向きな反応が寄せられているといいます。さらに、街づくりにおいて赤田さんが大切にしているのは、地域やテナントとの関係性です。「地域のお客さま、入居されるテナントさまに支えられて我々は存在しております。しっかりコミュニケーションを取り、一緒にお店づくりをしていくという姿勢で向き合っております」と語ります。名称や街の景色が変わっても、東急百貨店は人とのつながりを大切にしながら、新たな価値づくりを進めています。
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<番組概要>
番組名:ALFALINK presents BRAND NEW LINK
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25(TOKYO FM / FM大阪)
パーソナリティ:鷲見玲奈
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/brand_new_link/
番組公式Instagram:
@alfalink.tfm