手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。今回の放送のテーマは、「能登半島地震 被災地の今と今後」について。地域防災が専門で、石川県防災会議震災対策部会の委員でもある金沢大学・青木賢人(あおき・たつと)准教授に話を聞きました。
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能登半島は、2024年1月1日に発生した最大震度7の揺れを観測する地震で、建物の倒壊、津波、火災が発生し、甚大な被害となりました。また、同年9月には豪雨災害が発生し、二重被災となった地域もあります。石川県輪島市内では、仮設住宅が浸水したほか、飲食店が多いエリアも水害の影響を大きく受けました。
能登半島地震の発生以降、何度も被災地を訪れて現地調査をおこなってきた青木准教授。今回、被災地の1つである輪島市を歩きながらお話を伺うと、「“ニ重被災”と言っても、地震が起きて何も手付かずになっていたところが(豪雨災害で)また被災したというところもありますし、地震から復旧して元の生活に戻ったところで再び災害に遭い、またゼロからやり直しになった方もいらっしゃいます。地震からの復旧・復興の先頭に立ってお店を復興してくださった方ほど、豪雨災害のダメージが非常に大きく出たという意味でも、二重災害の厳しさをすごくつらく感じています」と悲痛な思いを吐露。
手島アナは取材のために輪島の朝市通りなど被災地を5回訪れ、発災からそのままだった建物も、秋頃にはだいぶ解体工事が進んだ印象があったと振り返ります。また、昨年12月末に現地を訪れた際は、「重機が入って作業は続いていましたが、さら地のようになっていて、遠くが見渡せるくらいまで進んでいました」と話します。
一方、青木准教授は、朝市通りの解体について「ちょっと特殊な取り扱いをしていて。権利の滅失っていうものをして、建物の権利、価値がなくなったことにして、一気に公費解体を進めたというやり方をしています」と解説します。
そして、今後については「輪島の復興計画のなかで、この朝市の跡地をどうしていくのか。すぐ横が輪島の漁港なので、そこの再開発とあわせて、この辺りを次の世代に引き継いでいけるようにつくり変えていこうと計画を考えているところです。若い世代が希望を持てるような町にしたいですね」と語ります。
さらには「(輪島市は)地元の皆さんが安心して暮らせる町であると同時に、奥能登の観光・産業の中心地、そして、輪島塗(わじまぬり)の製造の拠点など、多様な役割を持っていた土地ですので、それらが再びここでしっかり引き継いでいけるように、何十年先にも伝えていけるような町にしていけるといいなと思います」と未来を見据えていました。
<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋