青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。7月10日(日)の放送では、環境省 地球温暖化対策課 脱炭素ライフスタイル推進室 室長補佐の井上昇(いのうえ・のぼる)さんに、「ゼロカーボンアクション30」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、井上昇さん、足立梨花
◆脱炭素社会の実現に向けて
CO2などの温室効果ガスの排出量削減のために、脱炭素社会づくりに貢献する“製品への買い替え”“サービスの利用”“ライフスタイルの選択”など、日々の生活のなかで地球温暖化対策に役立つあらゆる賢い選択をしていこう、という取り組みを「COOL CHOICE(クールチョイス)」と呼びます。
この取り組みは、2015年6月にスタートして現在8年目。スタート時は、温室効果ガスの排出量を“2030年度までに26%削減(2013年度比)”を目標にしていましたが、2019年度では、まだ14%しか削減されていないのが現状です。
しかも、2021年4月に目標値が見直されましたが、“2030年度までに46%削減”という大幅に跳ね上がった目標値を掲げなければならないほど、地球温暖化が深刻化してきています。
世界でも、さまざまな異常気象が発生しており、日本でも大規模な風水害がたびたび起きています。例えば、台風の増加や強度などは地球温暖化による海水面の温度上昇が一因になっているとも言われており、温暖化の要因であるCO2を削減することは、差し迫って重要なことと言えます。
2050年までには、温室効果ガスの排出量から植林や森林管理などによる吸収量を差し引いて合計を実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」という高い目標も掲げられています。
カーボンニュートラルと聞くと、工場や発電所といった企業の問題だと思われがちですが、「日本のCO2排出量の約6割は、衣食住を中心とするライフスタイル、つまり私たちの暮らしに起因している」と井上さん。私たちが食べる食品や着る服は工場で製造され、その後、流通、消費、廃棄されますが、そのすべての段階でCO2は排出されます。
また、快適に暮らすためにエアコンなどの電化製品を使い、車などで移動もします。だからこそ、「私たち一人ひとりが、日々の暮らしのなかでCO2削減につながる行動を積み重ねていくことが大切」と声を大にします。
こうした背景から、環境省では「ゼロカーボンアクション30」として、衣食住・移動・買物などでCO2削減に取り組むことができる30種のアクションと、そのアクションを取り入れることによるメリットを整理したものを
Webサイトなどで公開しており、「一人ひとりができることから始めてみよう!」と呼びかけています。
ゼロカーボンアクション30で掲げているアクションのなかには、「食品ロス」「使い捨てプラスチックの使用をなるべく減らす」「ごみの分別処理」「今持っている服を長く大切に着る」「フリマ・シェアリング」など、これまで当番組で紹介してきたこともラインナップされています。
そのほか、移動手段として、徒歩や自転車、公共交通機関を利用する「スマートムーブ」「省エネ家電の導入」など、よく耳にするものも。どれも小さなことのように思えますが、CO2削減に向けて一人ひとりの行動の積み重ねが大切なのです。
◆年間のCO2削減効果が高いアクションは?
環境省では「ゼロカーボンアクション30」を取り入れることで、日々の暮らしのなかでCO2をどのくらい削減できるのか、さまざまなデータから算出しています。この日の放送では、そのデータをもとに「ゼロカーボンアクション30」のなかで年間のCO2削減効果が最も高いアクション「年間のCO2削減効果ランキング」トップ3を紹介しました。
・第3位「太陽光パネルの設置」
住まいに太陽光パネルを設置すれば、1人あたり年間で約1.3tのCO2を削減できる計算です。CO2の1t分は“25mプールひとつ分の体積”と同じくらいなので、25mプール1.3倍分と同じくらいの量に相当します。
それだけの量のCO2が抑えられるというメリットのほか、電気代も抑えられて余ったエネルギーを売ることも可能です。
・第2位「分譲も賃貸も省エネ物件を選択」
削減できるCO2排出量は1世帯あたり年間約2t。近年では、賃貸でも省エネルギー化が進んでいるため、「住まい探しの際は、間取りや立地などに加えて“省エネルギー性能の高さ”も考えて選択していただければ」と井上さん。 省エネ性能の高い住宅に住むことで、健康で快適に過ごすことができるうえに家賃以外の毎月のガス代・電気代もお得になります。
・第1位「ZEH(ゼッチ)」
「ZEH」とは“Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)”のことで、住宅の高断熱化と高効率設備により、できる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電などでエネルギーを作ることで、年間で消費する住宅のエネルギー量が正味でゼロとなる住宅のことです。
これによるCO2削減量は、1世帯あたり年間約3t! 井上さんも「ZEHに住めば、CO2削減量は非常に大きいですし、災害時には停電を避けられるし、電気自動車への充電もできる」とメリットを挙げます。
あらためて、井上さんは「今、一人ひとりのライススタイルの転換が求められています。『ゼロカーボンアクション30』は、CO2の削減だけでなく、さまざまなメリットも期待できるアクションを分かりやすく整理して、
Webサイトなどで公開しています。ぜひみなさんもできることから取り組んでみてください」と呼びかけました。
足立は、「太陽光パネルの設置」と「ZEH」に着目。「“CO2を大幅に削減したい”という気持ちはみんな持っていると思うので、できる人からやってほしいと思うし、“こういうものがあるんだ”というのを知ってもらうことで、選択肢の1つとして取り組めるのも大事だと思った」と気づきが多かった様子。
青木は、温室効果ガスの排出量を“2030年度までに46%削減”を目標値としていることに触れ、「(目標値は)大きなハードルだけど、逆に言えばそれだけやらなければいけないことなので、一人ひとりが意識を変えていかないといけないですよね」と話しました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2022年7月18日(月・祝) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/