藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。今回の放送では、元プロ野球選手の槙原寛己さんが登場。3月に開催される「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」の展望を語っていただきました。
藤木直人、槙原寛己さん、高見侑里
1963年生まれの槙原寛己さん。1982年に愛知県・大府高校を卒業後、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団し、1994年には完全試合を達成。プロ生活で唯一放ったホームランが、球団5,000号のメモリアルアーチ。プロ20年間で通算468試合に登板し、159勝128敗56セーブ。人気、実力、運も備えた投手として大活躍しました。
現在はプロ野球の解説のみならず、さまざまなメディアでコメンテーターをはじめ、活動の場を広げています。
◆大谷は投手か野手に専念? それとも二刀流?
藤木:いよいよWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が開催されますね。
槙原:今回、アメリカは本気ですよ。メンバーがヤバいんですよ(笑)。単純に報酬で比べたとしたら、1人で日本のチーム(年俸)をまかなってしまいそうな選手だっているので、そこは圧倒的に違いますよね。
だけど、こちらには(年棒)40億円の大谷(翔平)がいますから(笑)。お金だけじゃ測れないかもしれないけど、何年後かには大谷がアメリカで一番になっている可能性はありますよね。
藤木:大谷選手は(WBCに)参加を表明しましたけれども、二刀流になるのか、それともバッターかピッチャーどちらかに専念するのか、どう思われますか?
槙原:二刀流をやってほしいのは山々です。アメリカで決勝ラウンドがおこなわれる3月の中旬くらいまでには、肩はだいぶできあがっていると思うんですけど、2月あたりから大谷選手が侍ジャパンと合流するとしたら、多分ピッチャーとしての投球練習は密にできないと思うんですよ。
そうすると、「アメリカラウンドに行ったときだけ投げてくれ」というのも酷な話になると思うので、本人とも話し合うんでしょうけれども、僕はバッターとして使ったほうがいいかなという気がするんですよね。
藤木:またうれしいのは、ダルビッシュ有投手も参加を表明しましたね。
槙原:これは精神的な支柱になると思います。発信力もあるし、いろんな選手とコミュニケーションも取れるタイプの選手みたいなので、非常に良いですよね。
藤木:今シーズンの(サンディエゴ・)パドレスでの活躍ぶり、安定感といったら半端なかったですよね。
槙原:そうですよね。彼も、ちょっと打たれると“やっぱり年齢かな?”と思われるような歳なんですよ。だけど、今シーズンを終えて“俺、まだやれるな”って感じたと思うんです。だから、今年は胸を張って“僕は行けます!”と言ってくれたんだと思うし、また実際にシーズン後半も良かったじゃないですか。
藤木:良かったですね。
槙原:9月・10月って、一番大事な時期なんですよ。ポストシーズンのすごく大事なゲームがあるじゃないですか。ワールドシリーズにしても、リーグチャンピオンシップシリーズにしても、そういう時期に(勝利を)挙げてくれるピッチャーってものすごく重宝されるので、そういう意味では“まだまだやれる”という思いもあるんじゃないかなと。
藤木:負けられない試合で、メジャーリーガーたちを相手にあのピッチングができたということで、これはWBCでも期待しちゃいますね。
槙原:彼は準決勝、決勝で投げると思っているんです。(予選ラウンドよりも)球数制限が少し緩和されるんですけど、ある程度投げてくれて、もし打たれたとしても、“ダルビッシュが打たれたならしょうがない”というところもあるでしょうし、逆にダルビッシュも、うまくボールを動かして打ち取ってほしいなと思いますね。
藤木:準決勝、決勝あたりで大谷投手も投げられるようになっていたら、先発が大谷投手で、2番手にダルビッシュ投手という、豪華な(継投も)……。
槙原:“いいんですか!?”って感じですよね(笑)。各国も、日本チームの布陣を見たときに、“こういうやつらもいるんだ”“侮れないぞ”という気持ちになるでしょうし、ああいう(メジャーで活躍する)選手が出ることによって、マスコミの扱い方もやっぱり全然違うじゃないですか。それが僕はすごく良いことだと思うんですよね。侍ジャパンは2月から宮崎県でキャンプをやるんですよ。なので、その時期は宮崎のホテルが取れないと思います。
藤木:それくらい夢のチームですよね。
槙原:だって“生大谷”を見たいでしょ?
藤木:見たいです(笑)。
槙原:“生ダルビッシュ”もそうでしょうけど、大谷のバッティングを見たい人はすごくいると思いますよ。
藤木:これはやっぱり、(日本チームの監督が)北海道日本ハムファイターズで大谷選手やダルビッシュ投手を指導していた栗山(英樹)監督になったというのも非常に大きいんじゃないですか?
槇原:それもあると思いますね。それに、来季から千葉ロッテマリーンズの監督を務めることになっている吉井(理人)さんが、ロッテのキャンプを見ないで(WBCに)ピッチングコーチで行くんですよ。あれもなかなか大変なことですよね。
◆大谷の打順は“1番か2番”
藤木:そして野手のほうですが、これはどんなメンバーになると思いますか?
槇原:軸は“村神様”(村上宗隆選手)でいくんじゃないでしょうか。あと、これは僕の持論ですけど、大谷はたくさん(打順が)回ったほうがいいと思っているので、1番か2番で。
藤木:(ロサンゼルス・)エンゼルスでも、1番や2番を打っていたりしますよね。メジャーリーグの2番は、“つなぐ”打者じゃなくて強打者を置く感じですものね。
槇原:ただ、本選に行ったらそんなに点を取れないので、栗山監督は、ちょっと小技もできる選手を2番に置く日本独自のスタイルを貫く可能性もあると思います。
藤木:厳しい戦いが続くと思いますが、勝ち進んでほしいですね。
槙原:楽に勝っていきたいけれども、“厳しい戦いだからこそ注目が集まる”みたいなところもあると思うので、そういう熱くなるゲームを期待しています。
藤木:最後に、侍ジャパンのキーマンになるのは誰だと思いますか?
槙原:大谷選手です。大谷が出てくれるんですよ! やっぱり、そこですごいのを打ってくれてマスコミに“ドーン!”と出る。そして“負けていられないぞ”と村上が打つ、さらに鈴木誠也選手なども“俺だっているんだぞ!”となってくれたらいいなと思いますね。
そうなれば、侍ジャパンの選手たちも、大谷選手や鈴木選手、ダルビッシュ投手の一挙手一投足に注目して、「どういうふうに投げるんですか?」とか「どう打てば良いですか?」って聞きに行くと思うんです。それが全体的なレベルアップにつながる良い交流になればと思います。
次回1月14日(土)の放送は、元サッカー日本代表の石川直宏さんを迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!
<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/beat/