手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。4月13日(土)の放送では、2016年に発生した「熊本地震」について取り上げました。
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2016年4月14日(前震)、さらには4月16日(本震)に発生した熊本地震から今年で8年を迎えました。この地震では「災害関連死」が大きな問題となりました。災害関連死とは、地震や津波などによる直接的な原因ではなく、災害によるけがや避難生活によって、健康状態の悪化が原因で亡くなることを言い、熊本地震で亡くなった方の約8割が「災害関連死」と言われています。
災害関連死については分析が進められており、亡くなった方の多くが“呼吸器の疾患”や心不全などの“循環器系の疾患”というデータが出ています。この2つの疾患が多い理由として、影響が大きいとされている1つが「トイレ」です。
断水で水洗トイレが使えなくなり、トイレの衛生環境が悪化すると“トイレに行く回数をできるだけ少なくしよう”と水分を控えがちになります。その結果、脱水症状を起こして口腔内の細菌が増え、それが原因で「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こしてしまう、といわれています。
また、偏った食事や避難所での雑魚寝も災害関連死の要因の1つと言われています。栄養不足の偏りによって高血圧が進行し、それによって循環器系の疾患につながりやすくなったり、床で寝ることへのストレスで睡眠不足に陥り、その結果、体力や免疫力が低下して、呼吸器系の疾患を起こしてしまうとのことです。
専門家のなかには、南海トラフ地震が起きた際、災害関連死が最大7万人を超える可能性を指摘している人もいます。このことを受け、静岡県では昨年「地震・津波対策アクションプログラム2023」を策定。熊本地震を教訓に「被災者の健康被害等の最小化を図る」ことを減災目標に加えました。
災害関連死をめぐっては、今年1月に発生した能登半島地震でも、被災者をどう守るかが議論されています。いつどこで大きな地震が起こるかわかりません。災害が起きたとき、そして、その後の避難生活についても“自分ごと”として考えていきましょう。
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2024年4月13日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2024年4月21日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋