経済アナリストの馬渕磨理子と、消費経済アナリストの渡辺広明がお届けするTOKYO FMの生放送ラジオ番組「馬渕・渡辺の#ビジトピ」(毎週日曜 6:00~7:00)。「即雑談で即実践!」をテーマに、ビジネスやお金に関する気になる情報をわかりやすくお届けしています。
8月31日(日)放送のゲストは田中眞紀子さん。現在の日本の政治と社会が抱える問題点について対談しました。田中さんが今の日本の政治と社会に警鐘を鳴らし、石破茂総理の進退、「政治と金」の問題に鋭く切り込み、自公連立の構造に言及するなど、これからの日本の政治に求めることなどについて語ってくれました。
(※この記事は放送当時の内容です)
(写真左から)馬渕磨理子、田中眞紀子さん、渡辺広明
田中眞紀子さんは1993年に無所属で初当選し、その後、自民党議員として活動。翌年には科学技術庁長官に就任し、2001年には小泉内閣で外務大臣、2012年には民主党・野田内閣で文部科学大臣を務めるなど、数々の要職を歴任してきました。さらに、田中角栄元総理の長女としても広く知られています。
政治の世界から身を引いておよそ10年。しかし近年は、メディアを通じて政治への思いを積極的に発信している田中さん。今回の出演では、その背景や考えをじっくりと語ってくれることになりました。この記事は、そのトークの模様の一部をテキストで紹介します。
◆日本は安定しているが“危機感”が足りない
渡辺:実は僕、政治のことをあまり知らずに過ごしてきたんです。もともとコンビニ店長だったので、「いい商品を作れば政治なんて関係ないじゃん」と思っていました。だけど、この番組を馬渕さんと一緒にやるようになって、政治がいかに大事かをようやく理解したんです。
田中:なるほど。
渡辺:今思うのは、お父様の田中角栄さんのように、国家100年の体系を語れる政治家がいないということです。どうしても目先のことばかり、ポピュリズム的に都合のいいことを言う政治家が多いんですよね。そういう状況が寂しいなと思うんですが、このあたりはどう感じますか?
田中:そうですね。特定の誰かというより、世界全体で言えることですが、ネットやSNSの時代になって、発言すること自体が難しくなっていると思います。ちょっと意見を言えばすぐバッシングされる。みんな神経質になり、本音を言わなくなっている。だから小粒といいますか、あまり発信しなくなっている背景はあると思いますね。
馬渕:たしかに分配の議論ばかりで、成長の議論がほとんど出てこないですよね。
田中:おっしゃるとおりです。ただ、日本は戦後から今年で80年。アメリカも来年の独立記念日で建国250年になります。そのなかで日本はアメリカとの関係を軸に発展し、文化的にも大きな影響を受けてきました。ある意味で日本は、上手にアメリカを利用し、ヨーロッパやアジア諸国とも外交を進めてきた。その結果、安定はしていますが、国民には「大丈夫じゃないか」という空気があって、危機感が乏しいんですよね。
渡辺:分配の話は経済成長があった時代はよかったけど、これから人口減少が進むなかでは、新しい産業や仕組みが立ち上がらないと厳しいですよね。
田中:特に少子高齢化は深刻です。少子化は単に人口が減るだけでなく、財源的にもお金を収めてくれる人が減るということです。それに、高齢化は医療や福祉の負担が膨らむということですよね。ですから、少子高齢化のなかで将来に向けてどんな政策を打つのか、本来は具体的な議論が必要ですが、まだ十分に見えてこないのが現状だと思います。
<番組概要>
番組名:馬渕・渡辺の#ビジトピ
放送日時:毎週日曜 6:00~7:00
パーソナリティ:馬渕磨理子、渡辺広明