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義務化された“相続登記”の手続きを円滑に…複数の不動産を一括管理できる新制度が2026年2月スタート
2025-12-29 (月) 20:50
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
12月28日(日)の放送テーマは、「新制度でスムーズに! 相続登記の手続き」。法務省 民事局 民事第二課 法規係長の菅澤純也(すがさわ・じゅんや)さんから、相続登記の重要性や土地の登記に関する新しいルールについて伺いました。
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
12月28日(日)の放送テーマは、「新制度でスムーズに! 相続登記の手続き」。法務省 民事局 民事第二課 法規係長の菅澤純也(すがさわ・じゅんや)さんから、相続登記の重要性や土地の登記に関する新しいルールについて伺いました。

◆所有者が分からない土地が抱える問題は?
不動産登記とは、不動産がどこにあり、どのくらいの広さで誰のものかを法務局が公的に管理する制度です。登記情報は一般に公開されており、誰でも確認できるため、不動産の売買や活用を円滑に進める役割を担っています。
ところが現在、所有者が分からない「所有者不明土地」が、九州の面積に匹敵するほど存在するといわれています(2016年時点)。そして、所有者不明土地が管理されずに放置されるケースが多いため、空き家や雑草が生い茂る土地となり、街の景観を損ねるだけでなく、防犯・防災の面でも、周囲に悪影響を及ぼす要因となっています。
さらに、所有者不明土地は防災面でも深刻な課題を抱えています。例えば、土砂崩れの対策工事が必要な場所に所有者不明土地があると、工事がスムーズにできず危険な状態のまま放置されてしまいます。これは周辺住民にとって大きなリスクとなります。
なぜ所有者が分からない土地がこれほど増えているのでしょうか。菅澤さんは大きな理由を2つ挙げます。1つ目は「相続登記」がおこなわれていないケースです。親が亡くなり、土地や建物を相続しても、これまでは相続登記が義務ではなかったため、登記をしないまま放置されることが多くありました。もう1つは、引越し後に住所変更登記がされず、「登記上の情報だけでは所有者と連絡が取れなくなった」という理由です。
こうした状況を改善するため、2024年4月1日から土地や建物を相続した場合、3年以内に相続登記をおこなうことが義務化されました。正当な理由なく登記をおこなわない場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。また、「義務化された2024年4月より前に相続したことを知った不動産で、まだ相続登記がされていないものについては、特例として2027年3月31日までに相続登記をしていただければ問題ありません」と菅澤さんが補足します。
この制度は、最近相続した不動産だけでなく、昔に相続が発生した不動産も対象になります。「自分の家は大丈夫だろうか」と心当たりのある人は、この機会に登記状況を確認しておきましょう。また、過去に相続が発生していたものの、遺産分割の話し合いが進まず、相続登記をしなかったケースも少なくありません。年末年始など、家族や親族が集まる機会に相続や登記について話し合っておくことが、将来のトラブル防止につながります。
◆所有不動産を一括管理できる新制度がスタート
相続登記の義務化に伴い、手続きをより円滑にするため2026年2月2日から「所有不動産記録証明制度」が施行されます。これは、不動産登記に記録された所有者の氏名と住所をもとに、その人が全国に所有している不動産を一覧的にリスト化し、証明する制度です。
不動産の登記情報は土地や建物ごとに管理されているのですが、特定の人がどこに不動産を持っているのかを一括で把握できる仕組みがありませんでした。そのため、複数の不動産を所有していた人が亡くなった場合、相続人がすべてを把握できず、一部の土地が相続登記されないまま放置されてしまうケースがありました。それを所有者本人や相続人であれば、証明書を請求することで“自分が所有している、または、相続予定の不動産”をまとめて確認できるようになります。
なお、証明書の請求先となる登記所については、お近くの法務局に確認できますが、請求には手数料がかかります。
◆「スマート変更登記」で情報変更手続きが容易に
さらに、2026年4月1日からは、不動産登記に記載されている住所や名前の変更登記も義務化されます。菅澤さんは「結婚などで名前が変わったり、法人名の名称などを変更した場合、変更日から2年以内に登記をおこなう必要があります。正当な理由なく変更登記をしなかった場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。ただし、義務化される前に変更をおこなった場合は、特例として2028年3月末までに手続きをすれば問題ありません」と解説します。
住所変更が多い人にとっては負担に感じる義務化ですが、そこで新しく導入されるのが「スマート変更登記」です。「所有者に簡単な手続きをしていただければ、その後は法務局が無料で住所や名前の変更登記をします。これにより、住所や名前などに変更がある度に自身で登記申請をしなくても、義務違反に問われることがなくなります」と菅澤さんは説明します。
個人の方の場合は、法務局で「検索用情報の申出」をおこなうことで、スマート変更登記が利用できます。その後、法務局が定期的に住所や名前の変更の有無を確認し、変更があった方に対して「変更登記をしてもよいか」を確認するメールを送信し、「変更登記をしてもよい」旨の回答があった方から順次、変更登記をおこないます。
最後に、菅澤さんは「『所有不動産記録証明制度』や『住所・名前の変更登記』の義務化は、増え続ける所有者不明土地の問題を解決するとともに、行政手続きを簡素化して、利用者の負担を軽減することを目指しています。より安心で暮らしやすい地域づくりのためにも、来年から始まる新しい制度について理解を深めてご対応いただけますよう、よろしくお願いします」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「所有者不明の土地を解消するための新しい制度」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず、村上は注目ポイントに“スマート変更登記で楽々安心”とスケッチブックに書きました。続けて、杉浦は“相続登記義務化されています。忘れないでね!”と注目ポイントを挙げ、「相続登記の義務化や所有不動産記録証明制度、住所・名前の変更登記の義務化について詳しく知りたい方は、法務省のWebサイトをご覧ください」とコメントしました。

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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
12月28日(日)の放送テーマは、「新制度でスムーズに! 相続登記の手続き」。法務省 民事局 民事第二課 法規係長の菅澤純也(すがさわ・じゅんや)さんから、相続登記の重要性や土地の登記に関する新しいルールについて伺いました。

(左から)村上佳菜子、菅澤純也さん、杉浦太陽
◆所有者が分からない土地が抱える問題は?
不動産登記とは、不動産がどこにあり、どのくらいの広さで誰のものかを法務局が公的に管理する制度です。登記情報は一般に公開されており、誰でも確認できるため、不動産の売買や活用を円滑に進める役割を担っています。
ところが現在、所有者が分からない「所有者不明土地」が、九州の面積に匹敵するほど存在するといわれています(2016年時点)。そして、所有者不明土地が管理されずに放置されるケースが多いため、空き家や雑草が生い茂る土地となり、街の景観を損ねるだけでなく、防犯・防災の面でも、周囲に悪影響を及ぼす要因となっています。
さらに、所有者不明土地は防災面でも深刻な課題を抱えています。例えば、土砂崩れの対策工事が必要な場所に所有者不明土地があると、工事がスムーズにできず危険な状態のまま放置されてしまいます。これは周辺住民にとって大きなリスクとなります。
なぜ所有者が分からない土地がこれほど増えているのでしょうか。菅澤さんは大きな理由を2つ挙げます。1つ目は「相続登記」がおこなわれていないケースです。親が亡くなり、土地や建物を相続しても、これまでは相続登記が義務ではなかったため、登記をしないまま放置されることが多くありました。もう1つは、引越し後に住所変更登記がされず、「登記上の情報だけでは所有者と連絡が取れなくなった」という理由です。
こうした状況を改善するため、2024年4月1日から土地や建物を相続した場合、3年以内に相続登記をおこなうことが義務化されました。正当な理由なく登記をおこなわない場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。また、「義務化された2024年4月より前に相続したことを知った不動産で、まだ相続登記がされていないものについては、特例として2027年3月31日までに相続登記をしていただければ問題ありません」と菅澤さんが補足します。
この制度は、最近相続した不動産だけでなく、昔に相続が発生した不動産も対象になります。「自分の家は大丈夫だろうか」と心当たりのある人は、この機会に登記状況を確認しておきましょう。また、過去に相続が発生していたものの、遺産分割の話し合いが進まず、相続登記をしなかったケースも少なくありません。年末年始など、家族や親族が集まる機会に相続や登記について話し合っておくことが、将来のトラブル防止につながります。
◆所有不動産を一括管理できる新制度がスタート
相続登記の義務化に伴い、手続きをより円滑にするため2026年2月2日から「所有不動産記録証明制度」が施行されます。これは、不動産登記に記録された所有者の氏名と住所をもとに、その人が全国に所有している不動産を一覧的にリスト化し、証明する制度です。
不動産の登記情報は土地や建物ごとに管理されているのですが、特定の人がどこに不動産を持っているのかを一括で把握できる仕組みがありませんでした。そのため、複数の不動産を所有していた人が亡くなった場合、相続人がすべてを把握できず、一部の土地が相続登記されないまま放置されてしまうケースがありました。それを所有者本人や相続人であれば、証明書を請求することで“自分が所有している、または、相続予定の不動産”をまとめて確認できるようになります。
なお、証明書の請求先となる登記所については、お近くの法務局に確認できますが、請求には手数料がかかります。
◆「スマート変更登記」で情報変更手続きが容易に
さらに、2026年4月1日からは、不動産登記に記載されている住所や名前の変更登記も義務化されます。菅澤さんは「結婚などで名前が変わったり、法人名の名称などを変更した場合、変更日から2年以内に登記をおこなう必要があります。正当な理由なく変更登記をしなかった場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。ただし、義務化される前に変更をおこなった場合は、特例として2028年3月末までに手続きをすれば問題ありません」と解説します。
住所変更が多い人にとっては負担に感じる義務化ですが、そこで新しく導入されるのが「スマート変更登記」です。「所有者に簡単な手続きをしていただければ、その後は法務局が無料で住所や名前の変更登記をします。これにより、住所や名前などに変更がある度に自身で登記申請をしなくても、義務違反に問われることがなくなります」と菅澤さんは説明します。
個人の方の場合は、法務局で「検索用情報の申出」をおこなうことで、スマート変更登記が利用できます。その後、法務局が定期的に住所や名前の変更の有無を確認し、変更があった方に対して「変更登記をしてもよいか」を確認するメールを送信し、「変更登記をしてもよい」旨の回答があった方から順次、変更登記をおこないます。
最後に、菅澤さんは「『所有不動産記録証明制度』や『住所・名前の変更登記』の義務化は、増え続ける所有者不明土地の問題を解決するとともに、行政手続きを簡素化して、利用者の負担を軽減することを目指しています。より安心で暮らしやすい地域づくりのためにも、来年から始まる新しい制度について理解を深めてご対応いただけますよう、よろしくお願いします」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「所有者不明の土地を解消するための新しい制度」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず、村上は注目ポイントに“スマート変更登記で楽々安心”とスケッチブックに書きました。続けて、杉浦は“相続登記義務化されています。忘れないでね!”と注目ポイントを挙げ、「相続登記の義務化や所有不動産記録証明制度、住所・名前の変更登記の義務化について詳しく知りたい方は、法務省のWebサイトをご覧ください」とコメントしました。

(左から)村上佳菜子、杉浦太陽
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm






