手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。3月30日(土)の放送では、「家庭でできる水の備蓄」というテーマでお届けしました。
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首都圏で大規模な地震が起きた場合、水道の復旧にどのくらいの時間がかかるかご存知でしょうか? 東京都が2022年度に発表している被害想定では、都内の上水道の26.4%で断水が発生し、復旧まで最大17日かかるとのことです。
私たちは、1日のなかで1人あたり250リットルもの水を使用していると言われています。非常時に水を使わないように節制したとしても、1日約15リットルの水が最低限必要で、給水車などの支援が始まるまでは3日かかると言われています。
それまでの水の確保について、水ジャーナリストの橋本淳司(はしもと・じゅんじ)さんは、「20リットルぐらい入るポリタンクを複数個用意し、それに水をためて使っていく、そういうことを平時からやっておく必要があります。あとは、お風呂(のお湯)を流さないでおくことも重要です。トイレを流すとき、何かを洗ったりするときなどの生活用水として活用できます」と解説。断水が長期化すると徐々に不衛生な環境になり、それがきっかけで感染症が発生するケースも想定されます。
東京都の多くの自治体では、安全な建物に住んでいる場合は在宅避難が推奨されています。そのため、家で避難生活を送るうえでも、日ごろから水道水をためておくことが非常に大切です。
その水道水をためるときのポイントとして、「(ポリタンクに)水道水をギリギリまで入れてフタを閉めると、空気などが入りにくくなって持ちも良くなります。ただし、急いで入れると泡が立って空気が入ってしまうので、なるべく泡を立てないようにゆっくり入れて、ギュッとフタをして密閉することがとても大事です」と橋本さん。
さらには、「水道水を備蓄するとき、水をきれいにするために“煮沸したほうがいいんじゃないか”と思う方もいらっしゃると思いますが、水道水のなかに入っている塩素がとても重要な役割を果たしますので、煮沸しないで(ポリタンクに)ためておくのがとても大事です」とも。
ポリタンクに入れた水道水は約1ヵ月が経過したら使い、また新しい水に入れ替えましょう。そのためにも、水を汲んだ日が分かるように、タンクの外側に書いて貼っておくと良いでしょう。これを日常のなかで繰り返しておけば、無理なく水の準備をすることができます。
給水車の応援や給水スポットの整備ができれば、そこに水をもらいに行くこともできますが、個々で水をどう確保するかを考えて日ごろから実践しておくことは、避難生活を余儀なくされたときに、あなたの命や心を守ることにつながります。
<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋