作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。
4月26日(日)の放送は「村上RADIO~掘り出し物ヴォーカル・ナイト~」をオンエア。村上さんが世界中の中古レコードショップのバーゲン・コーナーで100円~200円相当という驚きの価格で購入してきたディスクから見つけ出した、掘り出し物の名曲をジャンルレスでお届けしました。
この記事では、中盤2曲について語ったパートを紹介します。
「村上RADIO」
Thomas Quasthoff「The Whistleman」
ドイツ人のオペラ歌手、トーマス・クヴァストホフさん。この人は1959年に生まれたんですが、母親が妊娠中にサリドマイドを服用していたために、重度の障害を負って生まれました。身長134センチで、手足も短い。でもクラシック音楽の歌手として花開き、オペラにも出演して、グラミー賞を三度獲得しています。この人はソウル・ミュージックが大好きで、ポピュラー音楽を集めたアルバムをドイツ・グラモフォンから出しています。ドイツ・グラモフォンがクラシック以外の音楽を出すというのはすごく珍しいことなのですが。
それではそのアルバム『Tell It Like It Is』から、クヴァストホフさんの自作の曲「ホイッスル・マン」を聴いてください。ソウルフルです。
Andrea Bocelli「Amapola」
続けてもう1人、やはり身体(しんたい)のハンディを負ったヨーロッパのクラシック歌手の歌を聴いてください。イタリアのテノール歌手、アンドレア・ボチェッリ。ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの開会式でも歌ってましたね。彼は1958年生まれのイタリア人ですが、12歳のときにサッカーのボールを頭に受けて、脳内出血を起こして失明しました。それでも努力を重ねて弁護士になったのですが、1994年にルチアーノ・パヴァロッティに見いだされて、歌手としてデビューします。そしてイタリアを代表するテノール歌手として、高い評価を受けるようになりました。なにしろ美しい声なんです。
彼が「アマポーラ」を朗々と歌い上げます。デイヴィッド・フォスターが主宰したコンサートでのライブ録音です。場内、盛り上がります。
メールをいただきました。
シンゴリラウス星人(53、男性、群馬県)
「私は若い頃、晩酌にキンキンに冷えたビールを飲んでいたのですが、お腹を下すようになり最近は芋焼酎のお湯割りを飲んでいます。村上さんも毎日、晩酌をされていると思うのですが、若い頃と変えた事はありますでしょうか?」
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僕はここのところ毎日晩酌はしておりません。週に2、3回は休肝日をつくるようにしています。しかしそう言われてみると、最近はたしかに昔ほどビールを飲まなくなりましたね。お腹はこわさないけど、身体が冷えちゃうんでね。日常的には赤ワインを飲むことが多いですが、蕎麦屋に行って「そば焼酎のそば湯割り」というのを飲むのが習慣になりました。つまみは煮こごりとか、生麩(なまふ)とか、だし巻き卵とか、そういうあっさりしたものがいいです。試してみてください。(にゃあ)
<番組概要>
番組名:村上RADIO~掘り出し物ヴォーカル・ナイト~
放送日時:4月26日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/