杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
3月29日(日)の放送テーマは、「この街でみんなと強くなろう! あなたも消防団員に」。消防庁地域防災室の池田隼(いけだ・はやし)さんから、消防団員の役割、活動内容について伺いました。
(左から)村上佳菜子、池田隼さん、杉浦太陽
◆消防団の起源
地域の防災を支える存在として、「消防団」に改めて注目が集まっています。消防団は、消防署と同じように市町村ごとに置かれている消防の組織で、その地域に住んでいたり、通勤や通学をしていたりする方が団員として活動しています。
消防署で働く消防職員が常勤の地方公務員であるのに対し、消防団員は18歳以上であれば参加できる非常勤特別職の地方公務員です。日頃は本業や日常生活を送りながら、火災や災害が発生した際に自宅や職場から現場へ駆けつけ、消火や救助活動にあたります。いわば、地域に根ざした“もう1つの消防力”といえる存在です。
その起源は江戸時代にさかのぼります。八代将軍・徳川吉宗の命を受け、大岡越前が町火消の制度を整備したことが始まりとされ、「い組」「ろ組」といった名称で知られる「いろは四十八組」が誕生しました。「それぞれの町火消を、いろはなどの48音を使って名付けたことで、お互いの名誉をかけて競い合って働くようになり、消防の発展に大きな成果を得ることになったと言われています」と池田さんは説明します。その精神は現代にも受け継がれ、現在では消防団の技術を競う全国大会も開催されています。
◆消防団の強みは「動員力」と「対応力」
全国の消防団員は約73万人(2025年4月時点)います。しかし、その数は年々減少傾向にあります。その理由として、少子高齢化に加え、地域との関わりが希薄になっていることや「なぜ消防団が必要なのか」という役割が十分に知られていないことも挙げられます。
災害現場では、消防士が最前線で消火や人命救助にあたる一方で、避難誘導や危険区域の監視など、多くの支援が必要になります。特に大規模災害時には人手が不足しがちで、地域の地理や状況を熟知した消防団員の存在が不可欠となります。
その重要性を改めて示したのが、2024年の能登半島地震です。「消防団員ご自身も被災されているなか、地域住民の命と安全を守るべく、地震発生直後から懸命に活動してくださいました」と池田さんは紹介します。
能登半島地震では、消防団が消火活動をはじめ、助けを必要としている方の捜索や救助、危険な場所に人が近づかないように見守る活動など、幅広い役割を担いました。特に、日頃から地域で活動している経験を活かして、倒壊した家屋のなかから多くの方を救い出しました。こうした活躍もあり、地域に根ざした消防団の必要性が改めて認識されるようになっています。
現在、全国の消防職員が約17万人いるのに対し、消防団員は約73万人と、実に4倍以上の規模を誇ります。この「人の多さ」こそが、災害時に大きな力を発揮する要因の1つです。「消防団員は日頃から訓練をおこなっているので、災害が起きたときも素早く的確に動くことができます。こうした動員力や対応力が消防団の強みであり、この強みを活かすためには、それぞれの地域に合った人数を、きちんと確保していくことが大切です」と強調します。
◆ライフスタイルに合わせた多様な活動
近年、消防団に参加する女性や学生が徐々に増えてきています。池田さんは「従来の消火や災害対応だけでなく、平常時の火災予防や広報といった体力に頼らない役割も多いことや、ライフスタイルに合わせたさまざまな関わり方ができることが、参加のしやすさにつながっているのではないでしょうか」と推測します。
火災予防の現場では、地域の各家庭を訪問して防火指導をおこなったり、防火設備の点検を実施したりします。また、高齢者宅を訪れて生活状況を確認し、災害時に支援が必要な方を把握するなど、地域に寄り添った重要な役割も担っています。
さらに、応急手当やAEDの使い方を地域住民に伝える講習会も開催しています。「万が一の事故や急な病気のとき、救急車が到着するまでの数分間の応急手当が、患者さんの生死を左右する場合があります。そのため、素早く対応できる知識や技術を習得して指導しています」と池田さん。こうした知識は、自分や家族の“もしも”のときに役立ちます。また、ポンプ自動車の運転に必要な準中型免許の取得費用を助成する自治体も多く、実務的なメリットもあります。
消防団の活動内容やスタイルもさまざまで、すべての活動に参加する「基本団員」をはじめ、特定の役割のみ担う「機能別消防団員・分団」といった制度があり、自分の得意分野や時間に合わせた活動が可能です。なかには、火災予防に特化した団員や、音楽隊としてイベントで消防団をPRする広報団員などの役割があります。
車両が入れない場所への物資運搬や情報収集を担うバイク隊、浸水地域で活動する水上バイク隊、被害状況の把握や行方不明者の捜索をおこなうドローン隊など、機動力や技術を活かした専門分団も存在します。また、消防団を引退した後、OB団員として消防団の活動に関わり続ける方もいます。
最後に、池田さんは「消防団には、年齢や職種も違う人たちが『地域の役に立ちたい』『自分たちの街を自分たちで守りたい』という思いで集まっています。人と人とのつながりが薄れがちな今だからこそ、活動を通して仲間ができ、新しい視点に出会える点も魅力です。そして何より、『ありがとう』という言葉をさまざまな場面で直接言ってもらえる、そんなやりがいのある場でもあります。まずは、消防団のことを知るところからで大丈夫です。少しでも興味を持った方は、お住まいの市町村の窓口にお問い合わせください」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「消防団・消防団員」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。村上は注目ポイントとして“女性も学生も消防団員として活躍中 さあ! あなたも!!”とスケッチブックに書きました。続いて、杉浦は“消防団員になって街を支え守ろう!!”と注目ポイントを挙げ、「消防団について詳しく知りたい方は、
消防団員になろう講座「ぶっちゃけどうなの!?消防団!!」
という動画で、基本的な活動内容や待遇などについて紹介しています」とコメントしました。
(左から)杉浦太陽、村上佳菜子
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm