声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。5月28日(日)の放送は、サイクル・ヒストリー「サンスター・ヒストリー!」をお届けしました。
パーソナリティの野島裕史
◆歯磨きでお馴染みのサンスター、実は……!?
野島:自転車にまつわるさまざまなヒストリーを紐解きながら、 サイクル知識の心肺機能を高めていくこのコーナー。今回のテーマは「サンスター・ヒストリー!」です。
“サンスター”というと、歯磨き。「なぜ、自転車の番組でサンスター!?」って思いますよね。僕自身も、この話題を見つけたときはビックリしました。歯磨き剤や歯ブラシなどオーラルケア製品を扱う会社のイメージがあるサンスターですが、実は自転車部品やパンク修理用ゴム糊(のり)の製造販売を行う会社として1932年に起業しました。
その後、ゴム糊を入れていた金属チューブ容器の製造技術を応用して、まだ粉状の歯磨き剤が主流だった1946年にチューブ容器入りの練り歯磨き剤を開発・販売したところ好評となり、現在のオーラルケア事業に結びついているそうです。
これは知らなかった! 歯磨き剤がチューブに入っているのはいまや当たり前ですもんね。チューブに入っていない歯磨き剤を探すほうが難しい。いや~、次々と驚いてしまいます。
ちなみに、社名の「サンスター」は、太陽(サン)が上る朝と星(スター)が輝く夜に歯を磨こうという願いに由来しているそうです。朝と夜に歯を磨こうということですが、これもいまや当たり前になっていますね。
◆100以上の世界タイトルの獲得に貢献!
一方、自転車部品やゴム糊の事業は、二輪車用金属部品などのモーターサイクル事業と自動車や建築、電子機器に使う接着剤・シーリング材などのケミカル事業に発展。 特に自転車やモーターサイクルのスプロケット……これは自転車の後輪についているギア部分、チェーンとリンクして回転する歯車の部分ですね。そのスプロケット事業では大きなシェアを確立。
2005年にイタリアのディスクブレーキブランド「ブレーキング」社をグループ傘下企業とし、サンスターの技術と融合した「サンスター・ブレーキング」が新しいプロダクツの開発を進め、2010年にはマウンテンバイクダウンヒル用のウェーブディスクとパッドを発表。これまでに140個以上の世界タイトル獲得に貢献しているそうです。
ちなみに、2019年のデータになりますが、サンスターグループの売り上げに占める割合は、オーラルケア製品がおよそ53%。モーターサイクル関連がおよそ35%。そのほかが12%だそうです。
ということで、意外にもサンスターは自転車関連の製造販売メーカーとして始まっているんですね。現在では自転車との関わりは薄くなってしまっているんですが、こんなヒストリーがあったんですね。
今まで、このサイクル・ヒストリーのコーナーでは、自転車のメーカーばかりをがっつり取り上げてきました。パナソニックは扱ったことがありますけど、今でも自転車事業が有名ですからね。まさかサンスターを取り上げることになるとは思いませんでした。
次回6月4日(日)放送の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、野島裕史のサイクルコラム「富士ヒル前夜」をお届けします。お楽しみに!
<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国23局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:
http://www.jfn.jp/toj