モデル・タレントのユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。
「NEW TREND ONE」のコーナーでは、今、新しい生活の中で注目されているアイテム・企業・人物などにフォーカスします。
8月25日(月)の放送は、今年発足60周年を迎えるJICA(ジャイカ:独立行政法人国際協力機構)が派遣する「JICA海外協力隊」に注目! JICA青年海外協力隊事務局・担当理事の小林広幸さんにJICA海外協力隊の成り立ちや活動内容、そして未来のビジョンなどについて伺いました。
(左から)パーソナリティのユージ、JICA青年海外協力隊事務局 担当理事の小林広幸さん
◆JICA海外協力隊・60周年のテーマは「世界と日本を変える力」
1965年に始まったJICA海外協力隊。これまで99カ国に延べ5万7,000人以上の隊員を派遣してきました。60周年となる今年の記念事業テーマは「世界と日本を変える力」。帰国した隊員たちは、現地での経験を生かし、社会課題の解決や地域活性化などに取り組んでいます。
◆“人生が変わったきっかけ”は生徒の一言
今回お話を伺った小林さんは、実は元協力隊員経験者。1992年から2年半、アフリカ・タンザニアで理数科教師として活動していました。
その経験が、現在の国際的分野の仕事に就くきっかけになったという小林さんですが、当時は教師経験がなかったため、活動が思うようにできなかったとか。そんなある日、小林さんの意識を変える転機となる出来事があったと言います。
「生徒がなかなか学校に来なかったり、他の先生も『あまり来ていないな……』と思ったりすることがあって。そんなある雨の日、とある生徒が(学校の前を)通りかかり、僕のところに駆けつけてきて『先生、なんで今日学校に来ているの?』と聞いてきたんです。そこで『えっ? なんでみんな来ないの?』と聞き返したら、傘がなかったり、家が忙しかったり、病気だったりと、さまざまな事情があることを話してくれました」と振り返ります。
続けて「そのときに、初めて“学校に行くのが当たり前”という自分の常識が、彼らにとっては当たり前ではなかったのだと気づきました。そこからようやく、私の活動が始まったというか、彼らの話を聞くことで様子や事情が分かり、友人ができて。本当にこの国が大好きになりました。自分の常識が違うことを教えてくれた生徒との出会いが、今につながっているなと感じています」と話してくれました。
◆ユージが現地で実感した“1人の力”の大きさ
JICAといえば今年2月、本コーナーにJICA青年海外協力隊事務局・ 国内担当次長の内山貴之さんが出演してくれました。放送時にはユージが内山さんに、海外協力隊へ応募する方々が感じる派遣先での語学や経費、そして帰国後のキャリアに関する不安を解消するようなお話を伺いました。
ユージはその後、モンゴルへ行き、現地で活動する協力隊員に出会ったことを明かします。その経験から「語学力に不安を持つ人もいると思いますが、中学レベルの英語力さえあればOK! 派遣前訓練で学べるし、経費に関しては渡航費、住居費、生活費はJICAがサポートしてくれるそうです。多様な進路が広がっており、協力隊の経験が有利に働くことが多いとそうです」と説明。
また、モンゴルで出会った協力隊員について「実際に現地で活動されている栄養士さんと理学療法士さん、あとはサッカーの先生をされている方にお会いしました。このジャンルを聞いただけでも、『これだけ力になれる要素があるんだ!』と驚きました。僕もサッカー経験があるので、『自分でも役に立てるかもしれない』と思いました」とコメント。
そして、「いざ海外に目を向けてみると、食の環境も日本とはずいぶん違う国がたくさんあります。衛生面など、その国自体は問題と思っていないかもしれないけれど、日本の現状と比べると『ここは日本に近づけたほうが、きっといいだろうな』と感じる部分もあって。だから、たった1人の隊員でも、1人の力がすごく偉大なんだなと今回実感しました」と語りました。
◆世界の平和に欠かせない“信頼関係”を
2025年に60周年を迎えるJICA海外協力隊。これからの10年、そして100周年――
小林さんは、協力隊の未来について「協力隊の活動は、プロセスのなかで信頼関係を築いていくことが何よりも重要だと思っています。地道でもとにかくそれを続けていって、世界中の人々が当たり前のように誰かを思い浮かべたり、気にかけたり、そこで信頼を作り合ったりすることが日常化していく。それは小さなことかもしれませんが、積み重ねていけば、世界の平和に絶対に欠かせないプロセスになるはずです」と語ります。
そして、「さまざまな発見や出会いをした協力隊員たちが、今度は日本社会を変えてほしいと思っています。もっとカラフルで多様な社会づくりに彼らが貢献してくれたら、ものすごくワクワクしますね。この両面でしっかりと活動を続けていきたいです」と話していました。
◆協力隊は「自分自身の成長にもつながる学びの場」
インタビューを終えて、ユージはあらためて協力隊の活動の素晴らしさを感じたと言います。
「協力隊は人を助けるだけでなく、自分自身の成長にもつながる学びの場ですよね。協力隊を経てから見えてくる道は、きっと大きく変わってくるんだろうなと思いました。歴史ある活動で、今も世界99カ国に5万7,000人以上が派遣されています。どんな国で、どんな人を募集しているのか、調べてみるだけでも面白いですよ。『ここだったら自分も力になれるかも!』みたいな、ちょっとしたきっかけでも構いません。ぜひ、皆さんも一度覗いてみてください」と呼びかけました。
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小林さんとユージの対談のノーカット版は、TOKYO FMのYouTubeチャンネルで配信中です。
<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ・吉田明世