TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。5月24日(金)放送のテーマは、「車の梅雨対策」について。梅雨時期に必要な車の梅雨対策メンテナンスを紹介しました。
※写真はイメージです
雨の日の車の運転は視界が悪かったり、スリップもしやすく、晴れの日よりも危険度が高まります。そのため、より安全な運転を心がけるのはもちろんですが、愛車のメンテナンスをきちんとすることで事故を遠ざけることができます。
◆自分でできるワイパーのメンテナンス
まずは“ワイパー”について。視界が悪い状況での運転は危険が伴いますので、晴れの日からワイパーの拭き取り具合をしっかりチェックしましょう。
自動車ジャーナリストの高根英幸さんによると、「線のように拭きムラが出てきたら交換時期です」とのこと。とはいえ、ワイパーブレードを丸ごと取り替えると高額になってしまうため、カー用品店やホームセンターで売っている先端のワイパーゴムだけを交換するのが経済的ですが、断面形状に種類があり、ゴムの幅や長さもまちまちなため、購入前に自分の車に適合するタイプかどうかを確認しておきましょう。
交換する際は、まずブレードを車から外して、ブレード先端のゴムを取り替えたほうが作業しやすいです。一般的な交換時期は、ワイパーゴムが半年~1年に1回、ワイパー本体は1~2年に1回が目安ですが、屋外に停めている車は直射日光で劣化が進みやすいので、交換サイクルをもう少し早めたほうがいいケースもあります。
◆豪雨に備えてフロントガラスをコーディング
雨の日にフロントの視界を確保するためには、フロントガラスのコーティングも大切です。フロントウィンドウはワイパーを使って視界を確保できますが、ゲリラ豪雨に遭遇した際は、ワイパーの拭き取りが間に合わない可能性も考えられます。そんな場面に備えて、フロントウィンドウのコーディングがおすすめです。
近年は自分でかけられるウインドコーティング剤の種類も豊富になり、作業性と耐久性が改善されたことで、使いやすく長持ちするタイプも登場しています。ウインドウォッシャー液でコーティング効果を出すタイプやボディーシャンプーでフロントガラスに撥水効果を与える商品もありますが、どちらもそこまで効果を得られないため、「しっかりウインドコーティング剤をかけたほうが、効果が長持ちします」と高根さん。
次にケアが必要なのは“ドアミラー”。このパーツでは、撥水のように水を弾くものではなく、なじませる“親水タイプのスプレー”を推奨します。また、サイドウィンドウの外側にスプレーすると雨の日は非常に見やすくなるので、「フロントガラスは撥水性、ドアミラーは親水性のコーディング」と覚えておきましょう。
◆ウェット性能に強いタイヤの選び方
雨の日の事故に大きく関わる“タイヤ”もチェックしましょう。タイヤは走行によって摩耗し、一般的にタイヤの残り溝が半分を切ったあたりから、ウェット性能が低下すると言われています。
ウェット性能はタイヤ自体の排水性と撥水性で決まり、タイヤの表面のデザインとゴムの成分によって変わります。最近は燃費をよくするエコタイヤが一般的ですが、タイヤの転がり抵抗を減らす工夫とウェット性能は相反するため、両立が難しいです。
一般社団法人 日本自動車タイヤ協会では、業界自主基準として策定したタイヤの等級制度があります。高根さんは「タイヤ性能を等級化したラベルがあり、カー用品店のタイヤに貼ってあります。転がり抵抗係数のグレードとウェットグリップ性能のグレードの2つ(の等級)を表示しています」と説明。
転がり抵抗係数は大文字アルファベット(AAA~Cの5段階)、ウェットグリップ性能は小文字アルファベット(a~dの4段階)で表記されていて「AAA /a」が最高評価です。タイヤを選ぶときの参考にてみてください。
新品の夏用タイヤを購入した際、タイヤの溝は平均で約7.6ミリあり、それが半分(約4ミリ)になったときが交換のタイミングです。さらに、残り1.6ミリまで摩耗すると、タイヤの使用限界を示す“スリップサイン”が表示され、このまま使用してはいけないことが法律で定められています。とはいえ、スリップサインが出ていなくても、残っている溝の状態でブレーキの効き方に差が出るようになります。
今から愛車の準備をしっかりして、梅雨の時期も安全運転で乗り切りましょう。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27