笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。5月18日(土)の放送は、株式会社LegalOn Technologies (リーガルオンテクノロジーズ)代表取締役 執行役員・CEOで弁護士の角田望(つのだ・のぞむ)さんをゲストに迎え、お届けしました。
(左から)角田望さん、笹川友里
角田さんは2010年に京都大学法学部を卒業後、旧司法試験において論文全国1位で合格し、 2012年に弁護士登録。 2013年に森・濱田松本法律事務所に入所し、同期で弁護士の小笠原匡隆(おがさわら・まさたか)さんとともに2017年に法律事務所ZeLoと株式会社LegalForce、現在の株式会社LegalOn Technologiesを創業しました。
◆“リーガルテック領域”でビジネス展開
LegalOn Technologies社は“法とテクノロジーの力で、安心して前進できる社会を創る。”とのパーパス(存在意義)のもと、いわゆる“リーガルテック”といわれるビジネス領域で、法務業務を総合的に支援するAI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud(リーガルオンクラウド)」をはじめ、契約審査の品質向上と効率化を図るAIレビューサービス「LegalForce(リーガルフォース)」、AI契約管理システム「LegalForceキャビネ」など、法務にまつわるさまざまなサービスを展開しています。
例えば、締結前に契約書の内容に問題がないかをチェックする際、これまでは人が目を通しておこなっていたため、契約書の量によっては、かなりの時間や労力を割かなければならないような業務がありました。それに対し、同社が提供するサービスを活用することで、「契約書を私たちのサービスにアップロードすると“ここは気を付けたほうが良い”という指摘が数秒でパッと表示される。なので、問題点やリスクを見つける時間がグッと短縮できますし、リスクの抜け漏れを防ぐことができます」と胸を張ります。
また、笹川が「弁護士の業務全体のなかで“AIを取り入れやすい業務”って多いのですか?」と伺うと、角田さんは「お客さまから相談・依頼を受けた際に法的な見解を示したり、裁判所に提出する書類を作成する過程で、関連しそうな法令を調べたり、どんな裁判事例やリスクがあるのかなどをチェックするリサーチ(調査)時間が、テクノロジーやAIを取り入れることですごく便利になります。また、定型(フォーマット)的なドキュメントやツールを使っていけば、ゼロからすべて自分で書くよりも格段に速度が上がります」と説明。
しかしながら、日本のリーガルテック市場の成熟度でいうと「(目標地点を10割だとすると)3割ぐらいでしょうか。まだまだこれからですけど、それなりにしっかり実務で使えるようなテクノロジー、技術発展は進んできているかなと思います」と分析します。
◆日本におけるリーガルテック市場の手応えは?
2017年の創業以降、LegalOn Technologies社のサービスを利用している会社はグローバルで5,000社超とあって「(さまざまな業態の会社に)使っていただけるようになってきていると思いますが、日本には株式会社だけでも170万社ぐらい存在していて、すべての企業にとって法務機能や契約は必須です。そう考えると、まだ約5,000社しか弊社のサービスを活用していただけていないので、まだまだこれからかなと思います」と前を向きます。
この言葉に笹川が、「その170万社のなかで“零細企業や中小企業の割合が圧倒的に多い”という日本の特徴を考慮したうえで、リーガルテックの広がり方や法務の効率化といったところでの課題は、どういったところにありますか?」と質問。
これに角田さんは、「規模が小さな事業者さまだと“法務・契約機能をどうつくっていくのか”という最初のところが1つ課題になるんじゃないかなと思います。というのも、コスト的に人件費に余裕がなかったり、採用したくても求めている人材が市場に不足していたり、いろいろな理由で法務部や法務担当の人材を置けていない会社さまが多いのではないかと思います」と前置きしたうえで、そうした課題にこそ「(LegalOn Technologiesのサービスが)お役に立てるところなんじゃないかなと思います」と胸を張ります。
そんな同社は、創業5年目で137億円の資金調達に成功し、2022年9月には米国に進出。2023年4月には、現地向けにAI契約書レビュープロダクト「LegalOn Global」をリリースしましたが、「手応えを非常に感じております。“法×テクノロジー”というところにすごく大きなポテンシャルがあるのだと思います」と角田さん。
その要因として、サービスのローンチ以降、アップデートを繰り返すなかで「毎月しっかりとアメリカのお客さまに導入いただき(新規顧客が)伸びてきているのが大きいです。競合がゼロではありませんが、私たちのサービスのクオリティは、英語かつアメリカの契約書を扱うプロダクトとして見ても、十分に自信を持てるクオリティで展開させてもらえているかなと思います」と力を込めていました。
次回5月25日(土)の放送も、角田さんをゲストに迎えてお届けします。起業を決めた経緯や今後のビジョンについてなど、貴重な話が聴けるかも!?
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5月18日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2024年5月26日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里