青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。4月23日(日)の放送では、文部科学省 総合教育政策局 地域学習推進課長の黄地吉隆(おおち・よしたか)さんに、「こどもの人生を豊かに! 読書のすすめ」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、黄地吉隆さん、足立梨花
◆4月23日は「子ども読書の日」
4月23日は「子ども読書の日」です。2001年に制定された「子どもの読書活動の推進に関する法律」には、「国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書活動をおこなう意欲を高めるため、子ども読書の日を設ける」「子ども読書の日は、4月23日とする」「国及び地方公共団体は、子ども読書の日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない」などの一文があります。
また、法律では「子どもの読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていくうえで欠くことのできないもの」としています。
ある調査によると、子どもの頃の読書量が多い人は、そうでない人よりも言語能力や数学的能力といった“認知能力”と、コミュニケーション能力などの“非認知能力”の両方が高い傾向にあるという結果が出ています。
そのほかの調査でも、読書が好きな小学生は、そうでない小学生よりも、国語や算数の正解率が高く、読書は“学力”に良い影響があると分析しています。
2001年に法律が制定されて以降、図書館の数は増加しており、1ヵ月間の平均読書冊数も、小学生の場合だと、21年前は1ヵ月に6.2冊の読書冊数でしたが、昨年は13.2冊に増え、中学生も2.1冊から4.7冊、高校生も1.1冊から1.6冊に増えています。
ところが、1ヵ月の間に本を1冊も読まない“不読率”については、「長い目で見ると改善の傾向があるのですが、小・中・高いずれの段階でも、まだまだ高い」と黄地さん。平均の読書冊数は増えているのに不読率が高いということは、読む人はたくさん読むけれど、読まない人はまったく読まないということが推察されます。
特に高校生の不読率が高い傾向にあり、2022年の調査では、小学生は6.4%、中学生は18.6%なのに対して、高校生はなんと51.1%。ほぼ半数の生徒が1ヵ月に1冊も本を読まなかったことが見て取れます。
調査によると、高校生が本を読まない理由で最も多いのは「他の活動などで時間がなかったから」、続いて「他にしたいことがあったから」「普段から本を読まないから」となっています。
◆多くの子どもたちに読書に親しんでもらうための取り組み
多くの子どもたちに読書に親しんでもらうためには、「高校生になるまでに本を好きになってもらい、読書の習慣を身につけてもらいたい。また“本は好きだけれど忙しくて時間がない”という高校生には、読書の大切さを再認識してもらい、限られた時間のなかで読書の優先順位を上げてもらうことも必要」と言います。
そこで、子どもたちに読書に親しんでもらうべく、全国の自治体や図書館をはじめ、企業やNPO法人、地域のボランティアの方々などにより、さまざまな取り組みが実施されています。
その1つが「ブックスタート」です。こちらは、赤ちゃんの幸せを願い、0歳児健診などの機会に絵本をひらくような“楽しい体験”と“絵本”をセットでプレゼントする活動です。
対象となるのは、事業をおこなっている自治体に生まれた“すべての赤ちゃんと保護者”で、ただ絵本を配るのではなく、ひと組ずつ赤ちゃんと保護者に読み聞かせの体験してもらい、絵本を開く時間の楽しさをその場で体感してもらうことで、家に帰ってからも絵本を開くきっかけになれば、との目的でおこなわれています。
次に、「家読(うちどく)」という取り組みについて。これは家庭読書の略で、「ブックスタート」は自治体などが中心となる活動なのに対して、「家読」は子どもを中心に家族で同じ本を読み、読んだ本の感想を話し合うもの。すぐに始められますし、読む本も自由ですが、世代を問わず家族全員で短時間で読める絵本がオススメです。
ちなみに、
ボランティア読書運動団体「家読推進プロジェクト」による公式サイト「うちどく.com」では、マニュアルやオススメの本などが紹介されています。
また、不読率が高い高校生に対して、読書に興味を持ってもらうための取り組みも。例えば、地域の図書館では、子どもの要望を取り入れて、ライトノベルなど中高生向けのヤングアダルトコーナーを設置。立ち寄りやすく、心地良い読書環境づくりなどを進めています。
また、デジタル社会に対応した読書環境の整備も進めており、電子書籍貸出サービスやデジタル・アーカイブの充実、オンラインイベントの開催なども積極的におこなうように推進しています。最近では電子書籍を読み上げる機能もあり、「本を開けない状況でも聞くことができるので、本をあまり読まない高校生にもオススメです」と黄地さん。
さらに、「知的書評合戦ビブリオバトル」というコミュニケーションゲームも注目されています。これは、発表者がオススメの本1冊を数分の持ち時間(※一般的なプレゼンタイムは5分程度)で紹介し、それを聞いた観客が、一番読みたくなった本に投票して1位を決定するというもの。黄地さんによると、学校や図書館などでもおこなわれているほか、全国規模の大会も開催されており、こうした取り組みは文部科学省も応援しているそうです。
最後に、黄地さんは「読書を通じて言葉に触れ、感性や表現力を磨き、想像力を働かせていくことは、人生をより豊かにしていくうえで欠かすことのできない体験です。国では、3月に子どもの読書活動に関する新しい計画も策定するなど、さまざまな取り組みを進めております。ぜひ、子どもに限らず大人も町の本屋さんや図書館に立ち寄って、本と親しむ機会を増やしてもらえたら(うれしいです)」と呼びかけました。
足立は、今回紹介した取り組みのなかでも「家読」に興味を示します。というのも、「私はドラマやバラエティ、映画などを観て、みんなで話すことが好きで、(他の人の意見によって)違った視点に気づけることが面白い。だから(家読は)大人も本が読めるいい機会ですし、もし今後、子どもを産んで育てる環境になったとしたら『家読』をやってみたいと思いました。ぜひみなさんにも試してもらいたい」とコメント。
青木は、2022年度の高校生の不読率が51.1%と高かった点に着目。「高校生になると、やりたいことも多いですし、やらなくてはいけないことも多いと思うけれども、なるべく本を読んで、活字に触れて、不読率が下がってくれたらと、改めて思いました」と話していました。
(左から)青木源太、足立梨花
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聴取期限 2023年5月1日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/