手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。5月25日(土)の放送では、水ジャーナリストの橋本淳司(はしもと・じゅんじ)さんに“簡易トイレが必要な理由”について伺いました。
※写真はイメージです
地震が起きた直後は、排水管や下水道がどうなったかが分かりません。その状況でいつものように排泄をしてしまうと、水が流せなくて便器のなかに汚物が溜まってしまう恐れがあります。また、たとえ水が流れたとしても、つながっている排水管がどうなっているのかも分かりません。
排水管は戸建て住宅だと1階と2階、集合住宅だと自分の住戸と上下の階につながっています。もしどこかの配管が壊れていた場合、汚水が漏れてしまったり、トイレからあふれてしまうなど、何らかのトラブルが起きる可能性があります。あなたの家のトイレを守るため、そして、排水管がつながっている先の人に迷惑をかけないためにも、大きな災害の直後は、すぐに水洗トイレを使わないことが基本です。
また橋本さんは、「(簡易トイレを備蓄しておかないと)不衛生な環境になってしまって、被災生活が続くなかで感染症が発生するなどの二次被害が発生することが多いです。なので、凝固剤や消臭剤、ポリ袋がセットになっている簡易トイレをなるべく多く準備しておくことが大事だと思います」と話します。
簡易トイレを用意しておくべき量として“1週間分”を目安とし、「その後は救援物資で届いたり、仮設トイレが設置されたりしますので、それまでは用意しておいたものでしのぐイメージです」と解説します。なお、簡易トイレを選ぶポイントとして「住んでいる市区町村で回収できるもの」「吸収量が十分でしっかり固まるもの」「消臭対策などが備わっているもの」を挙げます。
仮に下水道が使えた場合、水は流せるのでしょうか? 橋本さんに伺うと、「下水道が使えるなら、自分で水を確保することによってトイレを使うことができます。そのときに流す水の量は大体5リットル、人は生活用水として1日15リットルの水を使っているため、そのうち5リットルが(トイレ用として)流れていくということになります。一方、水が流せなかった場合は、仮設トイレを使うか、自分たちで用意しておいた簡易トイレを使うことになります」と言及。
それを踏まえて、最後に橋本さんは「簡易トイレを使うにしても、水を流して使ってみるにしても、いざ被災したときに“こんなふうに使えばいいんだな”と理解しておくために、一度練習しておくのが良いと思います。その際に“どこで使えばよいか?”“隔離された場所はあるのか?”“使用後、においを防ぐ措置はとれるのか?”といったことも考えておく必要があると思います」と話していました。
携帯トイレを用意はしているものの、実際には使ったことがない方がほとんどかと思います。使い方や衛生面は大丈夫かなど、ぜひ一度、簡易トイレについて家族で話し合ってみてはいかがでしょうか?
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2024年5月25日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年6月2日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋