放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。10月15日(日)の放送は、“おひとりプロデューサー”のまろさんをゲストに迎えて、お届けしました。
小山薫堂、まろさん、宇賀なつみ
◆おひとりさまの楽しさに目覚めたきっかけ
まろさんは、ひとりで旅をしてホテルで過ごす女性を描いたマキヒロチさんによる漫画「おひとりさまホテル」の原案者で、さまざまなおひとりさま時間を提案する、“おひとりプロデューサー”という肩書きで活躍しています。
さらに、まろさんはなんと、宇賀がテレビ朝日に所属していたときの元同僚。今年8月にテレビ朝日を退職し、9月からフリーランスとして活動しています。
そんなまろさんについて、「すごく面白いのが、テレビ朝日に勤めていた会社員時代にホテル暮らしをしていたんです」と宇賀。それを聞いた小山が「ホテル暮らしって、めちゃくちゃお金がかかりますよね?」と驚いていると、まろさんは「都内のカジュアルなホテルに泊まっているような感じで、1泊1万円いかないくらいのホテルに泊まって、結構転々と生活をしていたので、そこまでお金はかかっていないかなと。都内に実家があるので、週末はランドリー兼倉庫として実家を使っております(笑)」と自身の生活ぶりについて語ります。
そして、まろさんは、自身の“おひとりさまの定義”について言及。「おひとりさまって聞くと、“独身”みたいな印象がわりと強いのかなと思うんですけど、私が定義するおひとりさまは独身ということではなくて、パートナーがいても家族がいても、ひとり時間を楽しめたらいいんじゃないかなと思っているので、皆さんのひとり時間として、おひとりさまということを定義しています」と説明します。
高校時代は女子校に通い、集団で行動することが多かったというまろさん。おひとりさまの楽しさに目覚めたきっかけは「北海道に1週間修学旅行に行くとかになると、本当にずっと部屋まで一緒っていう感じで。そのときに、テラスに出て過ごしたときに、“やっぱりひとりの時間ってすごい大事なんだな”ってことに気づいて。そこから大学で留学とかもして、ひとりでいろいろなところに行っていた、というのが目覚めたきっかけなのかなと思います」と話します。
◆この秋、おすすめの「おひとりさま旅ベスト3」
まろさんが原案をつとめる漫画「おひとりさまホテル」では、日本全国に実在するホテルを数多く紹介しているとあって、今回まろさんには「この秋、おすすめのおひとりさま旅ベスト3」を挙げてもらうことに。
「秋といえば、食欲の秋、芸術の秋、読書の秋なので、その3つに分けてホテルを起点とした旅を紹介したいなと思います」とまろさん。
まず「食欲の秋の旅」としておすすめしたのは、山形・赤湯温泉の「山形座 瀧波」。この宿について、「食事が山形の山の恵みだったり、海の恵みだったり、あとは果物もそうですし、お酒もあって、山形って食の宝庫なんだなってことがわかる宿だと思っています。私が一番感動したのがお米で、ディナーコースの締めにお米が出てくるんですけど、お米がおいしすぎて初めて泣いたんです。おかずがあってのお米だとずっと思っていたので、お米だけでおいしいと感じることがあるんだということに気付かされたのが、瀧波でのお食事でした」と振り返ります。
続いて、「芸術の秋の旅」としておすすめしたのは、群馬・前橋にある「白井屋ホテル」。その理由について「ここはもともと300年続く老舗旅館さんだったところが取り壊しになってしまうということで、オーナーの田中さんが私財で買い取って、世界中のクリエイターたちを集結させて蘇らせたホテルなんです。
アートホテルって今はたくさんありますけど、ここは本気のアートホテルだなと思っています。わりと採算を度外視して、もともと部屋だったところを全部取っ払って、吹き抜けの大胆な構造にしていたりとか、著名なクリエイターの方が部屋を作品として作っていたり。その面白さがすごくあるので、アートをじっくり、ひとりで楽しむホテルとしてすごくいいなあと思っています」と力説します。
さらには、「群馬県はすごく文化の街で、美術館も周りにたくさんあるので、美術館めぐりをしながら『白井屋ホテル』に泊まるのがおすすめかなと思います」とも。
最後に、「読書の秋の旅」としておすすめしたのは、東京・御茶ノ水にある「山の上ホテル」です。「川端康成さんや三島由紀夫さんだったり、文豪の方々がよく泊まっていたホテルです。文豪の方々が実際にお気に入りだったホテルに泊まりながら読書ができるというのは、すごくロマンチックなことだなと思います」とまろさん。
「便箋がお部屋にあって、お手紙も書けるようになっているので、本の原稿が書かれていた場所で手紙を書くということもかっこいいなと。とにかく東京とは思えない静けさで、緑が窓一面に広がるような感じなので、読書をする場所としてはものすごくいいなと思っています」と語ります。
そして、「おうちで読書をするのもいいんですけど、気分を変えて素敵な空間で読書をすると、旅の思い出として濃く残るような気がします」と付け加えると、小山は「読書逆算でホテルに行くっていいですね」と共感。宇賀も「かっこいい」とうなずいていました。
まろさん原案の漫画「おひとりさまホテル」(新潮社)
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10月15日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2023年10月23日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ