山崎怜奈(れなち)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組
「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」
(毎週月曜~木曜13:00~14:55)。10月13日(月・祝)〜16日(木)の放送では、ラジオ局の垣根を越えて、さまざまな番組のパーソナリティが登場する“ラジオフレンズWEEK!”をお届け。10月16日(木)の放送は、フリーライターの武田砂鉄さんが登場! 武田さんが9月5日(金)に発売した著書『「いきり」の構造』(朝日新聞出版)などについて伺いました。
(左から)パーソナリティの山崎怜奈、武田砂鉄さん
◆番組改編にびっくり!?
れなち:武田さんは、文化放送で新番組「武田砂鉄ラジオマガジン」がスタートしました。いわゆる“朝の顔”みたいなポジションを背負って……。
武田:“顔”というわけでもないですが。
れなち:その後に大竹まことさん(の番組)にバトンタッチみたいな。すごい時間帯じゃないですか!
武田:そうですね。
れなち:最初の所感として、どう思いました?
武田:最初「ラジオパーソナリティをやってくれ」っていう紙を出されたときに、うっすら「番組提案のお知らせ」みたいな文字が目に入るじゃないですか。その瞬間に「大竹さんの番組が終わるんだな」と思ったんです(笑)。だから「よし、お世話になったから大竹さんの枠で頑張ろう!」と思ったんですけど、よく見たら時間帯が違いましたね。
れなち:1つ前の時間帯で。
武田:そして、大竹さんの番組も早まって。
れなち:そうなんですよね! 大レジェンドにして、まさかの番組時間が伸びるっていう(笑)。
武田:76歳にして1時間拡大するという。だから、放送局の人はみんな僕の番組の心配よりも「大竹さんは本当に 1 時間伸ばしてもやれるのか」っていうほうに集中していたので、こちらは最初から淡々とやるだけっていうマインドになったから、それは良かったですね(笑)。
◆「いきり」に注目した理由とは?
れなち:先日、新刊『「いきり」の構造』が出版されました。今回「いきり」という言葉に注目したのは、どんなきっかけがあったのですか?
武田:わりと僕は、いろんなテレビ番組を観たり、もちろんネットも観たりしますけど……。
れなち:すごいですよね。テレビの朝の番組も夕方の番組もチェックしているんですよね。(お忙しいのに)いつそんな時間があるのですか?
武田:いや別に、原稿を書いたり、(ラジオなどで)しゃべったり、テレビを観たりっていうのは、もうずっとしていることなので。
れなち:土日以外は全部ラジオのレギュラー番組を持たれていますもんね。
武田:そうですね。そのあいだに原稿を書く仕事もやらなきゃいけないので。
それで、テレビを観ているときに、「この人は、なんでこんなに自信満々なんだろう?」って思うことが、政治家に対してもそうだし、いわゆるインフルエンサーとされる人たちの言動を見ていると強く思って、それを一つひとつ検証するというか、考えていくことができないかなと思ってまとめた本です。
れなち:(本を読んで)「いきる」ことを砂鉄さんがしないようにしているというか、「いきり」にどう対抗するか、みたいなことを書かれていたのが、すごく印象的でした。
武田:これはあくまで表現ですけど「対象に対して、ひと突きで刺す」っていうこと自体が、「かっこいい」とか「鋭い」って思われていますけど、僕としては、論証するというか相手に対して、ひと突きでいくよりも……これはこれでタチが悪いんですけど“セメント固め”というか、周りから埋めていくっていうんですかね(笑)。
れなち:ハハハ(笑)。でも、「それって一体どういうことですか?」っていう問いかけに対して、「それは、そういうことだから」っていう定型文で覆いかぶさってくるものに対する違和感、疑念みたいなものをそのままにしないといいますか。
武田:今あらゆることが議論になったとしても、途中で「まあまあ……」みたいに終わらされることがあるじゃないですか。その「まあまあ」っていうふうに立ち去る人のTシャツの裾を引っ張って「『まあまあ』じゃなくて。ちょっと話そうよ」みたいな。
れなち:(笑)。
武田:あくまでも例えだけれど、“対話をする”っていう意味では、もうちょっとそこに可能性があってもいいのかなとは思うんですけど、それが今は遠ざかっちゃっていますよね。
れなち:今は「これは違うんじゃない?」と対話を続ける余裕がなくなってきているみたいな感じですかね?
武田:そうですね。でも、山崎さんの著書「まっすぐ生きてきましたが」(マガジンハウス)のなかにも同じようなことが書いてあるなって……。
れなち:ありがとうございます。「ラジオマガジン」でもオープニングから本に書いた抜歯の話をずっとしてくださって(笑)。
武田:(笑)。都知事選のことも少し書かれていますけれど、山崎さんが『「勢い」っていうのは今期待を抱かれやすいんだ』っていうことをお書きになっていて、本来であれば「勢い」のある人を見たときに、「なんで勢いを持っているんだろうか?」って分析して、その「なんで?」の部分が問われてきたんだと思うんですけど、今はその勢いに対して、「ナイス勢い!」っていう。それは、これまであまりなかったことなんじゃないかなっていうことで、「いきり」もまさしく勢いまかせというか、そことちょっと似ているのかなとは思いますけどね。
<番組概要>
番組名:山崎怜奈の誰かに話したかったこと。
放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55
パーソナリティ:山崎怜奈