TOKYO FM + PRニュース
障害のある方、高齢者、生活困窮者の方の支援にも…“農家&福祉”双方の課題を連携して解決!農林水産省が取り組む「農福連携」とは?
2025-11-24 (月) 06:50
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
11月23日(日・祝)の放送テーマは、「農業から笑顔広がる! 農福連携」。農林水産省 農福連携推進室の佐久間千恵(さくま・ちえ)さんから、農業と福祉の連携について伺いました。
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
11月23日(日・祝)の放送テーマは、「農業から笑顔広がる! 農福連携」。農林水産省 農福連携推進室の佐久間千恵(さくま・ちえ)さんから、農業と福祉の連携について伺いました。

◆毎年11月29日は「ノウフクの日」
「農福連携」とは、農業と福祉を結びつけ、障がいのある方が農業分野で活躍することで自信や生きがいを持ち、社会とつながっていくことを支援する取り組みです。
「農福連携」という言葉は、約10年前から国が正式に使い始めましたが、現在では障がいのある方だけでなく、高齢者や生活困窮者、ひきこもり状態の方、罪を犯した人の立ち直り支援にも対象が広がっています。また、農福連携を推進する一環として、昨年には11月29日を「ノウフクの日」として制定しました。これは11月(Novemberのノウ)と29(フク)日の語呂合わせです。
◆「農業」と「福祉」を連携するメリットは?
この2つを連携する理由について、「農業も福祉も、それぞれ課題を抱えていますが、連携することで双方の課題解決につながります」と佐久間さん。農業分野では高齢化と慢性的な労働力不足が進んでいるのに加えて、耕作されずに荒れてしまっている状態の農地が増えている状況です。
一方、福祉の現場では、障がいのある方の総数が約1,160万人(※2022年12月時点)と推計されています。一人ひとりが異なる特性や希望を持っており、働きたい方が、本人の強みに応じた職場で活躍できる環境を増やしていくことが求められています。さらに、「例えば、障害のある方などが農業の現場で働くことを通じて、やりがいや生きがいを持つようになったり、心身のリハビリにもつながったりすることが期待できます」とメリットを紹介します。
そこで、働き手が不足している農業と、働く場を求める障がいのある方などをマッチングさせる取り組みが進められています。静岡県浜松市にある京丸園株式会社は、早くから農福連携に取り組み、今では従業員106名のうち約4分の1にあたる27名が障がいのある方です。しかし、障がいのある方の雇用人数が増えるごとに売上も増加し、28年間で10倍にもなったそうです。その要因として、佐久間さんは「障がいがあっても働きやすいように作業を工夫したり、無駄を排除して効率化したからです」と説明します。
例えば、芽ねぎ(芽が出て間もないネギ)を植えつける作業は、職人技を必要とする難しい作業ですが、京丸園では、誰でも正確に植えつけできるような器具を開発したことで問題をクリアしました。「京丸園さんのお話では、障害のある方が働ける場をつくったら、高齢者が集まるようになり、障害のある方や高齢者が生き生きと働いていたら“農作業はしんどい”という先入観が薄れて、次第に若い人も『ここなら働いてみたい!』と集まってきたそうです」と補足します。
◆“生きづらさ”を抱える人の農業就労をサポート
ここで、高知県安芸市でナス農園を営む久市覚さん(ひさいち・さとる)に、リモートでお話を伺いました。
久市さんは幼少期を祖父母に育てられた後、両親と暮らし始めましたがうまくいかず、中学・高校時代は児童福祉施設で過ごしました。卒業後は工場に就職しましたが、複数作業を同時にこなすことが難しく、仕事や人間関係で苦労が絶えず、うつ病と診断されて退職。ひきこもりや生活困窮に陥るなか、祖父母の家がある高知県を訪れたときに安芸市農福連携研究会と出会い、そこから農業を始めることになったそうです。
安芸市農福連携研究会は、行政、福祉、医療、教育など多様な関係機関が連携し、生きづらさを抱える人々への農業就労支援をおこなっています。久市さんも研究会の勧めで医師の診断を受け、その結果、発達障害であることが分かりました。
また、研究会から農業を勧められた当初は不安もあったと言いますが、「研究会の方からとても熱心にお誘いいただいて、そこで『頑張ってみようかな』と決心がつきました。特性から作業の失敗を繰り返すこともありましたが、根気よく付き合っていただき、本当に環境に恵まれたと感じました」と振り返ります。
さらには、農業を始めてから心身にも変化があったと言い、「1、2週間、そして、1年が経つ頃には、自分が思っている以上に体調が良くなりました。それによって、将来のことを考えられるようになったのはとても大きいです」とコメント。最後に、今後の計画について伺うと、「自分が助けてもらったように、いろんな人の特性を理解した雇用を目指していきたいです」と話していました。
なお現在、全国各地で農福連携に関するイベントが開催されています(12月31日まで)。都内では、12月1日(月)には「ノウフクの日記念イベント2025」が開催予定で、若手農業者の講演やトークセッション、農福連携産品の試食も体験できます。改めて、佐久間さんは「この機会に、お近くのイベントに足を運んでいただき、農福連携についての理解を深めていただければと思います」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「農福連携」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。村上が注目ポイントに“11月29日はノウフクの日”とスケッチブックに書き、「覚えたいと思います!」とコメント。続いて、杉浦は“農業と福祉の連携で相乗効果!!”と注目ポイントを挙げ、「農福連携について詳しく知りたい方は農林水産省のWebサイトをご覧ください」と話していました。

----------------------------------------------------
この日の放送をradikoタイムフリーで聴く
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
11月23日(日・祝)の放送テーマは、「農業から笑顔広がる! 農福連携」。農林水産省 農福連携推進室の佐久間千恵(さくま・ちえ)さんから、農業と福祉の連携について伺いました。

左から:杉浦太陽、久市覚さん(PC画面)、佐久間千恵さん、村上佳菜子
◆毎年11月29日は「ノウフクの日」
「農福連携」とは、農業と福祉を結びつけ、障がいのある方が農業分野で活躍することで自信や生きがいを持ち、社会とつながっていくことを支援する取り組みです。
「農福連携」という言葉は、約10年前から国が正式に使い始めましたが、現在では障がいのある方だけでなく、高齢者や生活困窮者、ひきこもり状態の方、罪を犯した人の立ち直り支援にも対象が広がっています。また、農福連携を推進する一環として、昨年には11月29日を「ノウフクの日」として制定しました。これは11月(Novemberのノウ)と29(フク)日の語呂合わせです。
◆「農業」と「福祉」を連携するメリットは?
この2つを連携する理由について、「農業も福祉も、それぞれ課題を抱えていますが、連携することで双方の課題解決につながります」と佐久間さん。農業分野では高齢化と慢性的な労働力不足が進んでいるのに加えて、耕作されずに荒れてしまっている状態の農地が増えている状況です。
一方、福祉の現場では、障がいのある方の総数が約1,160万人(※2022年12月時点)と推計されています。一人ひとりが異なる特性や希望を持っており、働きたい方が、本人の強みに応じた職場で活躍できる環境を増やしていくことが求められています。さらに、「例えば、障害のある方などが農業の現場で働くことを通じて、やりがいや生きがいを持つようになったり、心身のリハビリにもつながったりすることが期待できます」とメリットを紹介します。
そこで、働き手が不足している農業と、働く場を求める障がいのある方などをマッチングさせる取り組みが進められています。静岡県浜松市にある京丸園株式会社は、早くから農福連携に取り組み、今では従業員106名のうち約4分の1にあたる27名が障がいのある方です。しかし、障がいのある方の雇用人数が増えるごとに売上も増加し、28年間で10倍にもなったそうです。その要因として、佐久間さんは「障がいがあっても働きやすいように作業を工夫したり、無駄を排除して効率化したからです」と説明します。
例えば、芽ねぎ(芽が出て間もないネギ)を植えつける作業は、職人技を必要とする難しい作業ですが、京丸園では、誰でも正確に植えつけできるような器具を開発したことで問題をクリアしました。「京丸園さんのお話では、障害のある方が働ける場をつくったら、高齢者が集まるようになり、障害のある方や高齢者が生き生きと働いていたら“農作業はしんどい”という先入観が薄れて、次第に若い人も『ここなら働いてみたい!』と集まってきたそうです」と補足します。
◆“生きづらさ”を抱える人の農業就労をサポート
ここで、高知県安芸市でナス農園を営む久市覚さん(ひさいち・さとる)に、リモートでお話を伺いました。
久市さんは幼少期を祖父母に育てられた後、両親と暮らし始めましたがうまくいかず、中学・高校時代は児童福祉施設で過ごしました。卒業後は工場に就職しましたが、複数作業を同時にこなすことが難しく、仕事や人間関係で苦労が絶えず、うつ病と診断されて退職。ひきこもりや生活困窮に陥るなか、祖父母の家がある高知県を訪れたときに安芸市農福連携研究会と出会い、そこから農業を始めることになったそうです。
安芸市農福連携研究会は、行政、福祉、医療、教育など多様な関係機関が連携し、生きづらさを抱える人々への農業就労支援をおこなっています。久市さんも研究会の勧めで医師の診断を受け、その結果、発達障害であることが分かりました。
また、研究会から農業を勧められた当初は不安もあったと言いますが、「研究会の方からとても熱心にお誘いいただいて、そこで『頑張ってみようかな』と決心がつきました。特性から作業の失敗を繰り返すこともありましたが、根気よく付き合っていただき、本当に環境に恵まれたと感じました」と振り返ります。
さらには、農業を始めてから心身にも変化があったと言い、「1、2週間、そして、1年が経つ頃には、自分が思っている以上に体調が良くなりました。それによって、将来のことを考えられるようになったのはとても大きいです」とコメント。最後に、今後の計画について伺うと、「自分が助けてもらったように、いろんな人の特性を理解した雇用を目指していきたいです」と話していました。
なお現在、全国各地で農福連携に関するイベントが開催されています(12月31日まで)。都内では、12月1日(月)には「ノウフクの日記念イベント2025」が開催予定で、若手農業者の講演やトークセッション、農福連携産品の試食も体験できます。改めて、佐久間さんは「この機会に、お近くのイベントに足を運んでいただき、農福連携についての理解を深めていただければと思います」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「農福連携」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。村上が注目ポイントに“11月29日はノウフクの日”とスケッチブックに書き、「覚えたいと思います!」とコメント。続いて、杉浦は“農業と福祉の連携で相乗効果!!”と注目ポイントを挙げ、「農福連携について詳しく知りたい方は農林水産省のWebサイトをご覧ください」と話していました。

(左から)杉浦太陽、村上佳菜子
----------------------------------------------------
この日の放送をradikoタイムフリーで聴く
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm



