TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。今回のテーマは“カーナビとスマホ地図アプリ”について。それぞれの使い勝手、使用上の注意点をお知らせします。
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◆赤信号で停止しているときの操作もNG!
まもなく春休みシーズンが到来し、家族で車に乗って出かける機会も増えていきます。そんなときに、カーナビやスマートフォンの地図アプリはルート情報を得るのに便利です。しかし、その一方で使い方を誤ってしまうと、大きな事故につながる可能性もあります。
自動車ジャーナリスト・吉川賢一さんによると、車のカーナビ搭載率は約7割と言われており、そのうち、カーナビを普段から使用する人の割合は約半分。スマホの地図アプリについては「体感上だと1割~2割程度と少ないイメージです。特に国産の自動車メーカーは、純正のカーナビゲーションを推奨するほうが圧倒的に多い印象です」と所感を述べます。
不慣れな道を走るのに有効なカーナビですが、原則として走行中に画面を操作するのはNGで、「そもそも画面を注視することが道路交通法の違反にあたり、本来は赤信号で停止中の操作もNG。停車可能な場所に車を停止したときのみ操作が可能です」と補足します。スマホ地図アプリの使用についても、運転中に手に持って操作するのは厳禁。必ず固定ホルダーなどを使用して、車にきちんと固定する必要があり、そのうえで停車中に操作をするのが正しい使い方です。
ただし、純正のカーナビだと走行中は操作できない機能がありますが、スマホ地図アプリでは、(走行中でも)拡大・縮小・スライドなどができるので、うっかり操作してしまう場合があるため、ドライバー側の注意が必要です。
◆カーナビの地図データは定期的に更新を
続けて吉川さんは、カーナビとスマホ地図アプリ使用時の危険例を紹介します。カーナビのケースで昔から多いのは、渋滞時に画面を注視しているために前の車に追突してしまう事故です。
「ドライバーは、スピードが出ているときには前を向いて注意深く運転しますが、走行速度が遅くなると、結構油断しがちになります。特にタッチパネルで操作するカーナビなどは、画面を正確に触る必要があるので、よそ見運転が増えます。これによる事故が増えているようです」と説明します。
また、カーナビの地図データが古いと、示している情報と走行している道路環境が一致していない場面も起きかねません。ドライバーがパニックに陥ってしまい、安全な車の操作ができなくなることも考えられます。吉川さんいわく、地図データの更新をするのは1年くらいが一般的で、2年以上更新していない場合は、データの更新やカーナビの買い替えを検討したほうが良いとのことです。
◆スマホの置き場所が事故を招くケースも
スマホの地図アプリの使用は、通信量以外のコストがかからない経済的なメリットがありますが、危険運転につながる可能性も大きいです。吉川さんは、特に走行中に操作できてしまう点が危険だと言い、「稀に高速道路などで走りながらスマホ地図アプリを操作する方を見かけますが、本当に危険な行為なのでやめてください」と呼びかけます。
地図アプリを使用する場合、スマホの配置場所にも意識する必要があります。「速度メーターの真上に置いている人がいますが、そこだと運転中の視界の邪魔になったり、運転中に操作をおこなおうとして、体を乗り出す姿勢になってしまい、それによって事故につながる可能性があるため、大変危険です」と解説。スマホは手軽で便利なツールですが、運転の妨げにならないように気を付けましょう。
◆事前のルート把握でイレギュラーに備える
車運転のナビゲーションシステムは、ひと昔前と比べて格段に便利になりました。しかし、ナビに頼りすぎて思わぬ場所にたどり着いてしまう場面も少なくありません。また、目的地への到着を急いでいる場合、思わずスピードを出しすぎてしまう危険もあります。そのため、知らないところに遠出するときは、事前の準備をしっかりすることが大切です。
「遠出をする場合、私はまず、自宅のパソコンで事前にルートを検索して、どういったルートで目的地に向かうのか、およその到着時間、どこから高速道路に乗るのか、などを確認します」と吉川さん。事前に情報収集をしておくと、頭のなかでも地図が広がっていき、道を覚えやすくなるのも大きなメリットで、「車で移動を始めてからナビの操作に戸惑うドライバーを見ることがありますが、運転前にぜひ予習をしていただきたいです」と呼びかけました。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27