TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。7月5日(金)放送のテーマは「自転車違反の取り締まり強化」について。自転車の安全利用促進委員会メンバーの遠藤まさ子さんから、取り締まりが強まる自転車利用時の交通違反について伺いました。
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◆自転車の交通違反の取り締まりが強化
今年5月に国会で道路交通法の改正案が成立しました。これによって決まったのが、自転車利用時の交通違反の取り締まり強化です。改正法の施行は今後2年以内とまだ先ですが、これを機に改正法のポイントを確認しておきましょう。
近年、交通事故は全般的に減少傾向にあり、自転車が関わる交通事故も増えているわけではありません。しかしながら、自動車同士の事故や二輪車と自動車の事故が減っているぶん、自転車に関わる事故件数の相対的な割合が増えています。遠藤さんは「自転車利用が高まったこともあり、歩行者の事故も増えています。そうすると、自転車側が第一当事者(加害者)になる確率も高くなっており、自転車に対しても何らかの措置を加えないと安全な交通が成立しない、という背景があります」と説明します。
改正法の大きなポイントとして、自転車利用の違反に対する反則制度の対象は16歳以上で、車やオートバイと同じように自転車にも反則金を納付させる、いわゆる「青切符(交通反則通告制度)」が切られるようになります。
青切符の対象となる行為は110以上あり、なかでも“信号無視”や停止すべきところで止まらない“一時不停止”、スマートフォンを使いながら走行する“ながら運転”、歩道を走る“歩道通行”など、重大な事故につながる恐れのあるものが取り締まりの対象です。反則金の金額は現在検討中ですが「原付に準じたものになるでしょう」と遠藤さんは予測します。
自転車は手軽で便利なツールですが、道路交通法上では“車両”に該当します。危険な側面もあることを念頭に置いて運転しましょう。
◆自転車の法律を改めて学ぼう
特に危険で悪質な20数種類の違反行為については、青切符ではなく「赤切符(道路交通法違反事件迅速処理のための共用書式)」の対象になります。「酒気帯び運転、あおり運転、スマホの“ながら運転”による歩行者接触など、社会的に特に悪質な運転は赤切符の対象です」と遠藤さん。
赤切符の場合は、反則金を支払うだけでなく刑事上の責任を問われ、検察庁に送致されることになります。2023年に自転車乗車中に交通事故で命を落とした人は、8年ぶりに前年を上回る346人(前年比7人増)。自転車利用者は、今一度自転車の交通ルールを見直してみましょう。
遠藤さんは、「今の30~50代は、小学生のときに歩行者としての交通安全教室を受けていても、自転車に関する交通安全教室は受けることがなく、その法律も学ぶ機会がなかった人が多い世代で、むしろ今の子どものほうが自転車の法律に関しては詳しい、という逆転現象が起きているくらいです」と話します。
改めて「自分は運転免許を持っているから大丈夫」「自転車は免許がいらないから歩行者と同じ」という感覚は取り払い、自転車の交通ルールを確認することが大切です。“反則金を払わないため”というだけでなく、ケガをしたり、命を落としたりしてしまう人がいない“安全な交通社会実現”のためにも、一人ひとりが交通ルールを守って自転車を利用しましょう。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27