藤木直人、高見侑里がパーソナリティを務め、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。5月23日(土)の放送は、パラアルペンスキー・村岡桃佳選手が登場! 本記事では、村岡選手が2つの銀メダルを獲得したミラノ・コルティナパラリンピックについて振り返っていただきました。
(左から)村岡桃佳選手、藤木直人、高見侑里
村岡桃佳選手は、1997年生まれ埼玉県出身。中学2年生から本格的に競技スキーを始めます。2018年の平昌パラリンピックでは、金メダルを含め、出場した全5種目で5個のメダルを獲得し、2021年の夏に開催された東京パラリンピックでは、陸上競技の車いす女子100メートルで6位入賞。そして、今年3月に開催されたミラノ・コルティナパラリンピックでは2つの銀メダルを獲得し、冬季パラリンピックで日本選手最多メダル数(11個)を更新しました。
◆2025年は2度ドクターヘリで搬送…過酷なリハビリの日々
藤木:ミラノ・コルティナパラリンピックで2つメダル獲得おめでとうございます!
村岡:ありがとうございます!
高見:実は、村岡選手は去年11月に大ケガを負いまして、今回のパラリンピックが復帰戦というぶっつけ本番だったそうです。
藤木:あの猛スピードで斜面を滑る競技ですから、やはり、ケガはつきものですか?
村岡:そうですね。時速約100kmで、体と用具だけで斜面を下っていくので、1つの転倒が命の危険や大きなケガにつながることはたくさんあります。
藤木:1年ほど前にもケガがあったそうですね。
村岡:はい。なので、昨年は4月と11月に2度、ドクターヘリに乗っています。
藤木:パラリンピックに向けた大事な年にもかかわらず、ケガとの戦いでもあったということですか?
村岡:そうですね。昨年は雪上にいる時間やトレーニングの時間よりも、リハビリの時間が一番長くて、本当に苦しい1年間でした。
◆想定外の銀メダル
藤木:パラリンピックの最初の種目となったのが「スーパー大回転」ということですが、いざスタートのところに立ったときは、どんな思いでしたか?
村岡:「ここに来られて良かったな」と思いました。
藤木:恐怖心というよりは安堵感というか、「この場所まで帰って来られた」という思いのほうが強かった?
村岡:本当に難易度の高いコースなので、恐怖心も大きかったんですけど、私のスーパー大回転の戦略が“フルアタックをしない”だったんです。というのも、その後の「大回転」が私の一番得意としている種目だったので、そこで金メダルを獲得することを一番の目標にしていました。
なので、(スーパー大回転は)そこに向けての準備というか。フルアタックで一か八かの滑りをするのではなく、基本的にはゴールすることを第一に考えて、ケガなく、転倒もなく、しっかり滑り切る。あとは、コースの状況をしっかり確認したり、雪質や山の状態を把握しながら、攻めるところは攻めて守るところは守る、といった気持ちで滑っていました。
藤木:ある程度セーフティーに滑りながらも、見事に銀メダルを獲得しました。では逆に、予想外のメダルだったのですか?
村岡:すごく予想外でした。ゴールをしてから、まず自分が3位以内にいたということと、私より後ろの滑走順で、上位に食い込みそうな選手が3人くらいしかいなかったんですよ。しかも、一番上位にくると思っていた選手がコースアウトしたので“……あれ?”って(笑)。なので、自分も本当に想定外の銀メダルでした。
村岡桃佳選手
◆2つ目の銀メダル…それでも欲しいのは“金メダル”
藤木:この銀メダルで、(冬季パラリンピックで)日本人獲得メダル数の最多タイに並んだじゃないですか。しかも、ご自身の得意な大回転が控えているということで、“更新できるんじゃないか”という期待と言いますか、手応えは感じていらっしゃいました?
村岡:正直に言うと、メダル数はあまり気にしていませんでした。今大会は、ただただ「大回転で金メダルが獲りたい」それだけだったんです。実際、メダル数がタイに並んだときに、インタビューで「どうですか?」って聞かれたんですけど、「気がついたら並んでいました」みたいな感覚だったので。本当にメダル数については何も気にしていませんでした。
藤木:やっぱり、欲しいのは金メダルということなんでしょうか。
村岡:自分で言うのもなんですけど、メダルはいっぱいあるんです(笑)。でもやっぱり、何個獲ってもうれしくて、何個獲っても「また欲しい」と思えるのは金メダルだけです。
藤木:そういう意味では、大回転で(銀メダルに終わり)金メダルを獲れなかったことは、悔しさが残りますか?
村岡:本当に悔しいです。「金メダルが獲りたい」という気持ちがすごく強かったので。
藤木:金メダルには届かなかったけれども、自分なりに攻めきれたレースでしたか?
村岡:はい、本当に攻めきりました。次の選手たちもどんどん滑ってくるので、ゴールした後すぐに、ゴールエリア、ゴールハウスから出なきゃいけないんですけど、(ゴール後は)息もめちゃくちゃあがっていたし、体が急に脱力して力が入らなくなって本当に動けなくて。気持ちだけで「よいしょ、よいしょ」と移動したくらい、私のなかで出し切ったレースではありました。
結果的に銀メダルに終わって、その後の表彰式やメディア対応でインタビューを受けているときは、「やり切ってこの結果だったら仕方がない」と、自分のなかで納得した気持ちでいたんですけど、ただそれは「納得しよう」と思っただけだったんだなって(笑)。
藤木:時間が経って、改めて金メダルへの思いがふつふつと湧いてきている?
村岡:時間が経てば経つほど、銀メダルという結果が悔しくてたまらないですね。その思いが、どんどん大きくなっています。
藤木:パラリンピックは4年に1度なので、そう簡単に4年後のことは聞けないですけれども、今はどのように考えていらっしゃいますか?
村岡:今回の結果が悔しくて悔しくて、このままじゃ終われないので、「4年後は再び金メダルが獲れるように……」という気持ちでやっていきたいと思います。
村岡桃佳選手
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/
番組公式X:@SPORTSBEAT_TFM