脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。
TOKYO FMとJFN系列38局の音声配信プラットフォーム「AuDee(オーディー)」では、当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。
この番組では、リスナーの皆様から寄せられたお悩みに茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。今回の配信では「転職」に関する質問に答えました。
パーソナリティの茂木健一郎
<リスナーからの相談>
茂木さんが現在の仕事に就いたきっかけは何でしたか? 私は数回転職していますが、なかなか長続きしません。コツがあれば教えてください。
<茂木の回答>
最近いろんな方にお目にかかると、転職を重ねてキャリアを積むといいますか、非常に面白い仕事をしてらっしゃる方が意外と多いのです。日本の社会はかつて終身雇用で、ずっと同じ会社にいるというのが望ましいと言われていました。
今はむしろ転職がマイナスにならないというか、むしろ評価される時代でもありますから、そもそも転職を繰り返すこと自体そこまで悪いことではない、と僕は思っています。
とはいえ、自分にとってぴったりの場所、仕事が見つかったらそれは素敵なことです。私は学生時代、科学から法律の世界に行って、法学部を卒業したりもしました。そして、大学院は物理専攻でした。現在は脳科学をやっていますし、言われてみるとたしかに、私も仕事をどんどんと変えています。
コツは「無理をしない」です。コツコツ努力をしていると、それを誰かが見てくれてオファーをいただくこともあります。そうしたチャンスに対して「私がやります」と手を挙げるための準備を普段からしておくことが大切です。とにかく無理をせず、仕事をしながら準備を続けることが大事だと思います。
科学の世界には「ネットワークサイエンス」という、人と人とのつながりがどのように働いているか研究する学問があります。その学問では「弱い絆の強さ」理論というものがありまして、どういうことか説明しますと、新しい仕事やチャンスというものは、案外普段お付き合いをしていないところから来ることが多いと言っています。その理論を当てはめますと、人とのつながり、特に友達の友達、知り合いの知り合いあたりのお付き合いを普段から少し意識しておくといいのかなと思います。
最終的にぴったりくるお仕事が見つかるといいなと思うのですが、無理する必要はありません。先ほどお伝えしたことを自然にやっていくと、いつかぴったりと自分に合うような仕事に出会えるのではないかなと思います。
こうやって自然体で生きることはポジティブの基本だと思います。ポジティブと聞くと意識を高くしたり熱血であらねばいけないといったイメージが世の中にあるかもしれませんが、ポジティブは脳科学的に言うと自然体ということです。
自然体で日々の仕事や生活を充実させるというのが、僕は一番大事なことなのかなと思いますし、そのように自分もしてきたと感じています。参考にしていただけますと嬉しいです。
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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
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<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎