笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。10月11日(土)の放送は、先週に引き続き、コスモエネルギーホールディングス株式会社 常務執行役員 CDO のルゾンカ典子さんがゲストに登場。社員のモチベーションを高める取り組みや、日本と海外における「データとの向き合い方」の違いなどについて語りました。
(左から)ルゾンカ典子さん、笹川友里
ルゾンカ典子さんは、アメリカの大手自動車保険会社で顧客や商品分析の開発・研究に携わり、帰国後は外資系の大手銀行や生命保険会社で、ビジネスアナリティクス部門の立ち上げや運営をリード。2021年11月からは、コスモエネルギーホールディングス株式会社のCDOとして活躍し、ブランド価値や顧客体験(CX)の向上、DX人材の育成、データを活用した経営基盤の構築に取り組んでいます。また、スピード感のあるイノベーションを推進するチェンジマネジメントを通じて、持続可能な組織づくりを目指しています。
◆利用者の暮らしに寄り添うアプリが好評
近年、コスモはDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた業務変革にも積極的に取り組んでおり、社内の効率化だけでなく、顧客体験の向上にも力を入れています。その代表的な取り組みが、累計1,000万ダウンロードを突破している「【コスモの公式】アプリ」です。ルゾンカさんは「アプリって、ダウンロードだけしてそのまま放置してしまうケースも多いかと思いますが、コスモの場合は定期的に使ってくださるお客さまがとても多いです」と手応えを語ります。
また、同アプリを“お客さまと私たちをつなぐツール”と評し、「皆さんが実際にどういうふうに使っているかを共有して『これじゃ使いにくいんじゃない?』なんて言いながら、検索の仕方や使い方を日々改良しています。(お客さまとの)コミュニケーションを大切にしていきたいので、皆さまのカーライフ、そして、ライフ全体を含めて、サービスとして提供できるものはどんどん追加していきたいです」と語ります。
◆社員のやる気を高める「Cosmo's 5C」
日本を拠点に事業を展開するコスモは、グループ全体で約6,500人の従業員を抱えています。そこで、笹川が「社員のモチベーションを高めるうえで大切なのは何でしょうか?」と質問すると、ルゾンカさんは「一人ひとりの長所を伸ばすこと」をポイントに挙げ、「私も苦手なことがいっぱいありますが、苦手なことを頑張っていたらキツくなってくるタイミングってやっぱりありますよね。なので、私は社員の皆さんに『自分の得意なところを伸ばしてください』とお願いしています」と説明。
続けて、「やはり、やる気が出るところ、自分で頑張りたいところって人それぞれなので、ここで響いてくるのが『Cosmo's 5C』。個々の社員のやる気を高めて、自分ごと化していく意識改革は『Cosmo's 5C』に込められている思いでもあります」と声を大にします。その『Cosmo's 5C』とは、5つの「C」がつけられています。
・Chance(機会):今をチャンスとして捉えて「今やるべきだ」と感じたタイミングを逃さない。
・Challenge(挑戦):昨日と少しでも違うことに挑戦する。
・Change(変化):“気持ち”だけで終わらせず、実際にアクションに移す。“今までやっていたものが実際に変わっている”という事実が重要
・Communicate(対話):対話を通じて社員同士の理解を深める。
・Commit(こだわり):最後までこだわりを持って業務を進める。
これを聞いた笹川が「コスモのCに引っかけてはいると思うんですけど、『Cosmo's 5C』は本当にどんな組織でも実用すべきものっていう感じがします」と述べると、ルゾンカさんも同意しつつ、「最終的には(社員の)皆さんのやる気と自分ごと化する力が、このプロジェクトの成功につながると思います」と力を込めます。
◆日本の企業はデータガバナンスが後回しになりがち!?
外資系企業と日本企業の双方でデータマネジメントに携わってきたルゾンカさんいわく、データに対する向き合い方と投資の仕方が、日本と海外では明確な違いがあると言います。「海外では、データに投資して、そこから見えてくるものを信じて、きちんと経営判断されている方が多いのですが、日本では、まだ『データを整理してどうするの?』といった質問が出てしまうくらい、データそのものに対する価値を見出せていない方が多く、そのぶんデータガバナンス(企業内でデータを使える状態にする為の枠組み)が後回しになりがちです。そのあたりが、海外と比べて2〜3周ぐらい遅れてしまっている印象です」と分析します。
そして最後に、ルゾンカさんが思い描く未来の風景について伺うと、「どうしても“エネルギー”を中心に考えてしまうんですけれども……」と前置きしつつ、「意外と、いろんな面が地産地消になっていくのではないでしょうか」と推測。
エネルギーにおいても、遠くの場所に運ぶほどコストも時間もかかってしまう現状から、「再生エネルギーも皆さんの生活も、ある程度の生活圏があると思うので、地域の特製に合わせた再生可能なエネルギーを創出して、それを使って生活する地産地消型になっていくのではないでしょうか。市区町村のレベルもあるかと思いますけれども、自分のライフスタイルのなかで、それに見合ったものを作り出して使っていく。そういったエネルギーのサイクルと一緒に、デジタル化も進んでいくのではないかと思います」と話していました。
<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/