TOKYO FMグループの「ミュージックバード」で放送のラジオ番組「デジタル建設ジャーナル」。建設業界のデジタル化・DXを進めるクラフトバンク株式会社が、全国各地で活躍し、地域を支える建設業の方をゲストにお迎えするインタビュー番組です。一般になかなか伝わりにくい建設業界の物語を全国のリスナーに広めています。
クラフトバンク株式会社では、工事会社向け経営管理システム「クラフトバンクオフィス」を開発し、工事会社の生産性向上に取り組んでいます。また、工事会社の売上拡大を支援する工事マッチングサイトや、職人のためのリアルな交流の場「職人酒場」の運営もおこなっています。
3月2日(日)の放送では、クラフトバンクが開催している建設業特化型リアル交流会「職人酒場」によって、新たな取引先開拓に成功した企業の“生の声”を聞きました。今回のパーソナリティは、クラフトバンクの社員であり、「職人酒場」の女将を務める八木橋育子が担当。

(左から)株式会社ART RAISEの小室直子さん、内藤建設株式会社の水野勇さん、パーソナリティの八木橋育子
◆「職人酒場」で取引が成立した企業が出演
八木橋:今週のゲストは、元請会社代表として、岐阜県岐阜市の内藤建設株式会社 建設部積算購買課 課長補佐の水野勇さん。協力会社代表として、神奈川県横浜市の株式会社ART RAISE専務取締役の小室直子さんです! まず、内藤建設さんから簡単に会社の説明をお願いします。
水野:創業78年の中部地区で岐阜市を中心とした建設業を営んでおります。公共事業から倉庫、工場、老人ホーム、事務所、店舗、住宅、不動産まで幅広く建設に携わっております。現在の従業員は100人です。
八木橋:ありがとうございます。続いて、ART RAISEさんもお願いします。
小室:神奈川県横浜市で左官工事業一式を請け負っております。弊社は創業10年経ちまして、11年目です。もともとは施工会社なので二次請けでして、元請け様が内藤建設様です。二次請けから一次請けに上がることを目標に営業活動をしていたところ、「職人酒場」で水野さんに出会いました。
八木橋:今回はおふたりが職人酒場で出会ってから、どのように取引を進められたのかをお聞きしたいです。
◆「職人酒場」利用のきっかけは?
八木橋:「職人酒場」で出会う前、そもそも「職人酒場」がなかったときは協力会社さんや元請け探しはどのようにされていましたか?
水野:会社が78年続いていることもありますので、もともと既存の協力会社さんが業種ごとに3社ぐらい常にいる形でした。そこのなかで基本的にお仕事を依頼しているのですが、倒産していく会社が続きまして。当時、知っている業者がないか調べたり、社員の知り合いぐらいの範囲でしか動いていませんでした。
八木橋:つながりのある会社さんが年配になり、お仕事ができなくなり、辞めてしまわれるケースも多いのでしょうか?
水野:そうですね。そういった会社は少しずつ増えております。
八木橋:新しい会社を見つけなければいけないけれど、どうしようかなと思われていた状態だったのですね。そして、その段階でクラフトバンクに出会っていただいたと。
水野:はい。サイトでマッチングするサービスをクラフトバンクさんがやられていると思うんですけども、そこにまず登録したのがはじまりです。
八木橋:ありがとうございます。私たちは社名と同じ名前の「クラフトバンク」というマッチングサイトを運営しておりまして、全国で3万社強の会社様にご登録いただいています。
水野さんがおっしゃっていただいていたように、工事業者さんや元請け会社さんを探すことができる、無料でご利用いただけるサイトになります。
◆「職人酒場」で多くの会社と繋がりができた
八木橋:「職人酒場」に出会ってから、工事業者さんや元請け会社さんの探し方はどのように変わりましたか?
水野:東京での「職人酒場」は2ヵ月に一度ぐらいのペースで開催されていると思うのですが、東京でやる際は基本的にすべて参加させていただきました。20社以上との名刺交換を目標にして、そこでつながりをどんどん深めていきました。
僕はたしか10回以上参加しているのですが、そのなかでつながりそうだなと感じた会社は30社ほどありました。そのなかから実際に工事をしてもらったのが、たしか8社ですかね。
八木橋:ART RAISEさん以外でもつながった業者さんがいらっしゃるんですね。「職人酒場」は一度の開催でだいたい40から50社ぐらいの方々にご参加いただいているんですけど、そこから8社とのつながりができたということで、お役に立ててよかったです!
水野:いまだにつながっている会社は10社以上います。
八木橋:ありがとうございます。小室さんはいかがでしょうか?
小室:「職人酒場」に参加する前、取引してくれる会社は2社だけだったんですね。そのうち1社はもともと社長がいた会社で、もう1つが私が営業でつながった一次の左官屋さんです。
「このままではいけないよね」ということで営業活動を始めたのですが、「職人酒場」に参加したことでありがたいことにいろんな方から声がかかるんです。おそらく、左官屋さんが少ないからだと思います。
八木橋:不足しているからつながりたい思いがあるのでしょうね。
小室:嬉しいことに、私自身は営業努力をあまりしていないんですよ。現在はいろんな業種で人手不足なので、実際に仕事をやってくれる人を探している会社様が多い印象があります。
おかげさまでこの数年で20社ぐらいの取引会社が増えました。大きなマンションや商業施設を取り扱うゼネコンさんから小さいところまで幅広くつながることができました。
八木橋:お役に立ててよかったです! 「職人酒場」は2時間の会ですけども、その場でいろんな方と名刺交換ができるので効率的なのかなと思います。
小室:すごく効率的だと思います。そもそもゼネコンの職員の方と肩を並べてお話しする機会なんてそうそうないんですよ。「職人酒場」だとお酒も入るので、緊張感も解れますから「水野さ~ん!」みたいに声をかけられるんです(笑)。「職人酒場」ではお酒の力を借りて、普段会えない人とお話しできるんですよね。
水野:お話しできるきっかけを与えてくれますよね。

過去に開催された「職人酒場」の模様
◆対面営業の重要性を実感
八木橋:水野さんは最初にクラフトバンクが運営しているマッチングサイトを登録して使ってみたものの、お仕事にはなかなかつながらなかったそうですね。ネット上のマッチングではつながれなかったものが「職人酒場」ではなぜつながれたのか。コミュニケーションの違いがあれば教えていただきたいです。
水野:やはり、実際に顔を合わせていない方からのメールが来ても、何がどれぐらいできるのか詳しくはわからなくて。そのなかで何人か選んで面談することもできますけども、なかなかそこに踏み込めないことが現実的にありました。
「職人酒場」では参加する前に業種ごとの名簿をいただけるので、自分がつながりたい方と名刺交換をしようと思えるんですよね。会社の規模とかどこまでできるのかを顔を見てお話しできるのは、すごくつながりやすいというか、ハードルが下がる感覚があります。
八木橋:顔が見えるからこそですね。
水野:一歩踏み出すタイミングが早くなるんですよね。そこから面談するわけですが、実際に会うことによってその人の考え方も見えてきますし、企業に対して惚れてしまうこともあるんですよ。やはり実際に会うことはすごく重要だと思いました。
小室:うちは左官をやっているのですが、実は左官にもいろんなタイプがありまして。明確な違いとしては“どこを塗るのか”ですね。個人の住宅なのか大きい建物なのか、土木なのか、芸術的なものなのか、カテゴリーが全然違っていて、やる内容が違うんですね。
マッチングサイトでは左官屋だと書きますが、何の現場が得意かまでは書けないんですね。元請け様からすると、どのタイプの左官屋かわからないから、メールでのやり取りのハードルが高いのだと思います。
水野:おっしゃる通りです(笑)。
小室:「職人酒場」では名刺交換をするときに、どれぐらいの職人がいてどういったことを得意としているかをフランクにお話しすることができるので、マッチングのロスやミスが非常に少なくなるのかなと思います。
◆“お酒の力”を借りて思いがけない人と交流
八木橋:「職人酒場」で初対面の方とやりとりする際、どういうことを工夫するとその先のやりとりにもつながっていきやすいですか?
水野:「職人酒場」に行く前に0次会をやって酔ってから行く、ですね(笑)。お酒で気合いを入れてから行きます(笑)。
八木橋:初対面が苦手だったり口下手な方であっても、お酒が入ると少し話しやすくなりますよね。
小室:実はお酒というのがポイントが高いんですよね。私たちみたいな小さな施工会社がゼネコンの方と会うなんてあり得ないんですよ(笑)。
八木橋:なかなかそういった出会いの場はないですもんね。
小室:お酒の力を借りて、やんわりとした雰囲気のなかでお話しができる、しかも仕事の話もしてもらえる機会ってないんですよ。お酒の力って本当にありがたいです。
<番組概要>
番組名:デジタル建設ジャーナル
放送日時:毎週日曜日 15:00-15:55
パーソナリティ:中辻景子・八木橋育子・田久保彰太