山崎怜奈(れなち)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組
「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」
(毎週月曜~木曜13:00~14:55)。1月23日(木)の放送は、作家生活10年目を迎えた小説家の小川哲(おがわ・さとし)さんが登場! 小説家を目指した理由や1月22日(水)に発売された能登半島復興応援チャリティ短編集「あえのがたり」(講談社)について伺いました。
(左から)パーソナリティの山崎怜奈、小川哲さん
◆小説家を目指したきっかけは?
れなち:小川さんは26歳の頃に小説を書き始め、今年で作家生活10年目を迎えられましたが、何がきっかけで“自分で書いてみよう”と思われたのですか?
小川:書きたいものがあったとか表現したいことがあったとかじゃなく、単純に“寝たいだけ寝て、好きなときに仕事して印税生活できる”っていうのが僕の理想だったんです。満員電車にも乗りたくないし、どうしたらいいかなと思ったときに「小説家になりたいな」って。
れなち:(笑)。ほかにもいろいろな選択肢があったと思うんですけど……。
小川:まず僕は“チームで仕事をしたくない”“なるべく1人でやりたい”っていう思いが結構あって。そうすると、絵を描くとか音楽とかのクリエイティブな仕事に限られちゃうんですが、絵を描いたり、音楽を作るスキルがないので、それで消去法で小説家に……。あと、一般に流通している本を読んで“ここをこうしたほうが絶対に面白くなるのに”“この本はあまり面白くない”と思って読んでいたりしたんです。ということは、理論上もっと面白いものが書けるんじゃないかと。
れなち:つまらない本に出会ったときってどうしていますか?
小川:小説家になる前は“なんでつまらないのか?”と考えたりしていましたが、今はもう読むのをやめちゃいますね。でも、それが読者の多い作家の作品とか、評価の高い作品だと、自分が面白いと感じるセンサーがない可能性があるので、“この作品はどこが評価されているのか”を自分なりに解釈するために読むのもなくはないです。自分が成長するチャンスというか、今まで書けなかったタイプの小説を書くチャンスでもあるので。
◆“おもてなし”を10人の作家が表現
れなち:1月22日に今村翔吾さん、加藤シゲアキさんと共同で企画された能登半島復興応援チャリティ短編集「あえのがたり」が発売されました。これは10名の作家さんに声をかけて、“おもてなし”というテーマで書かれた短編がいろいろ入っているんですね。
小川:加藤シゲアキさんが中心人物となって“(復興のために)何かできることはないか”と、僕らを含めいろいろな方に賛同していただいて書いたんですけど、実はなかなか難しいというか……。能登の震災って現在進行形で、今も被災されて苦しんでいる方が大勢いらっしゃるわけですよ。だから、その方たちの力になるために何ができるのかっていうのを、10人の作家が10通りのやり方で考えた、みたいなところがあって。
もちろん、本として面白くないと読んでもらえないので、それぞれの作家が考えた“おもてなし”というものを表現したという……アンソロジーなんですけど、ある意味ちょっと変な本ではあるかもしれないですね。
れなち:他の方の作品を読まれてみて、どう受け取りましたか?
小川:本当に人それぞれ(おもてなしの)解釈が違っていて、朝井リョウさんなんかは「朝井リョウだな〜」って。
れなち:(笑)。
小川:でも、僕と朝井さんはちょっとタイプが似ていて、感動とかを真っすぐに伝えるのが苦手なタイプだと思っていて、こういうチャリティ本とは明らかに相性が悪いんですよ。そのなかで“どうやって表現するんだろう”みたいなところで“朝井さんはそういう感じだったんだな”って。
れなち:小川さんは「エデンの東」というタイトルで書かれていますが、どのような作品ですか?
小川:そのときに一番感じた“このアンソロジーだったら、これを書くかな”というのを僕なりに……ある意味チャレンジングな作品を書きました。
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1月23日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年1月31日(金) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:山崎怜奈の誰かに話したかったこと。
放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55
パーソナリティ:山崎怜奈