鷲見玲奈がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ALFALINK presents BRAND NEW LINK」(毎週土曜 7:00~7:25)。ひとつの成功に満足することなく、新たな分野へと越境し挑戦を続ける人。既存の枠にとらわれず、業界に新しい潮流を持ち込み、ゲームチェンジを起こしてきた企業。そうした方々をゲストに迎え、挑戦にまつわるエピソードや発想の原点、そしてこれから目指すヴィジョンについて伺っていきます。
3月21日(土)の放送では、スタートアップファクトリー代表の鈴木おさむさんをゲストに迎え、現在の活動や、放送作家になるまでの経緯について話を伺いました。
(左から)鈴木おさむさん、パーソナリティの鷲見玲奈
◆引退発表後も作品が次々と登場する理由
32年間にわたり放送作家・脚本家として第一線を走り続けてきた鈴木おさむさんは、2024年3月をもってそのキャリアに一区切りをつけ、新たな挑戦へと踏み出しました。これまで「常識外れ」とも評される斬新な企画で多くの視聴者を魅了してきた鈴木さんですが、その引退は決してすべての活動の停止を意味するものではないといいます。
現在配信中の作品や進行中のプロジェクトの多くは、実は数年前から温めてきたもので、Netflixで配信されている「This is I」も、企画の発端は2021年末にさかのぼり、2022年に持ち込まれたもの。また、往年の人気ドラマ「101回目のプロポーズ」の続編企画「102回目のプロポーズ」も4月1日(水)より地上波放送スタートで、「5年前くらいに立てた企画が今、形になっている」と語ります。
さらに舞台作品においては、より長期的な準備が必要とされます。劇場の確保などの都合から、5年前にはスケジュールを押さえることも珍しくないといい、引退前に立ち上げた企画が現在も進行している状況です。「辞める前に企画した舞台が今年2本あるんですよ。まだ辞めてないじゃないかって言われるんですけど、辞めるまでに5年もかかるっていうのはすごく感じていますね」と、その余韻を話しました。
鈴木さんが引退という決断に至った背景には、40代という年代特有の葛藤があったといいます。鈴木さんは「40代はなかなか難しい年代」と語り、仕事だけでなく人生全体を見つめ直す時期であると指摘します。特にテレビ業界においては、周囲の人々が出世や立場の変化を迎えるなかで、自身の役割も単に“面白いものを考える”だけでは済まなくなっている現実があったといいます。
そんななか、長年携わってきた番組「SMAP×SMAP」の終了が大きな転機となりました。「アドレナリンが出にくくなったと気づいたのが一番デカいですね」と振り返ります。一方で、引退後もアイデアを生み出す力が衰えたわけではありません。むしろ、その発想力は新たなフィールドで活かされています。現在は投資先の企業や若手起業家との関わりのなかで、自身のアイデアを提供。「テレビじゃなくなっただけ」と語るように、かつてテレビ局と交わしていた企画のやり取りは、いまやスタートアップや新規事業の現場へと舞台を移しています。
パーソナリティの鷲見玲奈
◆インターネットから“次のヒット”を見つけるのは難しい?
放送作家として数々のヒット企画を手がけてきた鈴木さん。その原点をたどると、幼少期に感じたテレビへの純粋な憧れに行き着きます。1972年生まれの鈴木さんは、テレビ業界に勢いがあった時代に育ち、番組そのものの面白さに夢中になっていたといいます。
転機となったのは、中学生の頃。「放送作家」という存在に気づいたことでした。ラジオ番組のなかで一緒に笑う“誰か”の存在に興味を持ち、「この人がハガキを出しているのかもしれない」「企画を考えているのかもしれない」と想像を巡らせるようになります。そこからテレビの裏側にも意識が向き、「放送作家ってこういうことを考えているんだ」と理解が深まっていきました。そして高校生になる頃には、「放送作家になってみたい」と具体的な目標を抱くようになったといいます。
当時は現在のように専門学校や明確なルートが整っていたわけではなく、鈴木さん自身も手探りのなかで道を切り拓いていきました。きっかけとなったのは、芸能事務所のオーディションです。放送作家になりたいという思いを胸に秘めながら参加し、自分の順番でその意思を打ち明けたことが転機となります。「放送作家になりたい」と伝えたその一歩が、現場へとつながっていきました。
その後、修行期間を経て、ラジオ局へ。最初に関わったのは、山田邦子さんやデビュー間もない槇原敬之さんの番組でした。こうして現場で経験を積みながら、放送作家としてのキャリアがスタートします。最初はセカンド作家、サード作家といったポジションから始まり、先輩やチーフ作家に引き上げられる形で学んでいったといいます。
時代は移り、情報収集の方法も大きく変化しました。インターネットによってあらゆる情報が手軽に手に入る現代において、鈴木さんはその特性を冷静に捉えています。「ネットって情報がなんでも出ているように感じるけど、流行っているものしか出てこない」と語り、「まだ世の中に広く認知されていないもの、必要とされながらも可視化されていないものこそにチャンスがある」と指摘します。
その考え方は、アイデアの生み出し方にも通じています。鈴木さんが重視するのは、「ありそうでなかったもの」に目を向けること。「なんでこれがなかったんだろうっていう発想はすごく大事なんですよね」といいます。
たとえば、かつて登場したアルコールフリーのビールに対しても、当初は疑問を感じながらも、「それを求めていた人が確実にいた」ことに着目。そのニーズに気づけるかどうかが重要だと語ります。つまりアイデアとは、特別な場所にあるものではなく、日常のなかに潜んでいるもの。鈴木さんの発想の根底には、そうした小さな気づきを見逃さない視点が息づいています。
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<番組概要>
番組名:ALFALINK presents BRAND NEW LINK
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25(TOKYO FM)、6:30~6:55(FM大阪)
パーソナリティ:鷲見玲奈
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/brand_new_link/
番組公式Instagram:
@alfalink.tfm