杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
1月18日(日)の放送テーマは「ご存じですか? 法テラスの犯罪被害者支援」。法テラス犯罪被害者支援課の大山幸治(おおやま・こうじ)さんから、新たに設けられた被害者支援制度について伺いました。
(左から)村上佳菜子、大山幸治さん、杉浦太陽
◆「法テラス」の役割
法テラス(正式名称:日本司法支援センター)は、2006年に国が設立した公的な法人です。借金や離婚、相続といった身近な法的トラブルから、犯罪被害に関する相談まで幅広い問題に対応しています。
法テラスの由来について、大山さんは「法律によってトラブル解決へと進む道を指し示すことで、相談される皆さまのモヤモヤとした心に“光を照らす場”という意味を込めた造語です」と説明します。「だれに相談すればいいのか」「どのような解決方法があるのか」といった疑問に対し、全国どこにいても必要な情報や支援を受けられる体制を整えています。
◆「犯罪被害者等法律援助」とは?
日本には、刑事事件の被疑者や被告人が、経済的な理由で弁護士を依頼できない場合、国の費用負担で弁護士をつける国選弁護制度があります。その一方で、被害者側が困ったときにサポートしてくれる制度に関しては、複数の制度をやりくりすれば対応できるものの、全体を一貫してカバーできる制度はありませんでした。そこで、新たに設けられたのが「犯罪被害者等支援弁護士制度(犯罪被害者等法律援助)」です。
新制度の大きな特徴は、被害に遭った直後から弁護士が継続的に支援する点にあります。犯罪被害に遭った人やその家族のなかには、精神的・身体的ダメージによって、自ら必要な対応をおこなえないケースも少なくありません。また、経済的な不安から、弁護士への相談をためらってしまう人もいます。
この制度では、そのような方々に対して、一定の要件を満たせば、原則として法テラスの費用負担で弁護士の支援を受けることができます。弁護士は事件直後から関わり、被害者や家族に寄り添いながら必要な手続きを一貫してサポートします。
犯罪被害に遭うと、心身の回復が必要になってくるだけはでなく、さまざまな現実的対応を迫られます。「例えば、警察などが捜査のために『話を聞きたい』と言ってきたり、加害者側の弁護士がやってきて示談をもちかけたり、さまざまな条件を提示してくる場合もあります」と大山さん。突然の事態に戸惑うなかで、どの弁護士に相談すればよいのか、費用がどのぐらいかかるのか分からず、不安を抱える人も多いのが実情です。
さらに、事件をきっかけに仕事を休まざるを得なくなった場合、生活への影響も深刻となり、事案によってはマスコミ対応が必要になることもあります。その後も、裁判への対応や国が支給する「犯罪被害者等給付金」の申請手続きなど、被害に遭わなければ直面しなかったはずの負担が次々と発生します。しかも、ここで紹介したものはほんの一部で、実際には、より多くの負担が重なるため、被害者や家族だけで対応するのは非常に困難です。
そこで、早い段階から弁護士が関与し、刑事・民事の手続きや報道対応など、包括的かつ継続的に支援するのが犯罪被害者等支援弁護士制度です。具体的な取り組みについて、大山さんは「被害届の作成や提出、警察・検察の事情聴取が不安な場合の同行、加害者側から示談があった場合は、その交渉窓口にもなってもらいます。また、各種支援制度の申請手続き、刑事裁判の法廷への付き添い、民事裁判としての損害賠償請求訴訟、マスコミ対応もおこないます」と紹介します。
◆新制度を受けられる対象は?
犯罪被害者等支援弁護士制度は、一定の犯罪に巻き込まれた被害者やその家族を対象としています。対象となるのは大きく分けて3つのケースがあります。
1.殺人や傷害致死、強盗殺人、危険運転致死など「故意に人を死亡させた犯罪」(※未遂を含む)
2.不同意性交等罪、不同意わいせつ罪といった「刑法における一定の性犯罪等」(※未遂を含む)
3.傷害や危険運転致傷など「故意の犯罪行為により人を負傷させた罪」(※治療に3ヵ月以上を要する、または一定の後遺障害(障害等級第1級~14級)の被害を受けた場合)
この制度は、運用がスタートした2026年1月13日以降に発生した犯罪行為による被害が対象となります。
また、制度を利用するためには経済的な要件も設けられています。「申込者とその配偶者の現金や預貯金など、いわゆる流動資産の合計額から療養費などを引いて、残った額が300万円以下であることが要件となっています」と大山さんは解説します。
しかし、犯罪に巻き込まれた直後に、こうした要件に当てはまるかどうかを判断するのは容易ではなく、自分が対象となる犯罪の被害者に該当するのか、ということさえ分からない場合も多いことが現状としてあります。そのため、大山さんは「困ったり、悩んだりしたときは、法テラスの犯罪被害者支援ダイヤル(0120-079-714)に電話してほしいです」と力を込めます。
電話をかけると、職員が困りごとや要望を丁寧に聞き取り、被害回復に役立つ情報や法テラスがおこなっている各種支援制度、相談窓口を案内します。犯罪被害者等支援弁護士制度の利用を希望する場合は、犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士を紹介してくれるので、直接相談することもできます。この制度が適用された場合、弁護士費用は原則、法テラスが負担します。
2024年度には、犯罪被害者支援業務に関する問い合わせが約4万件寄せられました。そのうち、実際に犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士を紹介した件数は約4,500件にのぼります。
さらに、法テラスでは犯罪被害者支援に限らず、さまざまな法的トラブルに対応しています。借金や離婚、相続などに直面し、どう対処すればいいかわからない方や、経済的な理由で専門家への相談をためらっている方、近くに弁護士などの専門家がいない方にも利用されています。
最後に、大山さんは「犯罪の被害に遭われた方やご家族が、原則、法テラスによる費用負担で弁護士による支援を受けられる制度が新たに始まりました。他にも、一人ひとりのお困りごとに合った最適な支援の形を一緒に考えてまいります。1人で抱え込まず、迷ったときにこそ、まずは法テラスまでお電話ください。あなたの不安に寄り添い、次の一歩を一緒に考えます」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「犯罪被害者等支援弁護士制度」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず村上は“法テラスの犯罪被害者支援”とスケッチブックに書きました。一方、杉浦は“犯罪被害について無料で弁護士による支援が受けられる制度があります”と注目ポイントをあげ、「犯罪の被害に遭われている方やそのご家族は、法テラスの犯罪被害者支援ダイヤルにご相談ください」とコメントしました。
(左から)杉浦太陽、村上佳菜子
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm