チャンネル登録者数200万人を超えるカリスマボイストレーナーでYouTuberの「しらスタ」と、シンガーソングライターのYOSUKEがお届けするTOKYO FMのラジオ番組「シアーミュージック presents しらスタのボイトレディオ」(毎週火曜21:00~21:30)。
今回の放送は、前週に引き続き、6人組女性ボーカルグループ・Little Glee Monster(リトル グリー モンスター/通称:リトグリ)から、かれんさん、miyou(ミユウ)さんがゲストとして登場。 番組内の人気企画「明日カラオケで歌いたくなる!しらスタのソングコメンタリー!!」では、ニューアルバム『BREATH』の収録曲「ピース」をピックアップ! メンバー自ら作詞作曲に参加した制作秘話から、プロ同士ならではの熱いボーカル分析が繰り広げられました。

(写真上段・左から)しらスタ、YOSUKE、(下段・左から)かれんさん、miyouさん
◆リトグリの2人と語るニューアルバム『BREATH』とライブ映像作品の魅力
しらスタ:この番組「ボイトレディオ」は、ボイストレーナーの私、しらスタが、プロのボーカルテクニックの解説から明日から試すこともできる歌い方のアドバイスまで、さまざまなボーカルにまつわるお話をお送りしていく、聴くだけで歌が上手くなるボイトレのようなラジオ番組です。
YOSUKE:ボイトレディオ、今週もこのお二人と一緒にお送りしていきます!
かれん:Little Glee Monsterのかれんです!
miyou:miyouです。よろしくお願いします!
かれん:よろしくお願いします!
しらスタ:いらっしゃいませー!
YOSUKE:よろしくお願いします! ということで、先週は「一輪」のソングコメンタリーをお届けしましたけれども、その「一輪」も収録されたリトグリのニューアルバムがリリースされたばかりということで。どんなアルバムでございますでしょうか?
かれん:新曲もたくさんありまして。その新曲も、本当にバラエティに富んだというか、バラバラな、いろんなジャンルの曲にチャレンジしております。「一輪」が入っていたり、あとは既存曲をこの6人で歌い直した2026年バージョンも入っていたりと、すごく要素たっぷりの聴きごたえあるアルバムになってます。
YOSUKE:そんなアルバムが9月16日リリースのフルアルバム『BREATH』ということで、皆さんぜひチェックしていただけたらと思います。そしてアルバムと同じ日に、昨年11月に開催されたライブの模様を収録した「Little Glee Monster Live 2025 Voice」のBlu-ray&DVDもリリースされたと。
miyou:そうでございます。昨年、2日間、幕張で開催した「Voice」というライブなんですけど、私たちもすごくこだわって、それぞれの個性をどう生かそうかとか、「Voice」というタイトルの通り、私たちが命をかけて作っているこのハーモニーをどう届けるかというところにこだわって作ったライブなので、ぜひ観ていただけたらなと思います。
かれん:お願いします!
◆Furui Rihoとの共作! メンバー自ら作詞作曲に参加した制作秘話
YOSUKE:では早速、今日の企画、行っちゃいましょうか!
しらスタ:明日からカラオケで歌いたくなる、しらスタのソングコメンタリー!
かれん・miyou・YOSUKE:イエーイ!!
しらスタ:ボイストレーナーの私、しらスタが、アーティストご本人の前で曲の魅力や凄さを熱く語らせていただく企画です。今回は「ピース」について語らせてください!
かれん・miyou:はい!
YOSUKE:「ピース」はニューアルバム『BREATH』の1曲目に収録されている楽曲ということで。シンガーソングライターのFurui Rihoさんが書き下ろした楽曲なんですけども、なんと、お二人も作詞作曲で参加されていると。どういう経緯で参加することになったんですか?
かれん:元々Rihoちゃんがリトグリと深い関係があって。Rihoちゃんが自分のソロのアーティスト活動をする前に、ずっとリトグリの仮歌を10年くらい歌ってくださっていたんです。
しらスタ:そうなんですか!?
かれん:そうなんです。そこでの関わりから、私がフェスで共演した時にお声がけしてお友達になりまして。そういうご縁から「Rihoちゃんに頼んでみない?」とスタッフさんとお話になって。「せっかくだったら、メンバーも制作に入っちゃいなよ、やってみたらどう?」という流れから参加することになりました。
YOSUKE:おおー!
かれん:このアルバムに収録されている別の「CHERRY COKE」という曲も、メンバーの結海が作詞に携わっていたりするので、私たちにとっても今回のアルバムは結構、挑戦的なアルバムですね。
YOSUKE:実際に作詞作曲に参加してみて、いかがでしたか?
miyou:楽しかったですね。UTA(ユータ)さんという方がトラックメイキングをしてくださったんですけど、もう本当にその場で作られていって、トラックも全部その場で出来上がって。
かれん:「こんな感じ?」みたいなね。
miyou:「こんな感じでいい?」「え、もうできたんですか!?」みたいな(笑)。そこに歌詞も自分自身を投影できる歌詞というか、Rihoちゃんがいろいろヒアリングしてくれて、「こういうこと歌ってみようか」となって。そこにメロディを乗せていくんです。「じゃあ、ちょっとここ歌ってみて」「じゃあ次はかれんちゃんね」「次はmiyou」みたいに、本当に何もない状態からみんなで作っていきました。
YOSUKE:そうなんだ!
miyou:本当に滅多にない、楽しい経験でした。
YOSUKE:どんな思いが込められているのかは、きっとこのあと、おしらさんがいろいろお話しすることになると思うので(笑)。ここから頭から「ピース」をかけていって、おしらさん的に「ここ注目して聴いてほしい」というポイントが来たら曲を止めて、解説していただきます。おしらさん、準備オッケーでございますか?
しらスタ:オッケーなんだけどさ、本当にいっぱい喋っちゃいそう(笑)。
YOSUKE:では「ピース」のソングコメンタリー、スタート!
◆miyouの「エ母音」に隠された秘密としらスタ独自の着眼点
しらスタ:いきなりmiyouさんが歌い始めるんですけど、先週、miyouさんの魅力を聞かれた時に「エ母音」って言ったんですよ。
YOSUKE:エ母音、おっしゃっていましたね。
しらスタ:エ母音というのは「エ」の母音、「あいうえお」の「え」なんですけど、これ「きみが笑えば」の「え」、何色にでも「なれるさ」の「れ」もエ母音なんですね。ここがたまらないんですよ! よく聴いてください、スタート!
(♪「ピース」試聴:きみが笑えば 何色にもなれるさ)
miyou:エ母音ですね?
しらスタ:エ母音、どうですか? こだわりはありますか?
miyou:全然なくて、たぶんこれ無意識に出来上がっていて。この前、かれんちゃんと一緒にボイトレに行ったんですけど、母音の形がそれぞれあるという話を受けて。私は日本語の「あいうえお」という母音じゃなくて、全部が独自の型の母音で歌っているんだよ、ということを教えてもらったばかりだったんです。
しらスタ:ちょうどそういうタイミングだったんですね!
miyou:そうなんです! だから「あ、すごい! 分かってくれてる、なるほど!」と思って。
しらスタ:「きみが笑えば」の「え」が、いわゆる「えー」じゃないんですよね。エッジボイスのジリジリが聴こえてくるぐらいで……ちょっと口ずさんでいただいてもよろしいですか?
miyou:(実演して)「きみが笑えば 何色にもなれるさ」
しらスタ:ね、特に「れ」!
miyou:(実演)「れーるさー」
YOSUKE:「え」すぎないのかな。なんて言ったらいいんだろう?
miyou:「えーば」……奥まっているのかな? なんか。
しらスタ:そうなんですよね!「れ、え、え」って、なんか「あ」がいるんですよね。(腹話術師の)いっこく堂さんみたいに(笑)、「あーー」というところと「えーー」というところの2つの音が同時に鳴っているんです。
でも、母音が崩れているのとも違うんですよ。「るぁー」とかではない。ロックシンガーとかで「らぁーるさー」みたいに歌うのとは違って、「え」なんだけど奥の「あーー」というところがビビビッと鳴るんです。エッジの音のような響きですね。
miyou:(実演して)「れ、れ、えー、れるさ」
しらスタ:ほら、言ってる! すごい。それは例えば、ハーモニーの時とかに浮いちゃうみたいな問題は起きないんですか?
miyou:リトグリに入る前は、もっと、その母音が日本語っぽくなかったんですけど、リトグリに入ってハーモニーをする時に言葉が合わなきゃいけないから、意識してどんどん直していきました。
しらスタ:ハーモニーに入った瞬間、「あいうえお」が変わるなと思います。それで言うと、(リトグリメンバーの)MAYUさんも結構母音のタイプが違っていて。MAYUさんとmiyouさんは、他の4人と比べてちょっと別のところに母音があるんですよ。
YOSUKE:母音が別のところにいる……?
しらスタ:そう。だから2人はソロだとポンと声が分かる。でも、ハーモニーになるとみんなで合流するんです。
YOSUKE:なるほど。
しらスタ:すげぇって話ですよ!
◆かれんのキレ味と「感覚派集団」リトグリの強み
しらスタ:そしてこのあと、先週から“ラスボス”と呼ばせていただいている、かれん先生が……
YOSUKE:あら、ラスボス先生。
かれん:やばい奴みたい(笑)。
しらスタ:小林幸子さんか、かれんさんくらいしか聞いたことない(笑)。かれんさんが歌われるんですけど、「ぼくの良いところ」という歌詞に注目して聴いてほしいです。すぐ歌い始めるからよく聴いてね、行くよー!
(♪「ピース」試聴:どうしようもない 変えられない ぼくの良いところ)
しらスタ:これの凄さはですね……キレがいいんですよね(笑)。
miyou:キレがいいんだ(笑)。
しらスタ:「ぼくの良いところ」って、私がリズムを出そうと頑張っても限界があるんですけど、どうなっているんですか?
かれん:ここはRihoちゃんのこだわりポイントで。ディレクションでRihoちゃんが歌ってくれて、「“ぼくの良いところ”じゃなくて、“ぼくの良いところ!”って歌って」と言われたんです。
しらスタ:これ!! これは分かる!
かれん:「い、い」と2音で歌うんじゃなくて、「良いところ!」みたいに。「こうやって歌ってみて」と言われて、「分かりました!」って歌いました。
しらスタ:もう1回、歌ってもらっていいですか?
かれん:(実演して)「ぼくの良いところ」
しらスタ:「ぼ」のあとに「お」の余韻も残さず、母音を半分くらい抜いているんですよね。アーティキュレーションというか、リズムの作り方がめちゃくちゃ面白い!
かれん:イエーイ!(拍手)
しらスタ:はい、続きです!
(♪「ピース」試聴:後ろに隠れて 眺めてみたの 「本当のぼくはどうしたい?」 憧れるほど 弱さを知ってくよ 怖い未来蹴飛ばして)
しらスタ:今、MAYUさんパートなんですけど、母音が違うって分かりますか? YOSUKEさん。
YOSUKE:めちゃくちゃ分かります!
しらスタ:「憧れ」が「あ」じゃなくて、「お」が入っているというか。
YOSUKE:下というか、なんて言ったらいいんでしょうね?
しらスタ:重くはないんですけど、縦なんですよね。
miyou:口の中で響いている声という感じがしますよね。
しらスタ:そう、miyouさんの「え」の鳴り方とも違うんですけど、この縦の感じがすぐに分かる。このあともMAYUさんのパートが続くので、母音の違いをよく聴いてみてください。
(♪「ピース」試聴:怖い未来蹴飛ばして Let's sing it out loud !)
しらスタ:「Let's sing it」はクリアな「あいうえお」なんですよ。でも、そこまでのMAYUさんは縦の響きで歌っている。この振り幅がすごいんです! そしてコーラスになると綺麗に馴染んでいくのが本当に素晴らしいなと。
miyou:確かに。
YOSUKE:無意識にやられているんでしょうね。
miyou:リトグリに入って思ったんですけど、本当に感覚的な集団で。知識や技術、音楽のハーモニー構造を頭で考えているというより、「やって、やって、できた!」というのを積み重ねてきた人たちなんです(笑)。
しらスタ:そこは6人で一致しているんですね。
かれん:コーラスディレクターの吉田圭介さん(INSPi)も、すごく感覚的に教えてくださるんです。「掴むしかない」という感じで。
miyou:圭介さんご自身にはものすごいロジックがあるんですけど、伝える時は「もっと、ぐぁ~って感じで」とか、「日本人っぽく、後ろ髪を引かれる美しさを……」みたいにニュアンスで伝えてくださるんです。「あ、なるほど」とやってみて、「そう、そう!」で覚えていく感じなので。
YOSUKE:ある種、抽象的な表現で。
しらスタ:でも歌手はそうあるべきだと思いますよ。神々の感覚を神々のまま伝えても一般には伝わらないから、私は「母音が……」とか解説し始めちゃうんですけど、歌手の方自身は理屈で固めないほうがいいんです。
◆「音符が700個ある!?」“グルーヴを生み出す”かれんのボーカル
しらスタ:続きに行きましょう。ここからまた、かれん様のパートなんですけど……私の解説メモを見てください!
YOSUKE:ぐっちゃぐちゃになってる(笑)!
しらスタ:行くよ、みんな!
(♪「ピース」試聴:そうさ!今日だって心は 足りないままだけど 置き去りなぼくを 今から迎えに行こうよ)
しらスタ:「今から迎えに行こうよ」のところ、音符が700個くらいあるんですよ!
YOSUKE:700個もある!?(笑)
しらスタ:「今から迎えに行こうよ」って文字数にしたら少ないのに、かれんさんが歌うと音符がどんどん増えるんです!「『NARUTO』の影分身の術か!」っていうくらい(笑)。これ、どうですか?
かれん:(実演して)「今から迎えに行こうよ」
しらスタ:私が真似するよりもさらに音符が多い!
YOSUKE:多いですね、「ドゥルルン」とかしゃくり、フォールもいっぱい入ってる。
かれん:意識してやっていないから、「そうだったんだー」という感じです。
しらスタ:最小限の音符で歌うとグルーヴが出ないんですよね。かれんさんの言う「グルーヴ」ってどんなイメージですか?
かれん:昔通っていたスクールで教えてもらった時に、「ここに小さい『っ』が入っていて」「この音は階段になってて……」と解説してくれる先生だったので、どう歌えばグルーヴが出るのかが自然と身体で分かっていったんだと思います。
しらスタ:もう一度歌ってもらっていいですか?
かれん:(実演して)「今から迎えに行こうよ」
しらスタ:おーーー!「に」についているビブラートも、しっかり拍(ビート)に合っているんですよね。だから全部が音符に見えるんです。
◆miyouの「立体的な1音」と2人のコントラスト
しらスタ:そしてグルーヴの出し方で面白いのが、miyouさんは比較的音符が少ないんですよ。
(♪「ピース」試聴:ぼくが世界のピースなら 幸せになっていいだろう 「ほころび」抱きしめて 「よろこび」は増えていく)
しらスタ:miyouさんは音符が少ない代わりに、1音符がものすごく3D(立体的)なんですよね。
かれん:分かるかも! 1文字の中で母音がいろいろ変わっていくから、3Dってことですよね。
しらスタ:そうなんです! もう1回、「ぼくが世界のピースなら」を歌ってもらえますか?
miyou:(実演して)「ぼくが世界のピースなら」
しらスタ:平坦な「ぼくが」じゃなくて、1音の中に豊かな響きが詰まっているんです。かれんさんが節回しで音符を増やしていくタイプだとすれば、miyouさんは1音をぐーっと立体的に広げていくタイプ。この2人がバトンタッチしていくのが本当におもしろい!
かれん:すごい!
miyou:おもしろーい!
YOSUKE:さあ、ということで……
しらスタ:え、もう終わり!?
YOSUKE:終わりなんですよ(笑)。「ピース」のソングコメンタリーをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
かれん:本当に面白いですね。
miyou:グルーヴの出し方の違いまで分析していただいて。
かれん:miyouは歌い方がちょっと洋楽的なんだと思います。英語っぽいというか。
miyou:確かに。でもこの曲に関しては、テンポも速いし、日本語っぽいイメージで歌っているかも。
しらスタ:そうなんですよ!
YOSUKE:やはり感覚で音楽をやられているということですね(笑)。「ピース」は現在発売中のニューアルバム『BREATH』に収録されておりますので、皆さんぜひチェックしてください。それでは、改めて「ピース」をフルコーラスでお聴きいただきましょう。お二人から曲紹介をお願いします。
かれん:はい、聴いてください。Little Glee Monsterで……
かれん&miyou:「ピース」!
<番組概要>
番組名:シアーミュージック presents しらスタのボイトレディオ
パーソナリティ:しらスタ、YOSUKE
放送日時:毎週火曜 21:00~21:30
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/f/voitradio/message
番組公式X:
@voitradio_tfm